合図はアイズで
「あ、タクマおかえりー。」
モモは教室の前の廊下でタクマの帰りを待っていた。
「お〜、すまんなモモモ。」
「『モ』がひとつ多い!。」
モモとタクマはテンプレを終えた後教室の席に座った。
そして向かい合って作戦会議を始めた。
「言いかモモ!。合図はいつものでいくぞ!。」
「オッケー!。シャー芯一回出す音が『ア』。シャー芯2回で『イ』。回数事に『ウ』、『エ』ね!。」
「お!、話が早くて助かるぜ!。さすがモモだな!。」
テストは全て記号問題だ。それを上から順に答えをモモに教えてもらおうと言うのだ。
二人はこの方法で
幾多のテストを乗り越えてきたのだ。
「よーしテスト始めるぞー。席つけー。」
先生がテスト用紙を持って教室に入ってきた。
モモとタクマは隣同士だ。この作戦をするのには都合が良かった。
テスト用紙が配られるとモモとタクマは横目でアイコンタクトを取りつつテストの問題を解いていった。
(ここの答えなんだったっけか?)
(そこは『ウ』よ『ウ』!。)
モモはシャー芯を3回出した。
カチカチと芯を出す音が聞こえてきた。
それに答えるようタクマが答えを記入する。
「・・・・。まぁいいか。最後たし。」
どうやら先生は二人の合図に気付いていた。
先生は二人の反則行為を見てみぬふりをしてくれた。
こうしてテストが終わり、テスト用紙が回収された。
チャイムが鳴ると生徒が一斉に息を吐き出した。
二人はこの最中お互いの肘をコツンと合わせていた。