始まり
ある日、
デルト村に建つ一軒家には悲しい出来事が起こった。
俺は今でもその事が忘れられない。
「止めろ!この子に手を出すな!!」
大声で誰かに怒鳴りつけた。
その声を出したのはルカリオという種族のポケモンだった。そのルカリオは目の前にいる足がないポケモンを睨みつける。
睨みつけられたポケモンはただそれを見て不気味な笑みを浮かべる。
「ならば貴様がここで自害しろ」
そのポケモンは不気味な笑みを浮かべたままそう言い放つ。
−俺はこの時覚えていたのは只震えていた。
感じていたのは"恐怖"という感情のみ−
暫くしてルカリオは決意をした目でそのポケモンを見た。
「覚悟は出来たみたいだな」
その言葉を聞いてルカリオは頷く。
そのポケモンは先程とは比べものにならない程の不気味な笑みを浮かべ、ナイフを渡した。
ルカリオはそのポケモンから渡されたナイフを持ち震えていた。
彼を襲ってるのは"恐怖"。
「やめ……て……よ」
この時俺は震えながら出した声はとても微弱でなんの意味も持たなかった。
ルカリオは俺のそんな声など気にせずナイフを自分の胸に向ける。
そのポケモンはニヤリと笑みを浮かべる。
それと同時にルカリオは自分の胸にナイフを思い切り近づける。
「父さーーーーーん!!!」
その時俺は聞きたくない音を聞いてしまっていた。