番外編1 鉄くず対くず鉄
※ 注意 (ちゅうに) ※
・この話はアップ速度上げろハゲのご要望にお答えして30分で作りました。色々お察しください。
・葉炎のお話には一応リンクはしておりますが、これ以降が本編につながることはございません。
「ってててて……全く、ひどい目にあったぜ」
キリキザンの依頼を受けコータスの暴走を食い止めたリーフ達は完全にある男の存在を忘れていった。そいつ--ハッサムのリュウセイはさながら地底人かのごとく地面をかき分けて"じわれ"から復帰してきた。その生命力はさながらヒード○ンともタメをはれるレベルだ。
『うおっ!地面から野生のハッサムがッ!』
『メタグロス様!?ここってハッサムでない筈じゃ……』
『……土だらけで汚らしい』
「んだとぉ!?」
地面から顔を出したリュウセイに三体のポケモンが彼を見下し、各々声を上げる。汚らしいと罵られたリュウセイがここで黙っていられる筈もない。
「俺は野生ポケモンじゃねぇ!りっぱな探検チームのリーダーじゃい!」
「はっ!ハッサムの探検家なんて今やストロングのライクぐらいしか有名どころはいないだろ?だったらお前は低級ランクの探検家だな?」
「なにぃ!?」
初対面からリュウセイをバカにしてくるのは三体のリーダー格であるメタグロス。お互いどっちもどっちともいえる低俗な口喧嘩が勃発。
「そういうてめぇはなんつー名の探検チームでぃ!?」
「聞いて驚くなよ!俺達は"チームメタグロス"だ!わははは!どーだまいったかー!」
『…………』
自信たっぷりにメタグロスが大笑いするも手下らしきアイアントもキリキザンも含めた三人が口を閉じる。その目付きはあきらかにメタグロスに対する哀れみを含めている。
「ギャハハ!なーにが"チームメタグロス"だ!そっちこそ全然無名のチームじゃねぇか!あっ、やっぱ聞いたことあるわ。お前リーフ姉貴が言ってたダメタグロスだろ!?」
悪役みたいな笑い声のリュウセイが自慢のハサミを人間の指のように向けて大声を出して笑い出す。さっきまで笑っていたダメタグロスことメタグロスもあの忌まわしき俗称を耳にして青筋立てて怒り出す。
「なんだとおおおおおおおおぉッ!でかい口きいてんじゃねぇぞ!この鉄くず!」
「メタグロス様、それそっくりそのまま自分の悪口っすよ」
アイアントのツッコミも激昂したメタグロスの耳には入らず。さらっとアイアントも毒を吐いているのに気がついてない。
「なんだ?ヤル気かぁ!?」
「上等じゃねぇか!」
『勝負だ!!』
~~ 10分後 ~~
「やっろ……!」
「しぶてぇ野郎だ……!」
リュウセイは"しんくうは"をメタグロスは"ねんりき"で応戦するもレベルが低く--もとい実力が似通っているからか全く決着がつかない。
「……ふわぁ〜」
「……退屈だ」
部下のアイアント・キリキザンはかたや大あくび、かたやオヤツを貪りながらその(低レベルな)バトルを見届ける。 その彼らの表情は退屈の一言。種族柄から物理攻撃が得意なハッサム・メタグロスが何も知らずに特殊攻撃を繰り返しているんだから戦闘が長くなるのも当然だと彼らも知っていた。
しばし低レベルな技の応酬が続く。
~~ さらに十分後 ~~
(シュッ……シュッ……)
(チュイン……チュイン……)
顰め面でアイアントが"つめとぎ"を、キリキザンは"剣の舞"をしていた。未だに終わらないメタグロス達にとうとうしびれを切らした。あいも変わらずメタグロス達はバトルを続けている。我慢の限界がきたアイアント達は--
「おい……」
『あぁッ!?』
若干声質を低くしたアイアントの声にメタグロス達は全くの同じタイミングで返答する。はじめことは威勢を保っていたがすぐにその威勢は消え去っていく。
『お……お〜い?』
「いい加減に……」
キリキザンの"辻斬り"、アイアントの"シザークロス"が自分達に向けられていることを感じたリュウセイ達はお互いに争っていた相手同士で身を寄せ合って体を震わせている。
『せんかあああああああああああああああああああぁぁッ!!』
渾身の辻斬りとシザークロスが二人に炸裂。リュウセイ達は情けない叫び声を上げながらあっけなく吹っ飛ばされていった。
「なぁキリキザンよぉ……」
「……なんだ」
「なんで俺達あんなヒトについて行ったんだろうかねぇ……」
「……わからん」
その後ダメタグロスは部下二人に回収され、リュウセイは無事(?)にダイナミック帰還に成功。めでだしめでたし。
「どこがめでたしじゃあああああああああああああああああぁッ!!」(by赤虫
「俺なんか久々の出番がこれかよ!」(byダメタグロス