第五十話 奉仕と胞子
※まえがたりという名の謝罪
お久しぶりです。、おおそよ一か月(ここでは二か月)ぶりの出現になってしまい土下座しにきました。夏休み期間はモチベの著しい低下やネタが思いつかず、果てにはPCがイカれてしまう事件に見舞われて全く出現できませんでした。
まだ完全復帰とはいきませんがそろそろ
元通りに活動できるよう復旧しますんで今後もよろしくお願いいたします。
では片っ苦しい挨拶はここらにして本編どーぞー
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怪盗ゲッコウガことレグルスを陰で操っていたメタモンの正体を知ったリーフ(あと強引に連れられたジェット)はレグルスとともにメタモンを追うことに。
始めは威勢よくは追いかけて行ったリーフ達だがその勢いは長くは続かなかった。
「はぁ……ちょ、ちょっと休憩しようよ……」
大体その原因はこいつのせいだった。ほかの二人の足が速いこともあってリーフは駈け出してから5分もたたずに地面にへたりこんでしまう。数分前までの勢いのよさはどこへいったのかと言わんばかりにジェットもレグルスもあきれ顔。
「えぇい!なんてざまだこのすっとこどっこい!食ってばっかりだからすぐへばるんだよ!」
「そんなこと言われたって……」
ジェットに怒鳴られてリーフはお腹をおさえ、鳴らしながら不貞腐れる。Wあいつのことだ、また腹が減ったんだろうとWジェットはため息をつく。
そんな一連のやり取りと今まで自分を捕まえようとしていたこの二人とのギャップを感じてレグルスは
「お前も大変だな」
ふとこう口にする。それを耳にしたジェットはレグルスを睨むように見据え、ふっと彼を震え上がらせる。
「何がだ?」
「い……いやぁ、あんな手のかかる仲間と一緒なんてよって思ってな……」
「ケッ、あんな馬鹿がこのジェット様の仲間な訳ねーだろーが」
「えっ!?」
これを聞いてレグルスは驚かない筈がなかった。仲間でないならなぜこの二人は行動を共にしているのか。不思議に思ったレグルスはジェットにリーフと行動を共にするいきさつをたずねた。元々は敵対関係にあったこの二人が利害の一致で行動を共にしている。
ここまでなら何らおかしい話ではなかったがレグルスには一つばかし気になることがまたあった。
元々敵対関係にあるにも関わらずこの二人の関係は全く殺伐とした雰囲気を全く醸し出していない。そればかりかどこかお互いに信頼しあっているようにさえ彼には見受けられている。
相変らずリーフを罵倒するジェットと、不服そうに頬を膨らませるリーフを見て不思議そうに彼らを見据えるレグルスだがそんな彼らに--
「ん?なんだこのにおいは?」
そう口にするとリーフ達もにおいを感じたのか反応する素振りを見せた。リーフに至ってはそのにおいを感じると、今までへたり込んでいたのがウソのように機敏に立ち上がった。
「--!!このにおいは……!!」
するとどうだろう。リーフは一目散にそのにおいのする方へ駈け出して行ってしまった。あれほどへたっていたリーフが一瞬のうちにたちあがっていったことにジェットは一つしか心当たりがなかった。渋々駈け出して行ったリーフの後を追う。
「お、おい!待てよ!!」
状況についていけないレグルスは訳もわからないまま二人の後を追って行った。
リーフがたどり着いた先は何の変哲もない屋台のラーメン屋。大方彼女はここのラーメンの匂いにつれていったのだろう。
「おっちゃん!ラーメン一つ!」
幸か不幸か屋台に客はおらずにリーフは開口一番注文を開始。しばし遅れてジェット達も到着。
「ジェット〜、遅いよ〜」
「大して遅くねぇだろうが!つうかやっぱり食い物のにおいにつられやがったなこのタコ!」
「--ッ……!タコって何よ!このイカ!」
「何がイカだこのアホウ!てめーの脳みそは食欲に侵食されて悪口すらも言えなくなったか!」
「おいおい……」
あきれ果てた様子のレグルスがなぜか起こった喧嘩を仲裁。そうこうしている間に店主ルチャブルによりラーメンが運ばれてくるが--
(ケッケッケ、あいつらまんまと僕のWへんしんWに騙されているメタ。これであいつ等はしまいだメタ)
ルチャブル店主に扮していたのは彼らが追っているメタモン。罠をしかけて迎え撃とうという魂胆なのだろうか。仮面に隠れてメタモン特有の目つきが隠れており誰一人として気がつくことができない。
リーフが麺に口をつけかけた時メタモンは思わず口角を釣り上げた。
「おっちゃん!もう一杯!」
「はやっ!?」
「--!?」
驚異的なスピードで平らげたことにレグルスもメタモンも思わず驚きを隠せない。レグルスは当然そのスピードに驚いたのだがメタモンはそうではない様子。
(おかしい……、このスープには”キノコのほうしWを山ほど盛っていた筈……なのにどーしてあいつは眠らないメタ……?)
リーフが食したラーメンには対象のポケモンを眠らせる作用がある”キノコのほうし”が盛られていた。しかしリーフはそれに反応することなくラーメンをすすっている。今度はそれいじょうに胞子を盛ったがそれでもリーフが眠ることはない。
「しっかし相変わらずこのバカよく食うぜ……」
あきれ果ててリーフを眺めるジェットを尻目にメタモンは焦りを感じていた。彼はバケツに隠していた大量の”キノコのほうし”に手をかける。そしてリーフから三杯目の注文を受けたころ合いを見計らって----
「うわあああああああああああああぁッ!
おっと手が滑ったメタアアアアアアアアアアアアアアァッ!」
手が滑ったとは口にしつつもメタモンはリーフ達に向かって胞子が入ったバケツを思い切りひっくり返した!胞子は屋台全体を隠す程に降りかかりそのままメタモンにすら降りかかってしまった。
「ZZZZzzzzzz……」
「zzzzzZZZzZZZZ……」
その効果はてきめんであるその場に居合わせた全員が深い眠りに陥ってしまった。
「あれ?みんなどしたの?」
「な……なんであいつだけ眠らないんだメタ……ぐぅ……」
ただリーフ一人を除いては……。
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おまけ:
メタモンがバケツをひっくり返そうとしたシーンにて。
「うおおおおおおおおおおtっと手がすべったメタアアアアアアアアアアアアァッ!」
--ドンガラガッシャーン!
途中で噛みつつもメタモンがバケツを勢いよくひっくり返す。
--と勢い余って周りのカメラやら機材も巻き込まれてしまった。
「カット!カット!ちょっと勢いつけすぎー!」
「す、すいませんメタ……」
「だめだこりゃ」
今日だけでスタッフに怒られること五回目であるドジメタモン氏でした。