04 ヨスガジム
次の日、サンは朝一でジム戦の手続きを済ませてジムに挑んだ。
彼女はあっさり5人のジムトレーナーに勝利し、続いてジムリーダーとの対戦となった。
彼女がジムリーダーの登場を待っていると、バトルスペースの向かい側から派手な紫のドレスを身にまとった女性が出てきた。
「ハァーイ、チャレンジャー!」
出てきたのはテンションが非常に高い長身の女性だった。
「私がこのジムのジムリーダーメリッサデース!」
彼女が何も言わなくてもメリッサが1人話続け、賑やかになっている。
「さて、デハ始めまショー!」
そう言ってメリッサはどこからかボールを取り出し、ゲンガーを繰り出した。
彼女はいきなり始まったバトルに面食らいながらウィンデイを出した。
バトルスペースの中心でウインディとゲンガーが向かい合ったところで審判が試合開始の笛を鳴らした。
「ゲンガー、シャドーボールデース!」
「しんそくで近付いてからかみくだく!」
ウインディは飛んできたシャドーボールをゲンガーに近付くついでにかわし、ゲンガーにかみくだくを当てた。
メリッサはいきなり初手のポケモンが倒され驚いた。
「オウ!戻りなサーイ。ムウマージ!ヨロシク!」
ゲンガーは戻り、代わりにムウマージが出てきた。
「シャドーボール!」
「かみくだく!」
ウインディは次の攻撃は避けられず、シャドーボールはウインディの胴に命中した。
だが、ウインディは攻撃を受けてもすぐ動き、ムウマージに接近してわざを当てた。
「アナタ強いデスネ!フワライド、ゴー!」
メリッサは最後のポケモンになり、少し目付きが変わった。
ウインディとフワライドはお互いに少しだけ見つめ合い、ほぼ同時に動いた。
「アクロバット!」
「かみなりのキバ!」
どちらの攻撃も命中したが、最後に立っていたのはウインディだった。
「お子様だと思ってタラ、強いデスモノ。驚いたワ。こんなに早く負けたの初めてかもしれマセン」
ボールにフワライドを戻しながらメリッサは言った。
「これがリーグ公認のバッチデース。アナタ似合ってマス」
メリッサはそう言って彼女に紫のバッチを手渡した。
「アナタ、この町のコンテストに出場しませんか?アナタとなら良い勝負ができそうデース」
彼女は昨日見たコンテストの様子を思い出しながら首を横に振った。
「そうデスカ?残念デス」
メリッサが残念そうに肩を落とすのと同時に彼女はジムの前から歩き去った。