ポケモン不思議のダンジョン 葉炎の物語 〜深緑の葉と業火の炎〜









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第二章 救助隊と探検隊
第三十一話 まい たいむ わず おーばー
〜〜注意事項(ちゅうよんじこう)〜〜

--必ず留意してもらいたいこと--

・この小説は基本的にギャグ主体のまったりほのぼの系のお話です(大事なことなんで3度いいます)。

・あいも変わらず特定のポケモン種族の扱いが悪いですが、それはあくまでもネタなので真に受けないようにお願いします。




では本編どうぞ。













「何!?真相が分かった!?」

リーフに集められたユキノオー驚いた様子で声を張り上げる。リーフが真相を全て分かったと言ったのだから。

「はい」
「それで!どうなんだ!やっぱりこの男が犯人なんじゃないだろうな!」
「なんだとぉ!さっきから言いたいこと言いやがってこの雪デブ!雪メタボ!雪ダルマ!」
「ガブちゃん、最後悪口ちゃう。パーティ構築や」

あまりに言われたい放題のマッハはとうとう暴言を吐いてしまった。そんな二人をリーフが制され、仕方なく黙る。

「結論から言うとガブちゃんは犯人じゃぁありません」
「おっ!」
「じゃあ誰だと言うんだ!」

自分が犯人ではないと言われてマッハは喜び、ユキノオーは驚きを見せる。リーフはそんな二人とは対照的にあくまでも冷静でいる。

「まぁ、慌てないでください。まずは目撃者に詳細を聞いてみましょう」
「目撃者?俺のことか?」

誰もがこの事件の第一発見者はマッハだろうと思っていた。しかしリーフは"いいえ"と首を横に振る。

「じゃあ一体誰なんだよ!?」

リーフが指さしたのはマッハが家に入ってからずっと横たわっているポケモンだ。当然だがその場に居合わせたリーフ以外のポケモンは驚きを露にしている。

「おいおいあんた。まさかそいつが口を開くとでも?」

小馬鹿にした口ぶりのユキノオーには耳もくれずに横たわっているポケモンに近づいていった。それから唐突に心地よい香りが辺りに広がっていった。

「--?なんだこりゃ?」

いきなりのいい香りにユキノオーもマッハも首をかしげる。彼らも"アロマセラピー"を放っているのはわかっているが何故このタイミングかと首をかしげた。すると--

「…………




ふわぁ〜〜〜〜よく寝たわ〜〜〜」
『いぎゃああああああああああああああああああああああぁぁ!!生き返ったあああああああああああああぁぁ!!』

さっきまで微動だにせずに横たわっていたポケモンがすいっと起き上がり、それを見たユキノオーとマッハが互いに身を寄せ合って叫んでいる。

「--あれ?村長さん?誰そのヒト?」
「それよりも……。ちょっと聞きたいことあるけどいいかな……






アイスちゃん?」

そのポケモン--ラプラスにリーフが半ば詰め寄るように聞いてきた。

「あれ?もしかしてリーフちゃん!?おっひさ〜!元気だった?」
「話は後。ちょっと聞かせて。アイスちゃん、君さっきまで何をやってたの?君、さっきまでここで横たわってたから皆心配してたのよ?」

「あー……、アレね……?」

気がついたら皆が自分を見ていてアイスはバツが悪そうな様子。しかしこれ以上渋れないと、重い口を開ける。





 〜〜〜〜

--アタシね、村長さんの家に呼ばれてたのよ。あっ、村長さんってそこのユキノオーね?そしたら村長さん留守で少したったら帰ってくるって言ってたから待ってたのよ。

そしたら来客がきてさ、なんかそのヒト達からお菓子の御中元が届いたのよ。そんでそのお菓子を食べてお腹いっぱいになって眠くなっちゃって……。そっから先は覚えてないかなー?


 〜〜〜〜


「おいおい……何を勝手にヒトの家のモン食べてるんだお前は……」
「はははっ……ごめんね?」
「その前に俺に言うことがあるだろーが!」

ユキノオーがアイスに怒るが、そんな彼にマッハがさっきの仕返しと言わんばかりに詰め寄っている。ユキノオーは追い詰められたからか額に汗を浮かべる。

「ねぇアイスちゃん?そのお菓子を届けたポケモンってどんなヒト?」
「ん〜?なんか一人は逆立ちしてたヒトかな〜、なんか根暗な喋り方だったわよ?」

マッハ達の騒ぎには耳を傾けることなくリーフの取り調べ(?)が続く。そんなやり取りを家の窓外から眺めてる二人のポケモン--あのカポエラーとシャンデラだ。

(しまった!ついうっかり逆立ちしてしまった!)
(全く何やってんのあんたは!)
「それで、もう一人は?」
「そーねー、あっ!シャンデラ!シャンデラよ!!あとなんかねっとりした口調だったわね」


(ジー……)
(う、うるさいわね!誰にだって失敗はあるでしょ!)

カポエラーもシャンデラも実質的に正体がバレてしまった(特にシャンデラに至っては完全に看破されている)

(しかし、どーゆーことでしょうか?あのラプラスの我々にかんする記憶は消したのでは?)
(あっ……!)

何か致命的なミスをやらかしたかのようなシャンデラの顔が全てを物語っていた。カポエラーは嫌な予感がよぎり手にしていたお菓子に目線を移す。

(うっかりしてたわ……。あのラプラスが食べたのは私たちが食べる筈の普通のお菓子……)
(やっぱりまさか……! うっ……なんだか気分が……!)

突然二人の体が強烈な怠惰感に見舞われた。カポエラーは膝をつき、シャンデラは目頭を押さえる。

(我々が食したのって……やっぱり……)
(毒入りのお菓子だったようね……、グッ!)

--バタッ!バタッ!




-------

「先ほどは大変失礼なことを……申し訳ありませぬ」

事件の真相がまさかのアイスの昼寝ということで解決。マッハを完全に疑ってかかっていたユキノオーはリーフ達に頭を下げる。詰め寄ろうとしたマッハだったがリーフに止められる。

「なぁ、村長さんよ。俺達の前にゲンガーとハッサムが来なかったか?」
「ゲンガーとハッサムですか……。いえ、見ておりませぬな」
「アタシも見てないかなー?」

ふと思い出したのか自分の仲間の行方をたずねるも二人とも見てないとのこと。マッハはがっくりと肩を落とす。

--ガチャリ

また扉が開いた。表れたのはジャローダ--リンだ。

「どうやらその様子じゃ、無事に解決したそうね」
「……あんたもこの探検家のお仲間ですかな?」
「えぇ、ジャローダのリンです。よろしくお願いしますわ」
「うむ……申し遅れましたな、ワシはここの村長のノーザという者です」


----〜〜♪♪


腹が鳴る音がした。皆が皆リーフの方に視線を移す。それも当然のことではあるが。

「……すまん……」

音の正体はマッハのそれであった。きっと本人以外の誰もがリーフのそれと思ったことに違いない。

「それじゃアタシの家来る?何か食べさせてあげれると思うけ--」
「来る!」
「いや、なんでお前が即答するんだよ……」

そう口にしてはいるが大体こうなるのはマッハ達も予測済み。リーフは他二人を半ば強引に連れていった。リンは声かけられはしたが"あたしは遠慮するわ"とのこと。




「ところで村長さん、この島には万能薬と呼ばれる薬草のことについて何かご存知ないかしら?」
「薬草……ですか……?ワシも実際に見たことはないので断定はできないんですが……」
「それでも構いませんわ。知ってる範囲でも教えてくださるかしら?」

ノーザの表情が思わしくないことからリンも危険が伴うことはある程度察してはいた。


--ガチャリ!


リンが口を開こうとしたら村長宅の扉がまたもけたたましく開いた。誰にも聞こえない声量でノーザが"ドアが壊れそう……"とぼやいてはいた。

そこにはズタボロになっていたオーダイル、ドダイトス、フシギバナ。


■筆者メッセージ
はい、冒頭の再三にわたる注意事項ちゃんと読みましたか?三回も呼びかけたんだからこっからシリアスになると思った方はいませんよね。

思った人は先生怒らないからしょーじきに手をあげなさい。
ノコタロウ ( 2013/08/25(日) 18:16 )