ポケモントレーナー
ポケモントレーナー2
女の子はシュリと名乗った。
シュリは僕を地面に降ろしてしゃがみこんだ。
「キミの名前どうしよっかなぁ。キバゴだからえーと……」
僕には一応ノクって名前があるんだけど、ここで人間になっちゃったら大問題になるよね。
とりあえず変な名前にならなければいい。
「あっ、そうだ。最初と最後を取って『キーゴ』、どう?」
シュリは僕の目を見つめて僕の返事を待った。
まあ、結構普通の名前になってよかった。
僕はうなずいて『キーゴ』という名前に賛成した。
「よかったぁ、気に入ってもらえたんだね。じゃあ私の仲間を紹介するね」
そう言うとシュリは二つのモンスターボールを取り出した。
シュリがボールの開閉スイッチを押すと、赤い光とともに二体のポケモンがボールから飛び出した。
飛び出てきたのはロコンとフラエッテ。
「ロコンのロコちゃんと、フラエッテのフラテちゃんだよ」
二体は僕を警戒するように睨み付けてきた。
僕は身振り手振りで敵ではないと伝えた。
モンスターボールに入ろうとしないから怪しいと思われてしまったんだろう。
僕がボールの中で人間に戻ってしまったりした時のこととかを考えると、ボールに入っていたくないんだ。
「今夜はここで野宿にしようか。これ以上進んで迷子になっちゃうのは嫌だからね」
シュリはそう言って手早くテントの用意を始めていた。
僕にも何か手伝えることがあるかなと回りを見回したけど、特にすることは無さそうだった。
『キーゴだっけ?どんな技が使えるの?』
警戒心がとけたのか、ロコがしっぽを振りながら僕に尋ねてきた。
『僕?りゅうのいかりとかドラゴンクローとかかみつくかなぁ』
『やってみてよ』
フラテは言った。
僕はとりあえず口をあけてりゅうのいかりを放った。
『わぁ、他のは?』
そんな感じで僕達はお互いに技を見せあっていた。
シュリはそんな僕らの様子をにこにこ料理をしながら眺めている。
これはこれで楽しいな。


ごはんができたよっていうシュリの声で、僕らはシュリの方に走っていった。
技を見せあっていて動いたからお腹が減ったのだ。
シュリの作ったごはんは美味しかった。
木の実がたっぷり入った炒めものは、ちょっとピリッと辛くて僕の好きな味だった。
食べたら眠くなってきたので、僕は近くの草の上にごろんと寝転がって寝てしまった。
BACK | INDEX | NEXT

■筆者メッセージ
ポケモンはブラックホワイト2とカロスのミックスのつもりです。
アリデーハン ( 2014/04/06(日) 18:39 )