やりのはしら
やりのはしら5
三本の光が歪んでいた部分を囲むように旋回すると、その部分の時空の揺らぎが治まり、元の空が戻ってきた。
元の空が戻ってくるたびに、ディアルガとパルキアの間で創られていた星が輪郭を失っていく。
三本の光がやりのはしらの中心部、ディアルガとパルキアの周りを旋回すると、完全に生まれかけていた星は霧散し、時空がもとに戻り、歪みが消えた。
全てがもとに戻ったことを確認するように、三本の光はもう一度くるりとやりのはしらの上空を旋回する。
動きを止めたディアルガとパルキアの前でぴたりと三本の光も動きを止める。
不意に光が消え、そこには湖の三神、ユクシー、アグノム、エムリットが浮かんでいた。
湖の三神はディアルガとパルキアの方を見てクスクスと笑ったように見えた。
ディアルガとパルキアはしばらく顔を見合わせると、再び時空に裂け目のようなものを造り出して、呆然とするアカギを気に止める様子もなく時空の奥に消えていってしまった。
「待てっ!」
完全に消えた新しい星のあったところに向かってアカギは走るが、そこにはなにもない。
アカギは現場を受け入れることができず、湖の三神を睨み付けた。
「貴様ら何をした!」
湖の三神は気に止めた様子もない。
楽しげにやりのはしら上空を飛び回っていた。
「よくも……」
アカギが何かを言いかけると、周囲の空気が一変した。
思わず寒気を覚えるくらいの敵意と殺気、何かの視線。
アカギの目の前の床に黒いシミのようなものが浮かび上がる。
見る間に大きくなり、最後、一気に成長した。
巨大な何かの影、爛々と光る赤い目だけが妙にはっきりと見える。
「影でしか現れられないようなものが何の用だ!?」
ゆっくりと目を動かし、その真っ赤な瞳がアカギを捉えた。
それでもアカギは怯まない。
「影ごときが私に逆ら……」
影は突然翼のような黒い部分を動かし、アカギを包み込む。
黒い何かに覆われてアカギの姿が見えなくなったのは、ほんの一瞬のことで、次の瞬間には黒い影も、アカギの姿も消え、あとには黒々とした穴が残された。
呆然としているサンの目の前を何かが通り過ぎる。
感情の神、エムリットだった。
エムリットは誘うようにサンの周りを旋回すると、ぽっかりと空いた穴に飛び込んでいく。
そのあとを追うように他の意志と知識の神も穴に飛び込む。
割れたガラスのような穴の先に、神の姿は見えなくなっていた。


■筆者メッセージ
ポケモンセンターに行ってきました(*´ω`*)
メモ帳を衝動買い。ビビヨンも貰った。
人物の公式絵大好きです。みがわりにんぎょうがほしくてたまらない……

台風凄そうですね(´・ω・`)
うちは被害少なそうだけど皆さん気を付けてください。
アリデーハン ( 2014/08/10(日) 00:27 )