第五話 護衛は任せろ〜?
翌日、無事ゼニガメ達からポケモンを救出したリーフ達、今日は護衛依頼を受けていたのだが・・・・
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
全員が無口になっていた。と言うか今回の依頼人が・・・・
(いいんですか?こんな調子で)
リーフが小声でファイア達に話しかける。なぜか敬語になってしまっている。
(ええわけないやろ。オレ嫌やで、こんな空気)
(そうですよ、ここはリーダーとしてリーフが行くべきですよ)
(・・・・・・・・・
絶対無理!絶対無理!)
リーフは依頼人の青色の蛙のようなポケモン、ガマゲロゲを見ながら必死に首を横に振る。
このガマゲロゲ、一切喋らず挙動不審極まりない行動が目立つ。
「あの〜ガマゲロゲさん?」
「・・・・・・・・・・・」
リーフが話しかけてもまったく喋りそうにない。そこでリーフは二人にこっそり耳打ちをする
(ちょっと誰か取扱説明書持ってない?)
(いや〜電池が足りないんじゃないですか?)
(お前らまでボケんなよ!ただでさえあんな強敵(別の意味で)がおんのに!)
立て続けにボケられウォーターは頭を抱える。
(ちょっと待ってや)
ウォーターガマゲロゲに向かって歩き出した。そして・・・・・
(!!!!!?)
突然ウォーターがガマゲロゲの頭をたたいた。その光景にリーフ達は驚愕する。するとガマゲロゲは黙ってウォーターを凝視する。
「・・・・・・・・・(汗)」
「・・・・・・・・・・・・」
しかし、しばらくするとガマゲロゲは挙動不審な行動に戻る。
「なんか言えや!!!(怒)」
あろうことかウォーターは依頼人をたたいた挙句、逆ギレする。探検隊としてはタブーだが、リーフもファイアも彼を責めることはできない。ウォーターの言う通り、かなりの強敵なのだ(もちろん別の意味で)
「@%(&$##((’(#$!!」
「今度はなんや!!!?
・・・・・・はぁ・・・・・」
突然ガマゲロゲが意味不明な言葉を発したためウォーターは我慢できず激昂しかけるがすぐに彼の怒りはため息に変わる。
「はははははは!!またあえて嬉しいよ」
そこにはガマゲロゲを人質にしている四人のゼニガメ、ゼニガメズがいた。
「久しぶりだな」
「全然久しぶりちゃうやろ(汗)ほんで何しにきたんや」
ウォーターはあからさまに面倒くさがっている。
「ふふふふ、お前たちの依頼人が欲しければ、じっとしているんだな」
ゼニガメズはリーフ達を脅迫するが・・・・・
「いらんから早よ持って行ってくれ!!」
「ええええええええぇ!!!」
ウォーターの信じられない台詞にリーフ達は勿論、悪人のゼニガメズまで驚いている。
「こういうときはフツーじっとするものだろ!!」
あまりに意外な台詞に悪人とは思えない発言をするゼニガメズ。この間にウォーターはこっそりリーフ達に耳打ちする。
「リーダーどうする?こいつら人質どうなってもいいって言いよるで・・・」
「くそっ、こうなったら・・・・・・・」
ゼニガメズが戸惑っているなか、
「葉っぱカッター!」
「火炎放射!」
「うわあぁ!!」
突然の攻撃にゼニガメズは反応出来ず、ガマゲロゲを放してしまう。そのすきにリーフはガマゲロゲを救出する。
「かかったな!!気合パンチ!!」
「ぐわあああぁ!!」
ウォーターの気合パンチでゼニガメズは吹っ飛ばされる。
ウォーターの先ほどの発言はゼニガメズを動揺させるためのハッタリであった、そのすきに人質を助け、敵を撃退するつもりだったのだ。(しかし彼の心情から少ないながらも本心があったかもしれないが・・・・)
「オレは依頼人を見捨てるほど非情じゃないんでね」
(・・・・・・・・・・・・・)
リーフ達は何とも言えなかった。これが彼の真意かどうかはわからない。
「・・・・・・・・」
「なんや?」
またガマゲロゲがウォーターを見ているのでウォーターはそっけない言い方をする。
「・・・・・あ、ありがとう・・ございました・・」
かなりの小声だったがこれが彼の初めて発した言葉だった。するとウォーターも自然と笑みを浮かべる。
「いいってことよ。これが俺達の仕事だし」
「あっ、そろそろ着いたみたいよ」
リーフの言うとおり、今回の目的地に到着した。
「よかったですね、ガマゲロゲさ・・・・ん?」
ファイアがガマゲロゲの方を見るが、すでに彼の姿はなかった。ワープゾーンで脱出していたのだ。
「なんやねん!!!!!!(怒)」
ダンジョン最深部にウォーターの怒声がこだまする。(ちなみに報酬はちゃんともらえたらしいが、それでも彼の気持ちは晴れなかった)