ポケダン救助隊 〜最強と呼ばれた所以〜








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救助1 救助活動開始!
第八話 宿敵現る?
--ブラザーズ基地--

「くっはーー!やっぱ仕事終わりの一杯に限るな!」
「--全く……」

既に日は落ちたブラザーズ基地。ゴキュゴキュと勢い良く酒を飲み干したラックが陽気な声質で声を上げる。その横でリンがあきれ果て、ため息をつくがアルコールの入ったラックにはそんなことはお構いなし。

「いつもあんな感じなのか……?」
「そうなのよ……はぁ……」

頬杖をつきまたため息をつくリン。そんな彼女にさらなる"悩みの種"が飛びかかる。

「おうグラス!おめぇさんも一杯どーだ!?」
「お……おぉ?私が?」

今まで一人で楽しくしていたラック。話をとうとうに振られてグラスは戸惑いを見せる。

「ケッケッケ、バーロー!おめぇさん以外に誰がいるっての!おーら飲め!。どーせ未成年じゃねぇんだから問題ねぇんだろ!?」
「そ、そうかぁ……?」

ケッケッケとゲス笑いを浮かべるラックは空のカップにドバドバと勢い良く酒を入れた。それをグラスが勢い良く飲み干す。
(※未成年への飲酒。及び飲酒の強要は絶対にやめましょう)

「おぉッ!いい飲みっぷりじゃねぇか!もっといっちまうか!?」
「お……おぉう……」

この一杯でグラスが泥酔しているのはリンの目には容易く見て取れる。だが調子にのったグラスは酔いがまわってしまい……。

「もうあたししーらない。おやすみ〜」

彼女が去ってからこの飲み会(?)が終わったのは二時間ほどかかったとかかかっていないとか。










--次の朝……--

「うっぷ……もーあさか……ぐっ……!」

朝……とはいったもののまだまだ鳥ポケモンが起床しはじめるほどの早朝であるがグラスはもう目が覚めていた。というのも前日の飲みすぎが祟り俗に言う"二日酔い"になっていたのだった。(※未成年への飲酒。及び飲酒の強要は絶対にやめましょう。大事なことなので二度言いました)

「こんな気分じゃすぶりもする気がおきn……ヴっ!」

重い頭痛と吐き気に苛まれながらもゆっくりと依頼が入っているであろうポストへ足を運んだ。そこには彼の知った顔が写っていた。

「き……貴様らはッ!」
「なっ!てめぇは!」

自分たちの基地前にいたのはドンファンというポケモン、そして以前二度にわたって対決したフライゴン。フライゴンとグラスは共に大声を上げる。

「なんだ?知り合いなのか?」
「い、いやあぁ……一昨日ガキンチョ脅してたらこいつに二度ぼこられたなんてことはないっすから……」
(こいつ……真正のアホなのか……)

どう見ても言い訳にすらなってない言い訳をするフライゴンだが仲間らしきドンファンのみならずグラスもジト目にならざるをえなかった。

「まぁいい。貴様ら、こんなところに何しにきたのだ?」

必死に二日酔いを悟られぬように気丈に問い詰める。それに答えたのはドンファンのほうだ。

「けっ!お前には恨みはねぇがあるヒトに頼まれてなぁ……。こいつはいただいていくぜ!」
「ふん、やはりバカは体で教えてやらねば分からぬようだな……」

ゆっくりと剣を抜くグラスを見てフライゴン、依頼を奪い取ったドンファンも待ってましたと言わんばかりに構えをとる。

「俺にやらせろ。いいな?」
「--!?アニキ……どうして?」
「馬鹿が!てめぇはこいつに二度もやられてんだろうが!てめぇは引っ込んでろ!」

立場はドンファンのほうが上なのか渋々フライゴンは引き下がった。

--助かった。さすがにこの調子では二体も相手にできんからな……。

一瞬安堵をするもすぐに構えをとった。相性こそは有利であるが自分は技がまともに使えない。そのことをハッと思い出した。

「"氷の礫"!」
「--!?」

技名を叫んだ途端、体に痛覚に近い鋭い冷たさが走った。ドンファンの氷の礫が直撃したのだ。

「なんだぁ?うちの弟分を可愛がってくれた割にずいぶんとだらしねぇなぁ?」
「--ちっ……」

弱りきった体調もあってか今のグラスには素早く生成された氷の塊を避けることはできなかった。冷たさと二日酔いからの頭痛で早期に彼の体力は消耗しきっていた。

「さっさと終わらせちまおうぜ!」

グラスの体を踏み潰しにかかった。ドンファンほどの重量がキモリの体にのしかかればただではすまない。

(まずい……!このままじゃやられる……!)

踏みつけをさけようにも体が言うことをきかない。踏みつけをくらおうとしたときであった。

「--なっ……!」

唐突にドンファンの足が止められた。自分の前足に蔓が巻き付けられて拘束されている。驚いた二人の視線はグラスの背後に向けられる。

「他所ん家の庭で何やってんのよあんたたちは……」

あからさまに怒りの表情を見せるツタージャ--リンが蔓をドンファンに巻きつけた状態でじわりじわりと詰め寄る。声質こそはいつもの彼女であるが誰の目に見ても怒っているのは容易に見て取れた。

「ぐべぇあっ!」

実に情けない声をあげてドンファンは蔓を巻き付かれた状態で地面にたたきつけられた。この攻撃でドンファンが怒るのは余地していたリンは"リーフブレード"の構えをとる。

「やりやがったなああああああああああああああぁ!」

威勢良く突っ込んではきたものの既に顔を真っ赤っかにして突っ込むことは予測済み。-ふんとあしらいながらリーフブレードで切りつける。

「ちっ!どこにでも俺たちの邪魔は入るものなのか!」

リーフブレードの切りつけに耐えたドンファンはフライゴンが持っていたカバンの中身に手(正確には右の前足)をかけた。

「アニキ、道具を使っちゃダメって……!?」
「うるせぇ!進化前ごとき舐められてたまる……--」






「--よさねぇかい……二人とも……」



「--!!?」

ドンファン達の背後から聞こえたのは年老いたポケモンのようであったがどこか威圧感が含まれていた。その証拠かドンファンもフライゴンも顔を真っ青にして震えている。

「チームの面汚しめ……ッ!」

声の主、巨体と二本の大きな牙と茶色い毛が特徴的なポケモン、マンムーであった。がたがたと震えるドンファン達を厳つい目付きで容赦なく"つらら針"を落とす。

「ぐぎゃあぁっ!」
「ふがあぁっ!」

つらら針を食らったドンファン、フライゴンは情けない声を共に地面に落ちる。

「あんたが……こいつらの親玉かしら……!?」

ドンファン達とは明らかに違った雰囲気に気圧されるリンであるが気丈に振る舞い、口を開ける。

「いかにも……あっしはマンムーのゴラス。こやつらが手下でドンファンのグランガとフライゴンのクラッシャでさぁ。あっしの弟分があんさんらに世話になったようで……」
「そうね、ずいぶんと礼儀のなってない弟分さんじゃないの?」

リンの煽るような口調は変わる様子はない。その煽りに手下格の二人は今にも飛びかかりそうなほどの形相を浮かべる。

--が、マンムー--ゴラスに静止されて渋々足を止める。

「あんさんのお察しの通り、あっしらは世間様が言う悪党でさぁ。あんさんらには恨みはございやせんがこの依頼はいただきやすぜ」
「ふふっ、そんなこと言われて"はいそうですね"って返す奴がどこにいるわけ」
「--しかたないですな……、グランガ!」
「へい!」

ドンファン--クランガがゴラスの指示を受け、技を発した。彼が放った無数の鋭利な岩がリンやグラスを取り囲むように設置されている。

「んじゃ、あっしらはこれで失礼しやすぜ」
「待ちなさい!」

とんずらしようとする三体であるが当然リンもそれを許すまいと追いかけるが--




--ザクッ!


「きゃ、……ッ!」

グランガが巻いたステルスロック。それが主の追手であるリンを阻むように彼女の体に突き刺さっていった。ダメージそのものはそれほどでもないが痛覚を激しく刺激されて反射的に膝を付く。

「けっ、あばよ!」

捨て台詞を吐く手下二体。まんまと逃げられてしまった。

「くっ……!」

ステロで受けたダメージよりもまんまと逃げられたほうのショックが大きい。そして何より……。

「…………」

さっきからまともに動かない"リーダー()"グラス。酔いとダメージで気力を完全に削がれていた。しかし今のリンには彼に対して"心配"のふた文字はない。




--バシーーーン!



乾いたビンタ音がグラスの頬から発せられた……。

■筆者メッセージ
ここでは雑魚キャラ扱いのドンファンですが、最近対戦で使ってみようと思ってたり。マンムーとはまた別のスペックがありそうで構築が楽しいです。フライゴン?ダレスかソレ?ワタシはいついかなるときでもガブ派ですから(ドやァ
ノコタロウ ( 2013/01/05(土) 21:03 )