part2
今このシジイ何て言った?
旅に出ろだぁ!?
おそらく原因となった謎の水晶に関しては何にも話していない。
理由の説明もせず旅に出ろは理不尽すぎる。
俺がそう思っている隣でアルビダはもう頭が半分フリーズしていた。
まぁ、コイツには関係ないだろうが……。
「あぁ、そうだ。アルビダも同行するように」
だが、この発言で俺の考えはアッサリ否定された。
頼まれたアルビダはというと……、
「えっ!?あ、はい」
驚きながら、そして頬を赤くしながらもも軽く同意した。
「似たような水晶を持つ者があと六匹いる」
村長は不意に俺達に呟いた。
あと六匹いるってどういう事だ?
まさか、残りの六匹を探すための旅なのか!?
「大体の察しはついとるじゃろう。必要な道具は揃えておいたから明日出発せい」
ふざけんなよ………。
★
「なぁ、お前どう思う?村長の言った事」
俺はアルビダに訪ねてみた。
ちなみにここは俺の家。
あの話のあと俺達はひとまずどうするのか話す為に集まった。
「折角だし行かない?」
マジかよ………。
でも、俺は外の世界には興味がある。
デルト村から外に出るのは良いかもしれない。
気がついたら俺は旅に出る事が待ちきれない気持ちになった。
それを見たアルビダは楽しそうに眺めていた。
だが、アルビダの放つ次の言葉は俺を驚嘆させた。
「今日私を泊まらせてね」
「却下すると言ったら?」
冗談のつもりで俺は却下の意思を見せるふりをした。
だが、次の瞬間俺の目の前には鬼神が立っていた。
「すいませ……」
「ん」を言う前に10万ボルトが俺に放たれる。
後から聞いた話に俺の断末魔が聞こえたという。
★
「さて、お主ら準備はできたかの」
あれから日がめぐり出発の時間となった。
俺は少しやつれたような表情しアルビダは笑顔でいた。
対照的だが、俺達は覚悟はできていた。
「俺は覚悟はできてるよ、あんたが説明しないのは気にくわないけど……」
俺はそう言って、村長を睨みつける。
それを村長は我関せずといった表情で無視する。
くそっ!!この糞爺めっ!!!
「私も同じです」
アルビダはそう言って笑顔を見せる。
それを見て村長は「そうか」と言う。
何なんだこの扱いの差は!!
俺のそんな心の叫びは2匹に届くわけがなく話が進んでいった。
「では、行って来ます」
アルビダがそういって俺も村長に向かって"ありがとう"と呟く。