序話-プロローグ
いつかの時代、どこかの場所…
「…………来た」
降りしきる雨の中、その生き物は何かを待ち構えていた。
そこに一閃の衝撃が走った。
「おまえ何なんだよ! 俺にはやらなきゃいけないことがあるんだ! 邪魔すんなよ!」
怒りを含んだその声は、虚しく響いていく。
さっきから、少しおかしい気がする。
そう、何か歪みだしている。
しかし、その歪みの正体が、空間なのか、時間なのか。
はたまた自分の身に起きていることなのかは、わからない。
嫌な感じがする。
こんな所でもたついてられない。
早く…、行かなきゃいけないのに……。
焦燥感がそこに渦巻いていた。
その時、闇を切り裂く稲光が、辺りを真っ白に覆い尽くした。
「こ…以…邪魔……す…なら………」
最後に聞こえたその声は、稲光の中に消えていった……
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」………