ポケモン不思議のダンジョン 葉炎の物語 〜深緑の葉と業火の炎〜









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序章
第一話 猿真似からくる悲劇
あぁ〜おなか減ったな〜」
「リーフはいっつもそれだね」

 カバルドンを引き渡したリーファイの2人は道具を補給するために街へ買い出しに言っていたのだが御覧の通りリーフは相変わらずの空腹発言。だがファイアは呆れる顔を見せているがいつも彼女と行動を共にしている彼にとってはこんなことは日常茶飯事である。

 そんな腹を減らしたリーフの視界に一軒のカフェが入っていった。

「は〜い、いらっしゃいらっしゃ〜い!!探検活動の合間にはサマヨールのカフェは一服はいかがですか〜い!!」

 カフェの入口付近で聞こえてきたよくある店先での宣伝の決まり文句。しかしリーフ達はこの声の主に聞き覚えがあった。

「ん!?リーフの姉貴にファイアの兄貴じゃないっすか!?」

 宣伝をしていた声の主はリーフ達に気付き宣伝とは全く関係のないことを話しだした。そのポケモンは赤いボディにハサミが特徴的なポケモン、ハッサムであった。ハッサムの隣では大柄の太ったポケモン、カビゴンの姿も。

「リュウセイにマンプクじゃない!!何持ってるの?」

 リーフ達の名前を呼んだリュウセイと呼ばれたハッサム、マンプクと呼ばれたカビゴン。この2人は見る限りでは”カフェ”とやらの宣伝をしているようである。何より彼らの手にある大量のチラシが何よりもそのことを物語っていた。

「えぇ、最近平和になったのはいいんですが、ここ最近俺達にちょうどいいような依頼がなくてですね……」
「こうやってバイトしないと稼げないんですよ〜」

 キャリアだけでいえばリーファイと大して変わらないもリーファイとアンドロメダでは実力も活躍の違いは極めて著しい。いまだにノーマルランクのアンドロメダにまっとうな依頼が来るはずもなくまた難易度の高い依頼などこなせるはずもない。こうやってバイト等の副業でようやっと生活費をまかなっているのだ。

「うん。誰もそんなこと聞いてないけど」
「…………」

 そんな事情など知るかと言わんばかりにファイアがバッサリ言い放った。いじけたリュウセイは地面に字を書き続ける。

「でもカフェってのもなかなかおもしろそうだしリーフ、行ってみようか……ってあれ?」
「あぁ、リーフさん。うれしそ〜な顔して入っていきましたよ〜」

 きょろきょろとリーフを探すファイアにマンプクがのんびりとした口調でそう教えた。

「んもう……。リーフ!!ちょっと待ってよ〜!!」

 やや苛立った口調で叫びながらファイアはリーフの後を追っていった。この後リュウセイが立ち直るまで数分程かかったのはまたあとの話。








 〜〜 サマヨールのカフェ 〜〜

 一足カフェに入っていったリーフだがその視界に入ったのは意外にも彼らが宣伝している割には空いていておりお世辞にも繁盛しているとは言い難かった。広々とした空間は悪く言いかえればガラガラとも言いかえることができるほど、せいぜい数体のポケモンがグループで入っている程度だ。

「リーフ!!一人で勝手に行かないでよ!!」
「ごめんごめん……;」

 結構な剣幕で怒ってくるファイアにリーフは苦笑いを浮かべた。マグマラシとメガニウムという体格差からリーフはファイアに下から睨まれていた。

「でもファイア、ここあまり繁盛してないみたいよ?」
「ん?」

 どさくさに話を逸らせたリーフだが、ファイアは彼女の言う事に耳を傾け、辺りを見回した。確かにこの客の数はやはり繁盛しているとは言い難い。そんな二人に--

「いらっしゃ〜い♪」
「うわあああああぁ!!」

 この2人の背後からやたらハイテンションな声がかかった。あまりに唐突に声をかけられたために2人とも大声をあげてしまった。そんなリーフ達を見て声の主、サマヨールはケラケラと笑い声をあげながら続ける。

「はははははっ!!我がサマヨールカフェ名物、”おどろかす”はどうでしたか〜?」

 よほどリーフ達が驚いた様子が気にいったのか、サマヨールはいまだにこみあげる笑いをこらえながら口を開いた。しかしリーフはそんな彼の様子よりもサマヨールの言った言葉を気にかける。

「サマヨールのカフェ?」
「はい!ワタシ、どこか遠い世界にある”パッチールのカフェ”というものを見てきたんです。そしたらなんと!!お客がたっぷり入って大繁盛じゃありませんか!!”これなら儲かる!!”そう思ってワタシもここでカフェを開いてみたんですよ〜!!」

 徐々に大きくなるサマヨールの声にファイアは思わず耳をふさいだ。彼の眼には”野望”の二文字によってメラメラと燃えていた。 

「ワタシ、以前はダンジョン下でバザーなるものをしていたんですよ。でもこっちの方がもうかると思ってこうやってカフェを開いたんですが……」
「あまり客はこなかったと……」

 先ほどまで大声を張り上げていたサマヨールの声は徐々に尻すぼみに縮んでいった。そこへ、リーフが追い打ち(?)とも取れる一言を発する。ちなみにお互いに気が付いていないがこのサマヨールはかつてリーファイがジュプトル討伐の際にあったあのバザーでのサマヨールだったのだ。

「とにかくせっかく来てくださったんですから飲み物などいかがですか?今なら材料をお持ちくださったら無料でドリンクを仕上げるサービスを行っておりますが?」
「じゃ、おねがいしま〜す」

 と、言いながらリーフはどこに隠し持っていたのか分からない若草グミをサマヨールに手渡した。だが
ファイアは別段驚く顔はせずに自身も赤いグミをサマヨールに手渡した。

「は〜い!!赤いグミと若草グミ×4入りました〜!!」
「ひゃっはああああああああああああああああああぁ!!」

 サマヨールの声に反応し、耳を紡ぎたくなるような奇声を発したのはウルガモスだ。ウルガモスは相変わらず(?)の奇声を発しながら渡された材料を用いてジュースを作っていく。だが……

「うぅ……っ……あぁ……」
「……み、耳が……」

 あまりの大声にリーフとファイアはずっと耳をふさいで耐えていた。一方のウルガモスはそんなことは一切気に留めずに蝶の舞を使いながらジュースをつくっていた。

「ひゃっはあああああああああぁ!!待たせたなこの野郎!!若草ジュースと赤いジュースの出来上がりだぜえええええぇ!!」

 なぜか蝶の舞を使いながらウルガモスはジュースをリーフ達の前に持ってきた。動きこそは蝶の舞を使っているから鮮やかではあるがその耳触りとしか形容のしようのない奇声にその動きは台無しの一言。

「いかがですか?うちの店員は?何しろ元気だけは有り余ってますからね〜♪」
「元気よすぎるわあああああああああああああぁ!!」

 どこかしらドヤ顔を含めたサマヨールの笑い方にファイアが激しく突っ込みを入れた。しかしそんな突っ込みもサマヨールは華麗にスルー。

「ではごゆっくり〜♪」
「ったく…………」

 無茶苦茶としか言えないこのカフェにファイアは思わず悪態を吐いた。それでもリーフは奇声のことなどは全く気にせずにジュースにがっついていた。そんな二人にファイアは今度はため息をついた。そんなときに--

「……………!!!」

 唐突にカフェの中から喧騒の声が聞こえてきた。リーフ達はこの声に聞き覚えがあるのか表情を変える。

「ねぇファイア……」
「うん……、でも、もうちょっと様子見てみようよ」

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「ちっくしょ!!もう一回だもう一回!!」
「へいへい。まっあんたじゃいつまでたっても全問正解はできやしないでしょ〜けどね」

 ちょうどウルガモスがいるスペースとは対極の位置で二体のポケモンが言い争い(?)をしていた。一体はサメのような外見に濃い青色を基調としたスピード感あふれるフォルムが特徴的なドラゴンポケモン、ガブリアス。ガブリアスが頭に貝を乗せたピンク色のポケモンヤドキングに何か詰め寄っているようである。

「あれ?ガブちゃんじゃないの?」
「ッ!!誰がガブちゃんやねん!!」

 ”ガブちゃん”。そう呼ばれたガブリアスは爆発させそうな怒りをさらに爆発させ、リーフに突っ込んでいった。

「あっ、ほんとだ〜。ガブちゃんだ」
「ガブちゃんじゃねぇ!!マッハだマッハ!!」

 リーフの後ろで事の顛末を眺めていたファイアも感心した様子でガブリアスの姿を確認する。ガブリアス、マッハは”ガブちゃんじゃねぇ!!”と大声で反論していたが誰一人として気に留めることはなかった。

「ところでどうしたのこんなところで?シャインさんやライクさんは?」
「聞いてくれよ!オレさっきからこのクイズとやらに挑戦しているんだけどさっきから全然正解できね〜んだよ!!こんなのイカサマだろ!!」

 ガブちゃん……もといマッハが言うにはこのヤドキングが出したクイズがインチキである。そう言っていた。だがヤドキングはインチキなどないと真っ向から否定する。

「だからガブちゃんじゃねぇ!!」
「さっきから言ってるでしょ?君の頭じゃ僕のクイズは百光年たっても正解はできないって」

 ドヤ顔でマッハに正解はできないとキッパリと言い放つヤドキング。だが……

「……!!しまった!!百光年は時間じゃない!!……距離だ……!!」

 自分で言った間違いに気付き顔を伏せるヤドキング。だが時すでに遅くリーフ達にジト目で見られることに。

「んで、さっきからクイズが云々かんぬん言ってるけど、ここもカフェの施設なの?」
「そっ、ここはクイズ場ってとこかな。オーナーのサマヨールさんが言うにはダンジョンや技などの知識の教養の一環で主に僕が出すクイズに全問正解したらすばらしいアイテムを授けるんだ」

 ヤドキングの説明にマッハが”滅茶苦茶難しいがな”と参った様子で付け加えた。

「へ〜、クイズか。面白そうだからぼく達も参加してみようよ!!」

 ガバッと音を立ててファイアがコップを持って椅子から立ち上がる。ドリンクを飲みほしてからクイズに挑戦しようとしたが……。

「ぷは〜♪」
「ありゃ……」

 そこには四つの空のグラスと幸せそうな顔つきで最後のドリンクをそれはそれは幸せそうな顔で飲み干しているメガニウムの姿が。一度はファイアもあっけにとられたのだが、

「リーフ〜〜〜っ!!」
「はっ!!め、目の前にあったからつい………」

 どんよりとした様子でファイアはリーフに詰め寄った。流石に好物のドリンクを飲まれてしまって怒らない方がおかしい。

「リーフさ〜〜ん。勿論今回のクイズ一人でやってくれますよね〜」
「わわわ……わかったからそんな怖い顔しなくても……」

 本来リーフはそれほどクイズには乗り気ではなかったが、こうなってしまえば彼女に拒否権など無と言ってもいい。渋々クイズに参加させられることに……。

「はい。んじゃこれが問題用紙ね。制限時間は十五分だから。わかってると思うけど見てる人は他言は禁止。もししたら無効だからね」

 そう言ってヤドキングは手にしたストップウォッチのスイッチを入れた。














 さて、ここで読者の方もシンキングターイム!!!ここからはこのオレ、ガブちゃ……マッハがお送りするぜ!!オレが手も足も出なかったこの問題をリーフが挑戦することになった。そこで読者の方も今からオレが言う問題に一緒に考えてこたえてくれ!!特に制限はしないが、できるなら何も見ずに時間制限を設けて挑戦してくれると嬉しいぜ!!んじゃスタート!!




1.次の技のうち攻撃範囲が一つだけ違うものを答えなさい

 なみのり・だくりゅう・しおふき・あわ

2.ゲンガーの特攻種族値・ハッサムの攻撃種族値・ガブリアスの攻撃種族値。これらはそれぞれいくらか答えなさい。

3.主にソーナンスが得意とするカウンター・ミラーコート。これらの技の弱点は何?(ヒント:それぞれの技のタイプは……)

4.キノコの胞子や電磁波などの厄介な補助技をすかす(無効化)ことができる身代わり状態。次のうちこの身代わりをも貫通してしまう技は次のうちどれ?

 ちょうはつ・アンコール・ほろびのうた・かなしばり


5.電磁波によって麻痺しないことで厄介なガブリアス。このガブリアス相手にへびにらみ(相手を麻痺させる技)をうつとどうなる?

6.ポケモンを倒すごとに発動する特性”じしんかじょう”。この特性は味方のポケモンを倒しても発動するか?(例:ダブルバトルで地震で味方を巻き込む)

 以上の6つだ!!おっと言い忘れたがこの問題は全て本家のポケモンの仕様で考えてくれ!!ポケダン仕様だと大幅に変わっちまうからな!!それじゃこたえは次回発表だ!!

ノコタロウ ( 2012/07/16(月) 22:38 )