第三章・解説
☆第三章-動きだす敵
まず最初に大陸移動があります。これから大きな世界に出ていき、いろいろな事を見たり体験したりする、そんな想像が出来る。並んで進んでいく物語。
テーマは「仲」
・第十九話-海底トンネル
次の場所を目指して出発します。そのために、まずは海をわたらせます。この描写で、二人は一部の地域に留まるのではなく、世界全体を舞台に旅をしていくんだということを表しています。世界地図はありますが、ネタバレになるので完結後に載せます。
それ以外の意味はあまり含まれていないですね。ちょっとバトルがある間話というイメージで書きました。ストーリーばかりだと息が詰まりますので。
あと、特別言わなくてもいいかなと思いつつ書きますが、太陽の位置で時間帯を示しています。
・第二十話-きのみの森
これも間話のようなかいですね。お金の貯蓄に関して少し話題を出しておきたかったというのもあって、お小遣い稼ぎの依頼を熟すという話になります。実を言うと、第一章に出てきた料理名を見て、反響があったので、料理関係で少し書きたかったというのが少しあり、それと合わせてセリフのみの登場だったフーカを出してあげることも出来たのでよかったです。
・第二十一話-蟻地獄
はい、いきなりのシリアス展開です。謎の人物的に描いたロゼリアのローラ。反響がよかったです。
地図で現在地をはっきりさせているので、頭に浮かべて想像してもらえると楽しいかもしれません。ローラは、元々ディーザとリンのことを探していて、その途中でたまたまダメージを受けたわけですが、体力が減ったところでその二人に助けられます。名前を聞いた時に顔が引きつったのは、聞いていた人物像とは違ったことと、目的がすぐ目の前にあることに対する使命感的なものです。
その後、罠に嵌めるわけですが、かなりブラックな場面ですよね。
・第二十二話-パズル
まぁ、罠に嵌められて"ちゃんちゃん"では終わるはずがないので続きになるわけですが、ローラの件はブラックなんです。とにかく。
それで、二人が落ちた先がたまたま目的の場所だったというのは、物語の都合。普通だったら運がよ過ぎるのですが、なんとなくドラマティックかなと。
題名にもありますが、パズルが出てくるのです。知識の神であるユクシーに繋がる謎解きなので、合ってると思います。ここで、ディーザがアンノーン文字を解き明かした(知っていた)ことについては、みなさんにいろいろと予測させるには十分な役割を持っているはずです。
・第二十三話-争奪戦
嵐の前の静けさ。
大事なイベントの前にはこれが不可欠と思っています。前回のエムリットの時もそうでしたが、緊張感を演出する上で、やっぱり必要なんですよね。それに加えて、知識(記憶も含む?)の神が目の前にいるのだから、記憶を戻せないか聞くのは常ですよね。時闇空の時に「記憶のこと聞かないの?」とツッコんだ覚えがあるぐらいですから、ディーザ達には聞いてもらいました。しかし、神がそう簡単にあれもこれも出来てはただのインフレでしかないので、守護する場所を護るための力しか備えていないという設定に落ち着いています。
そして登場するのがリタイレム一行。当然バトルをするわけです。ディーザはロズレイドと戦うことになりますが、何故ローラだということが分かったのかは、そういう能力的なものがあるということにしておいて下さい。ちゃんと理由はあります(ここでは言いませんが)ので安心して下さい。
この回のラストは、ディーザが締め上げられて終わるという、どうなってしまうのだろうと思わせる展開で締めています。
・第二十四話-解放される力
突然の夢オチを発動します。ある意味、前回の終わり方はこれのためにやった部分が大きいです。
そして、ディーザに意識が戻りますが、まだ攻撃は続いていて苦しい状況。そこで、あれのトリガーとなる声が脳裏に響き、力が爆発。アニポケDPのヒコザルを思い出してもらえれば理解し易いかと思います。ただ者でない感じは十分に出ているかと思います。それに加えて、結構な演出もありましたが、あそこまでやらなくても凄さが出たかなと今は思っています。
しかし、それを制御出来ずに暴走して暴れ回るディーザ。誰も手をつけられないように見えたが、それでもリタイレムの方が強いという、前回の対決以上の明らかな力量の差が出るわけです。ここで、リタイレムが一度水に落ちているのがミソだったりします。
・第二十五話-地底湖の水
衝撃の多かったバトルも終わり、後始末をするのがこの回です。
まず、ディーザの言う通り、ロズレイドはローラであったことが判明。操られていたなど描写があり、随分とブラックな場面が多いなと自分でも思います。
ただ、この話で肝心なのは地底湖の水です。この水の作用が"記憶や閃きを引き出す"ということで、なんとなく察しがついた方も多いと思います。
そして、ディーザに飲ませてあげようじゃないかとなるわけですが、躊躇してしまいます。後半部分は、散々それに似た様子が出てきますが、その理由は次回でわかるので省略します。
謎めいた感じが全体的に出ていれば、この回の意図は果たせていると思います。
・第二十六話-記憶と思い出
リンが苦悩を抱えてる描写が多い話です。
まず、絞り出すような様子でディーザに話し掛けるリンですが、もしもディーザに記憶が戻ることで何かが変わってしまうような、友達を失ってしまうような恐怖感があるわけです。
もちろん、ディーザはリンの心情を知る由もないのですが、ただならない雰囲気は感じ取り、この空気を和ませようとします。"ボコボコ"という幼稚な言葉も、和ませようという意図の下に使われています。また、噂の相手がくしゃみをすることで、場が和らいだことを
結局、この場で答えが出ることはありませんでした。
その夜、ディーザがふと目を覚ましますが、これはディーザの傷の具合の確認。それに加えて、「あっ…」と思った方もいるはず。
その次、夢を挟んでから再び目を覚ますと、リンとローラが部屋にいないことに気づきます。この流れを経ると、何と無くそれっぽい雰囲気を演出が出来ていいなと思ってます。こういう雰囲気って何て形容したらいいのかわからなくて残念です…。
さて、リンとローラの対談の場面になりますが、ここでリンの心情が語られます。第二章での過去の話があったり、いろいろ抱えているようです。
これに対して、ローラは明確には答えを出していません。事が事というのもあって、当人にしか解決出来ない問題である、そんな意味合いですね。
また、缶の温度や朝日が差し込む描写は、張り詰めた気持ちの和らぎを表しています。
・第二十七話-港町
この回の目的は、町から出発してもらうことと、ローラに離脱してもらうことです。比重はローラに偏っているので、主役のような感じになっています。
現時点で、ギルドは出てきていますが救助隊がまだ未登場ということで、災害を通して救助隊に出演願いました。
無駄に災害を起こしたかというと、そうでもありません。アミュレットが二つも定位置からなくなってしまったことによる、世界への影響を表しています。ちなみに、二人を含めてそれが原因であることは知らない設定です。地震も、珍しく大きい地震だな、ぐらいの感覚で捉えられています。
救助隊にローラがスカウトされてそのまま入隊しますが、この時のローラの心情としては、まんざらでもない、といった感覚です。
ちなみに、船乗りにゴーリキーを採用したのは、あの帽子が似合うと思った、それだけです。
・まとめ
重い内容がちょこちょこ出始めている。かといって、シリアスばかりではなく、コント的な内容も含まれている。そんな章となりました。テーマを「仲」としていますが、これは"他者との仲"という意味で、海底トンネルのゲンガーとディーザの馬が合ったのも"仲"ですし、フーカと再開して一緒に依頼を熟したのも"仲"。リタイ達やローラ、船乗りのゴーリキーなど。特にディーザとリンの"仲"。間柄にはいろいろあるし、複雑だったりすることもある、ということです。