ポケダン救助隊 〜最強と呼ばれた所以〜








小説トップ
救助1 救助活動開始!
第十七話 VS シャドー part 2
〜〜注意事項(ちゅうさんじこう)〜〜


・この小説は探検隊のギャグ主体のまったりほのぼの系のお話とは違い若干シリアスメインです。

・特定のポケモン種族の扱いが酷いですが、それはあくまでもネタなので真に受けないようにお願いします。

・以前までは日曜の定期更新を宣言してましたが今週は諸事情により週末は姿を消すので本日の更新分を日曜の分とさせてください。

・ノコタロウが色々とかなり暴走しております。ご注意ください(注意のしようがない)












~~ Side ハーブ 怪しい森 ~~

「な、なぜだ……何故俺が……こんなクズに……!」
「…………」

わたしの眼前には信じられない光景が広がっていた。そこにはあの頼りない筈のヤマトが一度たりとも攻撃を食らわずにオビトを下して、立っていたのだから。無論オビトもこんなことを信じられないといった感情が半分、ヤマトに負けた苛立ち半分の表情で声を震わせる。唯一ヤマトだけが表情を変えずにオビトに詰め寄ってくる。

「----一人なんだよ」
「なんだと……!?」
「今のリーダーは一人ぼっちなんだよ。今ここにいる誰もリーダーの味方なんていないよ。だからリーダーはオイラに負けたんだ」
「この野郎……わかったような口を……!」

確かに言わんとしていることは分からないこともない。あのブラッキーに怒鳴られてからのオビトは明らかに動揺していた……。でもだからって今までオビトに勝てた試しのないヤマトがこうもあっさりと……。

「さぁリーダー、約束だ。改心してもう一度マジメに救助隊活動しようよ……」
「クソッ……」

すっと手を差しのべるヤマトにオビトはそれに呼応するように一歩後ずさる。







~~ Side out ~~






--ガキイイイィンッ!





目をつむったリンが耳にしたのは自分の体が切り裂かれる生々しい音でなく金属同士が勢い良くぶつかる音であった。それも自分の体には痛みが走ることはなかった。おそるおそる目を開ける。

「グ……グラス!?」
「て、てめぇ!混乱したんじゃなかったのか!」

シャドーの攻撃はさっきまで不思議珠で混乱状態に陥っていた筈のグラスであった。剣を持つ右手はシャドーの針を防ぎつつ、シャドーの体を吹き飛ばしそうな勢いで押しのける。

「リン、大丈夫か?もう動けるか?」
「ううん……まだ無理……」

今だに地面は彼女を解放する兆しを見せない。必死に体を捩らせるもリンの体が動くことはしなかった。小さく"そうか……ならここから私に任せろ"とつぶやいたグラスはリンを傷つけた張本人--シャドーをキッと睨めつける。

「シャドー!これ以上私の大切な仲間に手出しはさせんぞ!」
「カッコつけてんじゃねぇぞ!このトカゲ野郎がぁッ!」

シャドーとグラスの力と力の押し合いが続く。先に動いたのはシャドーだった。今度は口から"毒毒"を飛ばしす。後ろには身動きが取れないリンがいるので避けられないグラスは一瞬で剣を引き、毒毒を弾き飛ばす。

「ぬっ!!」

今まで押し合いをしていたさなか、急にグラスが一瞬であるが剣を持つ手を下げ、バランスを崩したシャドー。そこにグラスの足が迫る。

「ぐああぁッ!?」

バランスを崩したシャドーの顔面に蹴りが飛び、呻き声が上がる。しかしグラスの攻撃は止まらない。よろけている体にもう一度蹴りが入る。二度にわたって"ドゴッ"という鈍い音が響いた。

「あれは……"二度蹴り"!?」

当然グラスはこれまでには"二度蹴り"を使ったことは一度たりともない。ただ無意識的に出していた。二度の格闘技を見せられたシャドーも、これには流石に表情をこわばらせる。

「まだだ」

二度蹴りを食らって隙を見せたシャドーだが追い打ちをかけにいったグラスの視界から一瞬で消えた。彼はシャドーの"不意打ち"の存在をしらずにそのまま餌食となる。






「グラス!」

不意打ちをモロに食らったグラスの身を案じて叫ぶリン。そのまま身を乗り出した勢いで--





--ズポッ!






「--痛ッ!」

唐突に今まで自分を捉えていた地面が瞬間的にぬかるんでいった。ぬかるんだ地面はリンを拘束する力を失い彼女を解放した。しかしその勢いが強くてリンは転倒してしまったのだが。

『全く……おめぇ等あれほど安静にしてろって言ったじゃねーか』
「あ……あなた!?どうして……?」

転倒したリンの体を起こしたのは彼女のよく知ったミズゴロウ--ラックだった。ため息とともに悪態を吐いたラックはまじまじとグラスとシャドーの戦闘に視線を移す。そこには剣を弾き飛ばされたにも関わらず、ものすごい素早さでシャドーを追い詰めているグラスの姿があった。

「今はもう何も言わん。とりあえずこのコトはおめぇ達から首を突っ込んだんだ。だったらお前とグラスでカタを付けてこい」

黙って出ていったことを怒られると思っていたリンにとって、ラックから発されたのは意外な一言であった。グラスを助けに行こうとしたリンにラックは続ける。

「負けたら承知しねぇからな」
「ありがとう!」

それなりの期間を連れ添っただけあってリンにはラックの真意が汲み取れた。
"勝ったら水に流してやる"回りくどい彼の性格からこういっているのだろうと考えてグラスの元に走っていく。










(マズイ……こうなったら……)

普通のキモリじゃ考えられない素早さのグラスに追い詰められたシャドーは懐にしまっていた道具を取り出そうとこっそりと泥や汗にまみれた左足を突っ込む--



--バシン!!



--が、グラスの背後から出てきた蔓がそれを許さなかった。その先は自分が拘束したはずのツタージャが傷だらけになりながらも強気にこちらを睨んでいた姿が。

「なッ……!貴様は拘束された筈じゃ……!」
「拘束?あの子供騙しの落とし穴で拘束した気になっていたのか?」

いつの間にかシャドーの背後にラックが立っていた。その顔はくわえ煙草も相まって余裕が垣間見える。そして対照的にシャドーは焦りを浮かべる。

「俺にとってあの程度の土を泥に変えることなど造作もない。こうやってな」

シャドーの足元が唐突に泥沼と化し、先ほどのリンのように足を取られる。"クッ……"と歯ぎしりをするシャドーだが、その音をかき消すほどの音が彼の背後から発せられる。

「さっきはよくもやってくれたわね!」






『覚悟しろ(覚悟なさい!!)』






それらはリンがボキボキと指を鳴らす音とグラスが剣を降る音。そしてその音の直後グラスと共に担架を切られた。リンは尻尾を大きく成長させて緑色に光らせ、グラスの剣もまた同じ色に光らせている。
リンとグラスがほとんど同じタイミングで突っ込んでいった。だが剣を手にした瞬間からかグラスの素早さが落ち、リンの後ろを走っていく姿になる。


勢い良くリンが飛び上がった頭上から、大きくさせた尻尾を勢い良く振り下ろす。上からの攻撃であれば重力も味方につけての攻撃は十分なスピードを見せている。一方のグラスは急激なスピードダウンに戸惑いながらも光らせた剣を勢い良く振り下ろす。




『リーフブレード!!』





二つの"草の剣"が身動きのとれないシャドーに決まり、崩れ落ちた。体力が尽き果てて動けなくなったシャドーに複数の影が歩み寄る。

「こちらもカタがつきました。逮捕にご協力ありがとうございました」

手下のヤミラミを全て拘束したキリキザン保安官とその部下のコマタナ達だ。ひとまず一件落着とリンはその場で安堵した表情で座り込んだ。グラスも剣を鞘に収める。

「とっとと立て。もう観念するんだな」
「あぁ……観念するとするよ……」

キリキザンが縄を取り出してシャドーを拘束しようと近づく。諦めきったシャドーの顔も流石に懲りたようにも見受けられた。








「なーんてな!くらえっ!!」

--と、誰もが思った瞬間のこと。このごに及んでまだ逃げようとするのか、シャドーはキリキザンに"くすぐる"をしかけた。文字通り相手をくすぐって脱力させて逃走しようとする魂胆なのだろう。

「あのバカ……ッ!まためんどくさいことが……!」
「--?めんどくさいことってどゆこと?」

真っ赤な体をまるで色違いかのごとく真っ青にした部下のコマタナ達にリンが尋ねる。その部下たちの顔は明らかに何かに怯えていた。
コマタナ達の視線の先のキリキザンはくすぐられたにも関わらずぴくりとも笑っていない。アレと思って首をかしげる。

「このごに及んでまだ抵抗するか……









--よし、殺してやる





とても街の治安を守る保安官とは思えない恐ろしいセリフを吐き捨てる。充血したかのようなキリキザンの殺気を込めた目付きはシャドーのみならず部下であるコマタナ達も背筋を凍らせる。

「さぁ、選べ。この場で三枚におろされるのがいいか?それともミンチにしてハンバーグにされて出荷されるのがいいか?この俺から逃げようなんて愚かなことを考えたことを死ぬまで後悔させながらいたぶってやる」

選べと言いながらもう既にシャドーを"かわらわり"で殴りつけている。今までの柔らかい物腰から考えられない豹変ぷりにラックを含めたブラザーズ三人は呆然。キリキザンとブラッキーという成りもあってどちらが悪者か傍から見れば全然わからない。

(な、なんだこりゃ……!訳がわからねぇ……!)

キリキザンに嬲られているシャドーは何がなんだか分からずにパニックに陥る。この行動が命取りになることを知らずに"すなかけ"をぶつける。

「…………」
(ねぇ、あの保安官さんどうしちゃったの?)

砂かけを顔面に食らい口を閉じたキリキザンを見てリンがコマタナ達に聞こえない声で耳打ちをする。

(あぁ、知らなかったんですね。うちのキリキザン--ムラサメ先輩は……)
(特性に"まけんき"ってあるだろ?あれが発動すると--)

リンの小声に反応してコマタナも小声で返す。













「シャドオオオオオオオオオォォォッ!!馬鹿にしてるのか貴様アアアアアアアアアアアァッ!!」












(ぶち切れて、見境なく暴れるんだよ!)
「えっ……」

耳を塞ぎたくなるような爆音に近い大声を張り上げてムラサメが暴走。最早シャドーは恐怖のあまり震えているがそんなことはムラサメは全く考慮などない。

「くっそッ!先輩を止めるぞ!あんた達も手伝ってくれ!」
「えっ!?えっ!?」

さらに切れたムラサメがシャドーを凄まじい勢いでいたぶっている。その音が"ドゴォッ"とか"バギッ"と痛々しい音を出している。ムラサメが大人しくなったとき、シャドーはグラス達に倒された時よりも数十倍ボロボロの姿と化していた。


■筆者メッセージ
普段からブラッキーにはよく痛い目によくあわされてるので私怨を存分にキザンにぶつけさせました()

反省はしてるけど後悔はしていない←

あとマグナゲートの悪ポケでブラッキーもサザンもズルッグも重要役割なのにコマタナだけ噛ませ役になっているのは何かの陰謀かと思った。
ノコタロウ ( 2013/10/11(金) 00:50 )