04 その頃
マーズ、ジュピター、サターンの三人は、今さら仕事に戻っても手がつけられないことはわかっていたので、アカギが帰ってくるのを待つことにした。
アカギと連絡はついたので、少なくとも予定よりは早く帰ってくるだろう。
彼らが思っていたより早くアカギは帰ってきた。深夜だと聞いていたが、まだ八時、何かを察したのかもしれない。
「話とはなんだ?」
帰ってくるなり、アカギは聞いた。
「これを……」
マーズはサンが残した紙をアカギに渡した。
アカギはそれを眉ひとつ動かさず読んでいた。
「……今はいい」
「なぜ?」
三人は解らなかった、探せと言われて探すつもりだった。
「いずれサンには見せるつもりだった。一度この壊れた世を見せ、愚かな人間にならないようにする」
「……明日の事は?」
「予定を変更する、正面にはジュピター、マーズ、サターン。裏には私一人で十分だ」
アカギは相変わらずの無表情で話した。
「サンがトレーナーになるのであればカードに登録されるはずだ。ジュピター、全国のポケモンセンターの情報を読んでサンの場所だけ確認しろ」
「はい」
ジュピターは頷いた。
「今月末、サンを呼び戻せ」
アカギは言った。