第一話
え、万事屋に用がある?ああ……確かにあそこは初見じゃ行きづらいですよね。ええっと、おr……いや、僕もちょうど用があるので一緒に行きますか?……わかりました。じゃあ、一緒に行きましょう。
この町ですか?まぁ、こんな辺鄙なところにあるにしては栄えてますよね。まぁ、おそらく世界を救った探検隊――『スカイブルー』を輩出した『プクリンのギルド』の影響なんでしょうけど。こんなところにあるとは思わなかった?そうですね、ここまで来られた人たちは大体そういってます。というか今ではプクリンのギルドそのものが都市伝説扱いされてるとか……。え、そんな話は聞いたことがない?デリーのやつ……いえいえ、なんでもありません。
どこまでいくのか、ですか?万事屋はトレジャータウンのはずれにあるんです。……ああ、見えてきましたね。見えますか?あのルカリオの顔を模した建物です。もう少しですね。ここら辺はもともと『不思議のダンジョン』だったので、注意してくださいね?
足場が悪くて、歩きづらい?……ですよね。炎タイプにはつらいかもしれません。でももう少しなので頑張ってください。……え、さっきも聞いた?すいません。でももう少しですよ!
ほら、つきました。ここがあなたの言っている万事屋で間違いないでしょう。正確には『
万事請負い処』なんですけど……まぁ、特に意味に変化はありませんしね。じゃあ、いきましょうか。
「遅かったな、グラン。……その方は?」
ただいま、おやz……父さん。たぶん依頼主の人だと思う。迷ってたから、連れてきた。
「ふむ……蒼空に依頼ですか。出すものさえ出していただければこちらとしては全く文句はありませんが。……ああ、そのリオルは私の倅です。無精者ですが、何か気に障るようなことはしませんでしたかな?」
そんなことしないさ!なんてったって俺は蒼空の若きエースなんだからな!
「客人の前だ、言葉を慎め。……申し訳ない。まだまだ半人前なもので。」
ちぇ……
「……話がそれてしまいましたな。私は此処『
万事請負い処蒼空のリーダーを務めております、グレイと申します。以後お見知りおきを……さて、ご依頼は?」
……ああ、確かにあそこは普通のやつらじゃ無理があるなあ
「グラン、少し黙っていろ。ご依頼は……ふむ、あなたの宝物を奪って死の湖沼へと逃げたワルビルを捕らえ、あなたの宝物を取り返す、ということでよろしいですかな?……確かに承りました。追って連絡いたします。お名前をお聞きしても?……はい、確かに。
グラン、送って差し上げなさい」
了解。
「そんなに心配な顔をしなくても大丈夫です。蒼空の名に懸けてあなたの宝物を取り戻すことを誓いましょう。」
大丈夫だ……ですよ。これでも、依頼の遂行は完ぺきにしますから。じゃあ、おや……父さん。
「ああ、では。帰り道にはお気をつけて。」