第四十七話 見慣れないポケモン達
※しょう……だい……ちゅうい!
・今回冒頭に茶番が含まれます(てか既に含み気味)。ご注意ください。苦手な型は "茶番終了"のもじが見えるまですっとばしてください
・レギュラーメンバー(+ガブちゃん)の半分以上が出ません。
以下茶番
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「おいノコタロウ。この話とっとと消化するつったよな?二週間スタンバッてたリーフがグロッキーじゃねぇか。お前アイツを放置プレイしたいのか」
「だ……だってしょうがないじゃないか!!誰にだって話が纏まらなかったりモチベが落ちたりするもんだろう!?」
「言い訳すんじゃねー!!"アクアジェット"!」
--ドカッ!
「痛い!!暴力反対!」←水4倍
--バキッ!
「だから痛いって!」←水4倍
「"ハイドロポンプ"!!」
「あっ……ちょ、やめてー!!」←水4倍
「さて、あのアホに喝を入れたところで本編開始するか……」
~~ ~~
茶番終了
~~ ???? ~~
名もしらない村にジェットと、彼に引きずられるかたちで同行したリーフはついていた。しかし引きずられたからかリーフのお尻はメガニウムのそれとは思えないほど真っ赤である。
「ジェット〜、引きずるなんて酷いよ〜」
「フン、ツボツボより足が遅いお前がついてくるのを待ってたら日が暮れるを通り越して夜があけるわ」
「酷い!てかフツー女の子を引きずって走る!?」
「ケッ、お前なんか誰も女とは認識してないわ」
ジェットの言葉こそ辛辣であるが到底探検家とお尋ね者とは思えない他愛ない会話が繰り広げられていた。そんな時にリーフ達の前に始めての町の村人が姿を現した。早速情報をよこせといわんばかりにジェットがゲッコウガの写真を見せながら凄みをきかせてつめよる。
「おい、この写真のやつ知らねぇか?」
「ヒイィ!?たしかこいつ……」
「あぁ……ジェ……ジェ……」
『
ジェットだああああああああああああああああああああぁ!!!』
ジェットの悪名は(なぜか)こんなところまで轟いていたらしくポケモン達は大声を上げて逃げていった。彼等の大声を聞きつけて周りのポケモンも慌てふためく。
「あっちゃー、そういやジェットがワルだったこと忘れてた」
「いや、お前それどころかしばらく登場してなかった吾輩の存在すら忘れてたんじゃねーのか」
「でもどーしよ。ジェットを隠すったってこんなデカいのなかなか隠しようがないし……」
「テメーにだけは"デカい"と言われたくねぇな」
騒動の張本人が緊張感の欠片もないよく言えば落ち着いた、悪く言えば無神経極まりない会話の後にジェットが懐からローブを取り出した。"これで大丈夫だろう"と言わんばかりにローブを纏う。
ちょうどタイミングよく(?)ここの保安官らしきポケモン--ギルガルドが姿を現した。
「通報があって来たのですが……ジェットはどこに?」
「えっ!?あー……さっきまでいたんですけど逃げられちゃいましたー」
いきなり現れるものだからとリーフは突拍子もなく嘘をつく。本当はジェットは彼女のとなりにいる。しかし保安官のギルガルドはリーフの言葉を信じて彼女の安否を訪ねた。
「あっ大丈夫です。ただ少しお尻をやられちゃいましたけど……」
(まーだ根にもってんのかアイツは……)
そう言いながらリーフはギルガルド保安官に悟られない程度にすっとジェットを睨むように視線を移した。するとギルガルドはローブをかぶってるポケモン--ジェットのほうに視線を移す。
まじまじと見られてジェットはローブ越しにガンを飛ばす(当然ギルガルドのほうはなんとも思っていないが)
「この方は誰ですか?たしか"リーファイ"メンバーにこんなポケモンはいなかったような?」
「ジェットだ」
『えぇ!?』
思わずそうジェットは口にしてしまい、リーフとギルガルドは全く同じタイミングでそう口にした。しまったとジェットは後悔するもとき既に遅し。ギルガルドは血相を変え--るばかりか姿かたちまで変えてジェットに詰め寄った。
先ほどまで盾のような姿を今度は剣を基調とした姿に変化。ただならぬ彼の姿にリーフは慌ててフォローを入れる。今まで大人しかったギルガルドから殺意すら感じられる。
「いやいやいや違います!このこはジェットに
襲われてた んです!!」
「お、襲われていた?」
苦しいフォローであったがなんとかギルガルドも納得した様子で"失礼"と口にしながらまた盾のような姿に戻った。。再びまじまじとジェットを眺めながら次に名前をたずねてきた。
「名前?だからジェット……」
「ジェシカ……ちゃんだよね!?」
またも本名を名乗ろうとしたのを辛うじてリーフがフォローを入れた。完璧な彼女のフォローであったがただ一つのミス。それは女の子の名前に加えてうっかり"ちゃん"づけをしてしまった。
勿論ギルガルドがおかしいと思わないはずもない。
「……女の子の割にえらく声がごっつくありません?」
「そ……相当ジェットにひどく体とか喉とかも傷つけられて声がおかしくなったんですよ!!だからこうして傷を見せないようにローブを纏ってて……」
「そうですか……全くジェットはとんでもないやつだな!こんないたいけな女の子まで襲うとは!!」
リーフの嘘が通りギルガルドはジェットに対して怒りを顕にする。こうしてはいられないと言わんばかりにギルガルドは"失礼します"とだけ言い残してその場を立ち去っていった。
ほっと一息ついたリーフだがジェットは納得いかないご様子。正体を見せないように小声でリーフに文句をつける。
(おいリーフ!なんだ"ジェシカ"って名は!!なんでこのジェット様がガキの--それも女の振りをせなきゃならんのだ!!)
(しょうがないじゃない!!ジェットが名前言っちゃうから咄嗟に言っちゃったんだよー!)
リーフを責めたところでこの村でジェットがお尋ね者として見られないようにするには"ジェシカ"と名乗るしかない。渋々"リーフに保護された無口な女の子"という役を演じる羽目になった。
(なんでこの吾輩がこんな目に……!!)
しばし聞き込みを続け、あのゲッコウガが住んでいると言われてた一軒家の前にリーフ達は立っていた。リーフがコンコンと扉を叩くと"はーい"と幼い声と共に扉が開いた。
扉から現れたポケモンは小さな狐のような風体のポケモン--フォッコがでてきた。
「君はここの家の子かな?わたし達このポケモンを探しているんだけど……」
「ちょっとまっててねー レグにいー!おきゃくさんだよー!」
大声でフォッコが家の中に向かって叫んだ。その声を聞いてでてきたのはレグ兄と呼ばれたポケモン。リーフ達が探していたポケモン--ゲッコウガであった。
「げっ……!!逃げろッ!!」
リーフの姿を見るや否やゲッコウガは慌てて家の外に飛び出していった。そこに声もあげることなくローブをまとったままのジェットがゲッコウガを追い、そんな彼をリーフがおっていった。
「はぁ‥…はぁ……二人とも速いよ……」
無論リーフだけ取り残されたのは言うまでもありません。