01 こうてつ島
サンはとりあえずトバリシティから離れることだけを考えてミオシティに降りた。
ミオシティにはジムもある。普通のトレーナーのようにジムに挑戦してしばらくは過ごそうと考えた。
地図を見ながらジムに向かう途中、何人かのトレーナーに声をかけられ、全員倒した。
到着して、ジムを見るとジムの入り口に人が立っていた。
「ジムに挑戦しに来たんですけど」
サンが声をかけると、立っていた男は教えてくれた。
「ああ、今ジムリーダーはこうてつ島に行っててね。今日の夕方には帰ってくるんだけど夕方はもうジム挑戦の予約でいっぱいで。すまないけどまた明日来てくれるかい?」
「こうてつ島?」
「良い鉄が採れる鉱山のある島でね、船着き場から定期便が出てるからすぐ行けるけど……君はまだ子供なんだから、一人で行くのは危ないよ」
「子供?」
サンは訳がわからないという感じで首をかしげた。
「君は子供だろう、旅をしているのでも危ないから。それに今こうてつ島のポケモン達の様子がおかしいんだ。ここのジムリーダーのトウガンさんはそれを調べに行ったんだよ」
「ポケモンの様子がおかしい?」
「ギンガ団っていう危ない人達が関わってる可能性もあるみたいだから……」
「ギンガ団が関わってる……」
「そうそう。危ない人達だから、関わり合いにならないほうがいいよ」
男がそう言い終わる前に、サンは船着き場の方へ走っていった。
「えっ?」
男は呆然とサンを見送った。