03 ノモセの湿原3
サンは撤退の指示を受けて走り去っていくギンガ団員を見ていた。
『追いかけなくていいのか?』
『追いかけたところでどうにもならない』
そう言ってサンはルカリオ以外のポケモンを全てボールに戻した。
さらに奥に進んでいくと、泥があちこちに飛び散り、木々は焼け焦げ、沼の底が抉れられたようになっているところに出た。ここが爆心地のようだ。
彼女が爆弾が爆発したであろうところに手を当てると、まだ熱が残っているのを感じた。
「君!何しているんだ!危ないから離れなさい」
そう言って一人の男が彼女の方に近づいてきた。
「……ハンサムさん」
振り向いた彼女の顔を見てハンサムはその少女がサンであることに気付いた。
「君だったのか。ここらにギンガ団がいなかったか?」
「さっき走ってどこかに行ってしまいました」
「ケガは?」
「していません」
ハンサムは安心したように息をはいた。
「どこに行くつもりだったんだい?ノモセに行くなら一緒に行けるが」
「ノモセです。ですが私一人でも問題ありません」
「まだギンガ団が残っているかもしれないから危ない」
「ここらにいたギンガ団はさっきほとんど倒しました」
ハンサムは目を見開いた。
「ギンガ団と戦ったのか?」
「そうですが何か?襲われたので倒しただけですが……」
「まあいい、一旦ノモセに行こう」
彼女はうなずいてハンサムの前を歩いていった。