プロローグ
夜の現



─暗闇を光が両断した。

間をおいて吹き飛ぶ『追っ手』に閃光の主は目もくれず、急な斜面となっている森を半ば滑り下りる様に駆け抜けた。
夜は深い。森に染み込んだ夜はそれを、追っ手の目から優しく隠す。
追っ手の怒号を聞きながら、それは荒く息をする。
休む暇などない。一刻も早く『あそこ』に辿り着かなければならない。
焦りに背を押され、疲れて重い足と酷使され続けられた肺に鞭打ってそれは走る。
前へ。 前へ。
視線の先にある『ワイワイタウン』をめざして。






夜の現は舞い踊る。







■筆者メッセージ
テストが終わったので。
琅珎 -amber- ( 2016/03/08(火) 08:49 )