因縁の2人
02
とある日のシュートシティ。年に一度のリーグが終了するとコロシアムは1ヶ月を通して開かれるランキングマッチや小さなトーナメントの開催の場として開放される。
当然その大会にリーグチャンピオンであるユウリや各ジムのジムトレーナー達が参加することもあり、そういった時は物凄い盛り上がりになるものだ。
その日もそんなトーナメントが行われた日で目玉は現チャンピオンにチャレンジできるというものだ。
大会を終え、ユウリが控え室で一息付いていると、扉がノックされキバナが入ってきた。
「よぉ、お疲れさん。中々の盛り上がりだったな。」
キバナの言う通りトーナメントは大いに盛り上がった。結果はチャンピオンであるユウリが面目躍如を果たしたが中々の才能を見せた者もいたのだ。
「・・・あ、そういえば先日ヨロイ島に行ったんですけどそこで面白い先輩トレーナーさんに会いましたよ。」
雑談の中思い出したようにユウリはそう切り出した。
「面白い?へぇ、なんてやつ?」
「えーと、クララさんって「クララだぁ!?」・・・はい。」
名前が出た瞬間一変したキバナに思わず黙り込んでしまう。
「・・・悪い。そのクララってあれか?オレより年上で頭ピンクの奴か?」
驚かせたことを謝罪し冷静を装っているがどうにもコメカミらへんがピクピクと引きつっている。
「は・・・はい。たぶん?年の話まではしてなかったのでわかりませんけどキバナさんよりは上かな?あと髪の色もピンクです。」
ユウリの返事にキバナは大きくため息をついた。
「・・・そいつがオレの知ってるクララならロクな奴じゃないぞ?なんかされなかったか?」
キバナの質問に思わず島での出来事を思い出して目が泳ぐ。
「・・・よし。今度ヨロイ島行ってくる。」
そう言ったキバナの目は完全に座っていてユウリは心の中でクララに謝ったと同時にヨロイ島でのことを思い出した。
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「キバナ?はっ。ちょっと顔が良くて人気があるだけのダンデに勝てない負け犬野郎なんかに興味ないわぁ?」
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あの忌々しそうな顔をしたクララと今のキバナを見てもきっと何か過去に因縁があったのではないだろうか。
そんな事を考えながらユウリは少し空気が重くなった控え室で雑談を続けるのだった

■筆者メッセージ
続き者ではありませんが、同一タイトルなので2話目としての投稿です。
キバナとクララ、昔にきっとなにか因縁ありそうとかいう妄想から生まれた話です。
きょんきち ( 2020/06/22(月) 12:41 )