プレゼントを持ってきました
第一章
さよならは言わないで
「おはよタクマ〜。寝ぐせ直ってないよ〜。」
朝の気だるげの中、モモはタクマに挨拶を交わした。
「お〜っすモモモ〜。」
「『モ』がひとつ多いぞ〜。ムニャムニャ・・・。」
この会話が朝のテンプレだった。
二人は肩を並べて山の上のポケモンアカデミーに向かっていた。
「そういやテストの予習やって来た?」
無言の登校の中、モモがタクマに話しかける。
「そ〜いや今日〜テストって言ってたな〜。まぁ、またあの作戦でなんとかなるんじゃねえの〜。アーネミー・・・・。」
「もータクマったらー。」
まだタクマは眠たそうにしていた。
モモはふらふらしているタクマを危なげそうに見ていた。

学校が見えてきた。
モモやタクマの他に沢山の生徒が登校していた。
中にはワンリキーやイシツブテにかばんを持たせている生徒もいた。
学校内はポケモンを入れてはいけないので学校の前でポケモンを家に帰らせていた。
モモとタクマが教室に入るといつもは騒がしい教室内が今日はいつになく静かだった。
「みんなテスト勉強してるね。タクマはやらなくていいの〜?。ニヤニヤ。」
「頼りにしてるぜモモ優等生様〜。」
タクマは(ひじ)でモモの横腹を軽く叩くとそう言った。
「さぁ皆席につけ〜って・・・もうついているな。」
担任の先生が教室に入ってきた。
「駄目だぞお前らー。詰め込んでも日々予習復習している人には勝てないんだ。ちゃんと家でしてきなさい!。」
先生は教室に入るなり生徒に説教を始めた。
「ブーブー!」
「チェェ!」
「早く結婚相手探せー!」
生徒のブーイングが生徒に浴びせられる。
「うるさーい!。今文句言った生徒全員宿題2倍!。後タクマ!。ホームルーム終わったら指導室に来い!。」
「ゲゲゲ!。」
「あんたが余計な事言うからでしょ!。」
結婚うんぬんを言ったのはタクマだった。
モモは情けなさそうにタクマの横顔を見ていた。

ホームルームが終わるとタクマは先生とホームルームに向かった。
ホームルームに着くとタクマと先生は向かい合ってソファーに座った。
「本当に良いのかタクマ・・・。」
「別に良いんすよ。言わなくても。変に気を回されるの嫌なんすよ、俺・・・。」
タクマと先生はこれからの事を話し合っていた。
タクマはもうすぐ引っ越す事になっていた。
タクマはその後を他の生徒に話されたくないようだ。
「まぁ、タクマがそう言うならお前の意見を尊重しよう。」
「あざす。勝手に言っちゃ駄目っすよー。」
そう言うとホームルームを出た。

コーヒー牛乳 ( 2017/10/19(木) 02:08 )