第一話 開幕
今から数年前、平和なポケモンワールドに大規模な戦争が勃発した。
その戦争により多くの犠牲者や孤児を出してしまう。
そして現在、戦争はおさまったものの新たな危機が訪れようとしていた。
そしてこれはその危機を救うために立ち上がった一人の少女と、戦争孤児となった一人の少年が出会い探検隊を結成する物語である。
「はぁ〜」
一人の少年が湖のほとりでため息をついていた。
その少年、ヒノアラシはかけらのようなものを持ちあてもなくとぼとぼと歩いていた。
背後からの怪しい気配にも気付かずに・・・・・
「ん?誰だろう?」
ヒノアラシのがふと見た先には一人のポケモンが倒れていた。
「だ、大丈夫ですか!?」
ヒノアラシが必死に呼びかけるもポケモンはピクリとも動かない。
「そうだ!これを・・・」
ヒノアラシは半ば無理やりそのポケモンにオレンの実を飲ませた。
「・・・・ゲホッ ゲホゲホ!
・・・ハァ・・ハァ・・窒息するかと思った・・・・。」
倒れていたポケモンがせき込みながらも目を覚ました。
「よかった〜、気がついたんですね。」
「??????」
そのポケモンは信じられない表情でヒノアラシを見ていた。
「僕の顔に何かついてるんですか?」
「だ、だって・・・ポケモンが喋ってるから・・・」
「???随分変わったチコリータですね・・」
ヒノアラシの言葉にチコリータと呼ばれたポケモンは固まってしまう。
「ええええええぇぇぇ!!!!?」
湖に絶叫が響き渡る。
それから数分後、落ち着きを取り戻したチコリータはヒノアラシに色々聞かれていた。
「記憶をなくした、人間ですか・・・
あっ、僕はヒノアラシのファイアです。
臆病で弱虫で泣き虫のネズミなんです・・・。」
「(自分で言っちゃった・・・。)
わたしはリーフっていうの。え〜と・・・タイヤだったっけ?」
「ファイアですよ!タイヤじゃないです!!」
ファイアが突っ込みを入れている間に怪しい影がファイアに迫っていた。
「痛っ!」
「おっとごめんよ」
ファイアにぶつかったポケモン、ズバットとドガースがまったく悪びれずに口だけの言葉を口にする
「何するんですか!」
口調は強いもののファイアの体は震えていた。
「こいつは俺らが頂くからな。」
そう言いながらズバットはファイアからでた何かの欠けらを奪い取った。
「あ〜!!」
「なんだ、取り返そうともしねえのか相当弱虫だな。」
相変わらず震えているファイアを見てドガースが馬鹿にする。
「さて、行くか」
二匹がその場を去ろうとした時・・・
「げへっ!!」
「むぐふぉ!!」
突如リーフが蔓の鞭で二匹の後頭部を背後から殴りかかった。
その力がすごかったのか、二匹とも一撃で気絶した。
「えええええぇぇぇぇぇ!?」
ファイアが驚きの声を発する中、リーフは気絶している二匹から欠けらを取り返していた。
「はい、取り返したわよ。」
「あ、ありがとうございます・・・・。」
リーフから欠けらを返してもらうファイア。しかしその表情はどちらかといえば喜びよりも
驚きの表情である。
「ところで・・それ何?」
リーフが欠けらに興味を持ったのか、ファイアに尋ねる。
「これですか?これは遺跡の欠けら・・・
っていっても僕が勝手にそう呼んでるだけなんですけど・・・
この前拾ったんですよ。一見がらくたにしか見えませんけど、ここに不思議な模様があって
この欠けらにはもしかしたらすごい秘密があるにちがいないんじゃないかと思って・・・・・・・・
・・・・・・」
「zzzzzzzzz・・・・」
ファイアが熱弁をふるうなか、リーフは居眠りをしていた。
「寝るなー!!!!!!!」
ファイアの怒声にリーフははっと目を覚ます。
「自分から聞いといて寝ないでください!!」
「ご、ごめんなさい・・
ついうっかり・・・(自分で弱虫って言った割にはすごい声ね・・・)」
「ところでリーフはこのあと行くあてとかあるんですか?」
「そんなのあるわけないでしょうが・・・」
ファイアの問いにリーフは若干しょげながら答える。
「だったら・・・ちょっとついてきてくれませんか?」
「まぁ、いいけど・・・」
リーフはファイアの後をついていくことにきめた。