01 ノモセの湿原
サンがウラヤマ家の屋敷を出て、212番道路の方へ歩いていくとあるところからだんだん空気が湿っぽくなり、大きな沼がいくつもあるところに出た。
足場は簡素な木の板で舗装されている。
しばらく歩いていると、ふと焦げ臭い臭いが鼻をかすめた。
臭いのする方を見ると、木が邪魔でよく見えない。
『火薬の匂いだね』
横にいたグレイシアが言った。
『火薬?誰かが爆破したということ?』
彼女はウインディをに乗ってそちらに向かおうとしたが、足元は木の板で舗装されただけの道なので、ウインディに乗って走れば壊れてしまうだろう。
カイリューに乗って飛ぶとここを爆破させた犯人に姿をさらすとことになる。
彼女は臭いのする方に走っていった。
彼女が走っていった先にいたのは何人ものギンガ団員だった。服装を見る限りしたっぱの団員だ。
「おい、ガキがこんなとこで何してる?」
一人のギンガ団員が彼女の姿を見て言うと、その声に他の団員達も集まって来た。
「危ないから、ポケモン置いてどっか行った方がいいぜ」
「なんなら勝負で負けた方が素直に帰るか?」
そう言って団員はヘルガーを出してきた。
それに習うかのように他の団員もポケモンを次々出してきた。
「ヘルガー、ほのおのキバ!」
「みずのはどう!」
一本道なので逃げようもなく、ヘルガーは倒された。
「カイリュー!」
彼女はカイリューを出し、その背に飛び乗った。
そして道にリーフィアとサーナイトとルカリオを出し、カイリューの背から指示を出していった。
彼らの目の前にはゴルバットやドガース、ゴーリキー、ピッピ、ユンゲラー、ムウマといったポケモンが次々出てきて彼女の行く手をふさいだ。
『サーナイトは十万ボルトでゴルバット、他全体にもかかるように電撃を。ルカリオはその間にはどうだんをピッピに、リーフィアはサーナイトと同じようにはっぱカッターで敵を撹乱。グレイシアはふぶきで相手の視界を遮りなさい。まずグレイシアとリーフィアの撹乱から始めなさい』
彼女のポケモンは彼女の指示通り次々と敵を倒していき、沼の小島のようなところまで進んだ。
「なんだよ!このガキめちゃくちゃ強い!」
「なんなのよこの子供!」
「サーナイト、シャドーボール」
そう言って彼女は最後に残っていたチャーレムを倒した。
「幹部様を呼んでこい!」
「俺らじゃどうにもならない!」
何人かのしたっぱが湿原のさらに奥に走っていった。