ポケモン不思議のダンジョン 葉炎の物語 〜深緑の葉と業火の炎〜









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最終章 ハッピーエンド
第八十六話 vsボーマンダ 3
 --あのしみったれた研究所の中にあったのはまるで高級ホテルのロビーのような空間だった。その中には多くのポケモン達の姿まである。一体なんだここは……?


 隣でリーフがバカ面をしてきょろきょろと辺りを見回している。んなあからさまにきょろきょろしてたら怪しまれるだろうが。


 仕方なく隣のバカをたしなめ我輩たちはバクフーンの野郎のあとを引き続き追う。幸いにもこの場にいるポケモン達はダンジョンの奴らとは違って闇雲に襲ってくるような質じゃなかったのか我輩達を見ても特に反応はしていない。
 妙にどのポケモン達も絵がうで幸せ全開な雰囲気なのが気になるがそんなこと気にしてる場合じゃないな。

なぜかアイツはポケモンの群れをしきりに気にしてたけどそんなホームラン級のバカを引きずってバクフーンのあとをおう。





 
 ポケモンが多くいた部屋から一変吹き抜けている誰もいないような一室に足を踏み入れる。急に雰囲気が変わったな……。


『侵入者がいたとの報告を受けてきてみればまさかお前だったとはな!!』

「--!?」

 上からなぜか妙に堂々とした声が響く。無駄にでかい声だから耳がキーンってするぜ……。 --あのしみったれた研究所の中にあったのはまるで高級ホテルのロビーのような空間だった。その中には多くのポケモン達の姿まである。一体なんだここは……?


 隣でリーフがバカ面をしてきょろきょろと辺りを見回している。んなあからさまにきょろきょろしてたら怪しまれるだろうが。


 仕方なく隣のバカをたしなめ我輩たちはバクフーンの野郎のあとを引き続き追う。幸いにもこの場にいるポケモン達はダンジョンの奴らとは違って闇雲に襲ってくるような質じゃなかったのか我輩達を見ても特に反応はしていない。
 妙にどのポケモン達も絵がうで幸せ全開な雰囲気なのが気になるがそんなこと気にしてる場合じゃないな。

なぜかアイツはポケモンの群れをしきりに気にしてたけどそんなホームラン級のバカを引きずってバクフーンのあとをおう。





 
 ポケモンが多くいた部屋から一変吹き抜けている誰もいないような一室に足を踏み入れる。急に雰囲気が変わったな……。


『侵入者がいたとの報告を受けてきてみればまさかお前だったとはな!!』

「--!?」

 上からなぜか妙に堂々とした声が響く。無駄にでかい声だから耳がキーンってするぜ……。


「ガハハハ!!またあえて嬉しいぜ!!リーフ!!」

「あーっ!!お前達は!!?」

 我輩達の前に現れたのはデスカーンとシビルドンとアーケオス。こいつ等はさもリーフのことを知った口ぶりであるのと同時にリーフの方もこいつ等を知ってる様子だ。

















「謎のお笑い窃盗団!!」

「誰がお笑い窃盗団じゃーーーーーーッ!!」


 あっ、こいつら全員バカ共だな。ちょっとでもこんな連中に緊張感を持ったのが馬鹿らしくなるぜ。


「相変わらず俺たちをコケにしてくれるじゃねーか、お笑いはともかく窃盗団は聞き捨てならねぇ!!」

「お笑いはいいの!?」

 漫才を繰り広げるバカ四人。こんなくだらねぇ茶番に気を取られてる場合じゃねぇってのによ。

「おいヌケ作四天王。テメェらの茶番に付き合う気はねぇんだ。とっとと失せろ」

「四天王ってなんでわたしも入ってるわけ!?」

「黙れ、おいとっとと消えねぇと--」









 突然嫌な気配を覚えた。反射的にその場から飛びのくと巨大な影が凄まじい速度で振ってきた。地響きとともにあのヌケ作三人組が情けない声と共に吹っ飛んでいった。何だったんだとも思いたいところだが一体何者なんだ……?



「--ここに侵入者がくるとはずいぶんと久々なことだな。この神聖な場所に汚らわしい足で踏み入れるとは不届きな連中だな」


 見上げた先にはやたらめったにデカいボーマンダの姿があった。コイツ……確かリーフが何度か倒したことのある奴じゃなかったか?
 隣を見るとリーフがあからさまに顔をしかめてるあたり相当辟易としてるようだ。成程、こんな訳の分からねぇ奴にも付きまとわれてるってことか。

「はぁ……まーた君な訳?そんな高尚な言葉遣いして威厳ださなくっていいからさ」

 コイツにバカにされちまったらおしまいだな。

「フッ、そうやって軽口を叩けるのも今のうちだぞ--チームリーファイよ」

だから我輩はリーファイじゃねぇっての--
と突っ込もうとした瞬間、あの巨大ボーマンダの全身が見たことのない紋章に包まれた--かと思ったら奴の姿形がもともとのボーマンダの面影を残しながらも変化していった。

 ボーマンダの特徴である羽根がやたらと鋭くなってたり、手足を収納する部位が付いている様からはどことなく戦闘機を彷彿とさせる。




「散れ」



 そういい放ったボーマンダはリーフに向かって特攻してきた。避けきれずに真正面からではないが食らってしまったリーフは勢いよく吹っ飛ばされる。



 百キロ以上あるアイツの体をまるでピンポン玉のように軽々と吹っ飛ばしやがった?奴の巨体とはいえあの頑丈なリーフがたった一発で致命傷を負うなんてどんなカラクリを使いやがったんだ?


「ぐっ……」

「フン、どうしたさっきまでの余裕は?」

 あの一撃で満身創痍のリーフと得意げに笑う巨大ボーマンダ。反撃に”かみくだく”で反撃にかかるも奴の体が硬すぎて歯がたたねぇ……。

 奴はドラゴン・ひこうタイプ。なら氷技にはめっぽう弱い筈だ。

「”こおりのキバ”!!」

 冷気を込めたキバで思い切り奴の体に喰らいつく。しかし奴は文字通り歯牙にもかけない様子で我輩を一蹴する。チッ、デカすぎるからかまるで技が通らねぇな……。














「鬱陶しい”ハイパーボイス”!!」






















 爆発に近い衝撃が部屋中を巡る。当然その部屋にいる我輩達もその衝撃から逃れられずに吹っ飛ばされた壁に叩きつけられる。
 隣ではリーフが満身創痍で今にも倒れそうとばかりにフラフラとしている。


「おいリーフ!!倒れたら殺すぞ!」

「そ、そっちこそ倒れそうじゃない……」

 そう叱咤する我輩の体も奴の攻撃で大きく体力を削られていった。野郎……何かタイプ相性じゃない弱点があれば……。






「--っ…そうだ、(おいリーフ。確かあのデカマンダになんか弱点があるんだってな。それをとっとと教えやがれ)」

 はっとした様子のリーフあの野郎まさかそのこと忘れてやがったのか?ボーマンダに悟られぬように弱点を耳にする。成程……それが分かればどうということはねぇぜ。












「このジェット様をコケにした罪は重いぜ……。リーフ!」


 啖呵を切るとリーフは雄たけびと共に我輩を全力でぶん投げた。投げられた勢いを利用してボーマンダに突っ込んでいく。

 迎え撃つように”ドラゴンクロー”を振り下ろすがこの勢いを制御できない我輩じゃねぇぜ。爪をよけ奴の弱点である腹めがけて突っ込んでいく。


 
「食らいやがれ!!」



 再度”こおりのキバ”をどてっぱらに突き立ててやった。だがそれじゃ終わらねぇ。顎に力を込め、全身を回転させて旋回した後にその勢いのまま自分の体ごと奴の体を地面に叩きつけた。


 またも爆音に近い轟音が響き、それによって生じた砂埃等が晴れた後あの巨大ボーマンダは目を回して倒れていた。さっきまでの鋭利な雰囲気の姿ではなく本来知られているボーマンダの姿になっているあたりもう奴に戦う気力はないのだろう。





 終わってみればあっさり倒せたが厄介なやつだったな……。

ノコタロウ ( 2021/04/25(日) 23:22 )