プレゼントを持ってきました
第一章
見つけてきてやんよ
学校は昼前には終わった。
モモとタクマは下校を共にしていた。
二人は作戦を完遂して気分が良さそうにしていた。
「いや〜、モモのおかげで今回も助かったぜ。」
「もお〜、たまには私に頼らずテストやってみなよー。」
モモは軽く否定的にしていたが、タクマの手助けが出来てうれしそうにしていた。
「もう俺はモモ無しじゃ生きていけないな。」
タクマはモモの顔を覗きながらニヤリと言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
モモは顔を上げられなかった。
しばらくうつ向いて歩いた。
(私だけなのかな・・・・。こうやってドキドキしてるの・・・・・。)
モモは心の中で答えを探していた。でもいくら考えてもタクマの本心は解らなかった。
「・・・。なあモモ。」
「なっ!、何よ?。」
モモはびっくりしてしまった。そしてタクマに聞き直す。
「モモって前からポケモン欲しがってたよな?。」
「う、うん。何よ・・・。それがどうしたのよ?。」
「今から俺が捕まえてきてやるよ。」
「ええ!。今から!。」
タクマは唐突にモモの手を取り森の方角に走り出そうとした。
だがモモはブレーキをかける。
「ちょっとタクマ!。いきなりそんな事言ったって!、まだなに捕まえるかも決めてないんだから!。」
モモはタクマの手を振り払い言った。
「あれ?。お前ピカチュウが欲しかったんじゃないのか?。」
「はああ!。何で知ってんのよ?!。」
モモはピカチュウが大好きだった。モモはその事を内緒にしていたようだ。
「ああ。お前の部屋に遊びに行った時、机の中にピカチュウの折り紙が一杯入ってたからな。」
「あんた!。見たわねええ!。」
モモは頬を真っ赤にしてタクマの胸を何度も叩いた。モモは沢山のピカチュウの折り紙の下に秘密のノートを隠していた。それを見られたと思ったのだ。
モモは我に帰るとうつ向きながら言った。
「どこまで見たのよ・・・。」
モモは静かな声でタクマに問いただした。
「どこまでって・・・。なにがだよ?。」
タクマは折り紙の下に隠していたノートまでは気付かなかったようだ。
モモは急いで話をそらした。
「あ!、いや!なんでもないの!。ピカチュウ!。そう!、ピカチュウが欲しいの!。」
「なら今から一緒に・・・。」
タクマが改めてモモを誘う。
「ごめんタクマ。ママが学校終わったら早く帰って来いって・・・。大事な話があるって言ってたの。」
モモは申し訳なさそうに断った。
タクマは一度残念そうな顔をすると森の方角へ向いた。
「ならしょうがないな。俺一人でいってくるか・・・。」
「一人で!。危ないんじゃないの?!。」
「なーに平気だって。んじゃ、おばさんによろしくな。」
タクマはモモにモンスターボールを見せると森へ走っていった。
その後ろ姿を寂しそうに見ていた。
「タクマ・・・。大丈夫かな・・・。」

この時タクマを止めていれば良かった。モモはいつの日か後悔することになる。
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■筆者メッセージ
誤字や脱字などありましたらご連絡を。
どえろちっくばいおれんすで行こうとおもします。
コーヒー牛乳 ( 2017/10/19(木) 03:55 )