ポケモン不思議のダンジョン〜約束の風〜 - おまけ〜資料置き場〜
第四章・解説
 


☆第四章-家族のかたち、仲間のかたち

 章題の雰囲気が変わったのであれっ? と思った方もいると思います。この章は、家族や仲間の存在について書かれていく章なんです。もちろん、物語の重要な部分を含んでいます。"かたち"という所ですが、最初は"形"と漢字にしていましたが、家族のかたちも、仲間のかたちも、定型ではないという観点から、いろいろな意味を賄える平仮名としました。
 テーマは「家族・仲間」



・第二十八話-ナサハシティ

 新しい街に着くや否や、泥棒騒動に出くわします。そこで、ディーザがその泥棒を止めようとして"かえんほうしゃ"を出そうとしますが、リンは冷静にツッコミをいれて"でんじは"で止める。第二章でチコリータを助けようとした時も似たような感じになってましたね。
 泥棒-オオタチと、それを追っていたグランブルですが、この時はまだキャラが固まっていなかったので若干雰囲気が後半にいくに連れて違うかもしれないという懸念があります。大丈夫だとは思うのですがどうなんでしょう?
 というのはさて置き。
 結局、この場ではオオタチは逃げてしまいますが、ディーザはまた何かを感じてオオタチを追いかけてみることにします。これは、知識の地底湖でのローラだと見破った時のやつに通じてます。
 そして、見事にフレットを見つけるわけですが、そこでディーザは妙な感じを覚えることになります。そのことについて、読者側で"何かあるな"と過ぎらせもらえているといいですね。


・第二十九話-疑い

 出だしはリタイレム達の会話から始まります。知識の地底湖でのバトル後、リタイにはある異変が起きています。

 明日の準備を終えて、二人が集会所で寝ている間、外では嵐のような天候で荒れ模様でしたが、これは事件の予感をさせるための描写です。
 そして朝になると、フレットに関するニュースが流れる。
 この回は淡々と流れを書いていただけなので、特に解説するところは少ないですね。本当なら、これだけで終わらせるつもりではなかったのですが、その次が長くなったために切りました。


・第三十話-二つのフレット

 ディーザがグラドからフレットの話を聞く回です。ここも特に解説はいらないと思われますが、過去の話はかなりざっくりとしていますので、もっと詳しい話はまた別に書いておまけの所に載せたいと思います。
 あとの残りは、フレットとある人物の対話の場面。ここで、題名の二つのフレットの意味が明白になりますね。


・第三十一話-話し合い

 この辺りからシリアスな展開が多いので、そうじゃない場面が欲しくてあの出だしになりました。グラドは地元の人なのに道を間違えまくる、それぐらいの慌てようであることを描写しています。
 集会所に着くと、長く待たされていたリンがプクリンと長話をしています。必殺のガールズトークですね。レアンの時と同じ感じです。
 ニュースは既に終わっていたため状況が確認出来ないので、パソコンが出てきます。メールがあるので違和感は出ていないと思います。ニュースの確認は、Yahooニュースを見るようなイメージです。
 この後、テレパシーの主、ハメイが出てきます。グラド一人では展開させにくいと思ったのがきっかけで生まれたハメイ。エスパータイプ 摂生していそうなポケモンをと思って選んだのがチャーレムでした。
 この次に、ブルドの回想シーンが入ります。過去にあった出来事によるわだかまりがあることを描写して、物語のとしてただの市長でないことや、この世界に結婚の概念があることがわかる場面です。
 さて、フレットの脱走計画を練るための話し合いが始まります。ハメイの登場の仕方ですが、前記したように、摂生(修業)でもしていそうな雰囲気を醸し出すための描写です。話し合いを進めていくうちに、ハメイのズレている感も感じてもらえているといいですね。
 しばらくして、ディーザとグラドの様子に疑念を抱いていたリンが我慢出来ずに入ってきます。そして話を聞くと、呆気なくリンも話に乗ってしまいますが、その理由は後ほど出てきます。


・第三十二話-脱走計画

 計画実行となります。刑務所の下を流れる伏流を利用し、"ねんりき"によって間欠泉を起こして穴を開ける。そこからフレットを逃がすという計画です。
 その刑務所を前にした際、三人の会話が入ります。グラドがぐっと堪えたものはわかりますよね?
 ここでブルド側の場面を入れたのは、状況説明もありますし、過去にも似たようなことがあったと何かを匂わせるためでもあります。スリーパーの裏の一面的なのも垣間見えます。
 アングルは再びディーザ達に戻りますが、そこにスリーパー-ヨープが降り立ちます。ヨープは嫌な人全開になってます。チャンスの例えは上手く伝わったのかな? それに対して頭の痛くなったグラドがキレてバトルが勃発しそうになった時、颯爽と(カッコ良く)フレットが登場。ハメイの水流攻撃を挟んでブルドも到着します。役者は揃ったと言わんばかりの状況下で腕輪の話が入ります。もうわかりましたよね? ブルドとグラドは親子です。そして、グラドの"言わないでくれ…"というのは、動揺と拒絶の表れです。
 その後、ブルドが水に流そうとしていい話風になろうという時、ヨープが本性を露わにします。悪役感全開です。
 そして、バトルに発展。ラストはグラドの戸惑いの描写で終わります。


・第三十三話-脱走バトル

 久方ぶりのバトル(小説内ではそうでもない)は、距離感を大事にして書きました。相手がエスパータイプであることから、遠距離は相手の方が得意、さらに何故か、物理にも長けていることになっているヨープです。
 その前に、取り巻き達とのゴタゴタがあるわけですが、そこはある意味簡単に終わらせました。強さの強弱的な感じです。"ひのこ"と"かえんほうしゃ"の使い分けですが、"かえんほうしゃ"の方が直線的なイメージがあるので、広角には"ひのこ"という風にしました。
 さて、ヨープとの対決ですが、フレットが咬ませ犬のようになってしまったががっかりという感じに思った方もいると思います。当時はそんなこと考えておらず、単純にそこで勝ててしまっては面白くないということであのようになり、次のディーザも、中距離攻撃を考案するも敗れます。ちなみに、中距離攻撃の発想は自画自賛してます(笑)
 そこで登場、ブルドさん。今まで何をしてたと言いたくなるところですが触れないであげて下さい(笑)いろいろと堂々巡りしてたんです。そんでもって、この人が妙に強い。年の功というやつですかね。
 怒りの末に、遂には"げきりん"を発動させるブルドさん。そんなのまで使えるなんて一体何者ですか?自分で聞きたくなってしまう(笑)
 倒した後も暴走しようとするブルドですが、グラドの呼びかけで我に帰ります。何かいいですよね、こういうの。筆者だけでしょうか?


・第三十四話-脱想

 バトルが終わり、置いてけぼりを食らっていたハメイが合流します。倒れていたフレットも起きていて、ヨープは縛られている。終戦からの時間の経過が見られます。しかし、ディーザの負ったダメージは大きく、疲労からそのまま寝ています。それにしても、ここまでの旅での敗戦率は高いですね。主人公補正の強さなど微塵もありません。まだまだ発展途上。
 そして、サスペンスのラストのように問い詰めが始まります。海を背にした崖の絵は想像しなくてもOKです(笑)
 さて、事細かに話すのは不自然なので、要所をまとめた感じになってます。ヨープは貧民街出身で、嫌がらせのような行動もやり返しの一貫。ヨープもいろいろあったようです。しかし、それはあくまでついでであって、本当の目的は他にあります。"神"と一体何なのか。疑問が残ります。
 とりあえず取り調べが終わり、今度はフレットの案件についての話へ。なんとフレットの父-フラットは生きていた。感動的な展開にしたかったので、この形に帰着出来てよかったです。というより、ヨープのやる事酷過ぎる。
 そして、この時がきます。フレットの中の問題の解決。フラットが生きている。ならば俺は必要ないと言うもう一人のフレット。その言動は、己のいたこと自体が間違いであったとまで飛躍していきますが、本当はそう思ってはおらず、フレット自身のために自分を殺そうとしているわけです。辛いですね。それをフレットは拒絶します。それもそのはず、何を隠そう心の支えですので、それが無くなるのは怖いですよね。いきなりいなくなろうとする虚像のフラットが、以前父が突然いなくなってしまったことに重なればなおのだと思います。
 最終的には殻を脱いでよかったねで終わるんですけど、どれぐらい不自然なく持っていくかで時間が掛かった部分です。
 最後、グラドに言った"もう大丈夫。ありがとう"は、何か感じでもらえればと思います。


・第三十五話-けじめ

 この回では、まずハメイ達が何故二人を信用したのかという理由付けを行いました。世間的には褒められたことではない脱走計画を、まだ顔見知り程度の人を参加させることになるわけですので、とりあえず何か信用する材料がないといけないわけです。ここでは、話をした時の人柄、というものが理由になっています。
 それともう一つ、リンがすんなり協力をすることにした理由です。リンに関しては、本当にすれ違った程度の間柄で、普通なら首は突っ込みませんよね。ここでは、自分との境遇が何処と無く似ていると言っています。そのうち、また詳しく語られるはずです。
 そして夜明け前、ディーザはまたも夢に魘されて目を覚まします。リンもそれに気づいて起きます。リンは寝る前の蟠りがあるため、あまりよくは眠れなかったために、こうも簡単に目を覚ましてしまった、というイメージです。その蟠りのこともあり、少し気まずい空気も漂います。それを晴らすため、リンはディーザに話を切り出します。すると、ハメイを経由して聞いた言葉の真理を知ることができ、気持ちが晴れると共に、仲が深まった場面となります。
 朝日が登り、二つのグループは一度集まってから市庁舎に向かいます。詳しくは書いていませんが、集合場所はハメイのテレパシーで事前に打ち合わせたことになっています。
 この時の天気は、
 "気持ちのいい晴れと言うには少し雲が多い。しかし、曇りとも言い難い。"
 これは、幾つかの問題は解決されたが、まだ残っていることを描写しています。
 フレットとフラットの処分に関しては、社会奉仕という形に落ち着きます。ヨープの件は、はっきりせず、スッキリにとはいきませんでしたね。
 さて、ここまでは物語のピース達。ここからがこの回の核で、グラドとブルドの対話の場面に移ります。

 "ブルドに呼び止められ二人きりになると、グラドはより無愛想にな態度を取った。しかし、それは自分の中の何かを保つためにしているようにも見えた"
 前からそうでしたが、グラドはブルドに対して、無愛想な態度ばかりとっています。もう既に、ブルドが父親であることを悟っているグラドは、親子水入らずの関係で接したいと思う反面、こうなってしまった一因から怒りがある。でも、それまで持っていた恨みは薄れてしまっている微妙な心情の表れであるわけです。

 "ブルドは質問をしながら、明らかなぎこちなさから苦笑してしまった。その表情はとても穏やかなものだった"
 それに対して、ブルドは何とか親子らしい会話をしてみようと努力してみますが、やはり気恥ずかしくてぎこちない。でも嬉しいのです。

 "グラドはそんなことはお構いなしに、イラつきを覗かせながら続きを催促した。すると、ブルドの顔から笑みが消えてしまい、逆に厳しいものになった"
 そんなブルドを見ていると、グラドは耐えられない気持ちになって冷たく当たります。するとブルドは、グラドとの溝が大きいことを再確認することになります。

 "今から言うことは独り言だ。聞き流してくれ"
 この言葉は、言い訳したところでどうしようもないことを承知しながらも、真相は伝えて起きたいという気持ちと、敢えて他人に話すようにしています。その後、グラドが自分のことを話したのは、ブルドとほぼ同じです。

 そして最後、グラドの別れの言葉、"じゃあな…"は、ブルドに対する単純なものと、腕輪=母に対するもの、二つの意味があります。グラドにとって、母の形見である腕輪は御守りのようなもので、フレットにおけるもう一人のフラットと同じ位置、対比関係にあります。腕輪を置いていったのは、フレットがもう一つの人格に頼ることをやめたことに影響されています。二つの決別の形となっています。

 "グラドが歩いて部屋を出ていくのを、ブルドはただ見送ることしか出来なかった。最後、微かに聞こえた"親父"という余韻に揺られながら、そっと腕輪に目をやった"
 この時、グラドはブルドを少しだけ許したかのように見えます。そして、それをブルドはどんな気持ちで見ていたのかは、個々の自由にすることにします。


・第三十六話-兆し


 出だしのグラドの言葉から、"もう済んだことだ"という意味合いです。

 "街の空模様は五人の知らぬ間に青一色となっていた"
 これはもう言うまでもなく、抱えていたものが晴れたということです。正確に言えば、まだスッキリしきっているかというとそうではないですが、この章において扱われるものはとりあえず解決された、ということになります。
 その後の、小屋でのほのぼの感も、緊張が解けていることを表しています。

 さて、ようやく(物語の中での滞在時間は二日と半日ですが)二人はナサハを出発します。
 その晩、修学旅行の夜のように過ごす二人は、ディーザの夢の件の話をします。
 ここで、リンは地底湖の水の話をして水筒を取り出します。しかし、既にディーザはそれを飲んでいました、という流れに。二十七話でディーザが飲んだのはこれでした、というオチです。これにリンは怒ってしまいますが、心情は察せますよね?

 夜更けて、ディーザはまた夢を見ます。その内容は、ディーザにとってかなり衝撃のあるものでした。その翌朝、魘されたように目を覚まします。

 "リンは一瞬の間だけ、目をつぶって何かを巡らせていた"
 "何か"と"縛っていた縄"は、二十六話でローラと話していたことです。記憶が戻ったら・・・と考えているわけです。ですが、ここでディーザの気持ちを優先するようになります。一種の成長です。

 "二人のテントは、遮る草木を物ともせず降り注ぐ太陽の日によって、包むように温められていた"
・二人のテント→二人の関係性
・遮る草木→問題・障害
・温められた→良好な関係
 をそれぞれ示しています。


・まとめ

 当初ナサハシティの件は三話程度で終わらせる間話的な役回りでした。しかし、いろんな設定が浮かんできてしまったので、そのまま書き連ねていったところ、このように一章分になってしまいました。ただ、そのことに関しての後悔は微塵もありません。何故なら、元々入れるべきとしていた伏線とは別にも伏線を張れましたし、"かたち"も描けた(つもり)からです。
 二十八話でグラドがフレットを追っていた件と、親子の話についての詳細が書けていないので、おまけの方で書けたらと思います。

アース ( 2014/09/26(金) 21:39 )