第六章、中央州中部編
1話
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俺たちが王都に着くと、城の前に皆が待っていた。
全員がソワソワしている…。と、言うことはあれを見たと言うことだ。そりゃそうか。あれだけでかいんだ、西州全域で見られたはずた。

「やっと帰ってきたな。見たか?あのでっけぇ要塞」
「見たもなにも、俺たちがいた遺跡があれになったんだ」
「どう言うことだい?」
「えっと…」

ラピスはみんなに、遺跡の地下にあった大きな扉と、帝国の宰相ギラン・メラニウムスのことについて話した。
みんなから返ってくる表情は、まちまちだった。驚くのと、そうでもないって顔。

「なんだそれ…!じゃあ、早く中央州に行った方がいいんじゃねぇか?」
「無理よ。ここから中央州に行くなら、寝ないでも3日は掛かるわ。それじゃあ絶対に間に合わない」

だよな…。でも、行かないといけないのも事実だ。どうする?空を飛ぶか?いや、飛行タイプはこのメンバーにはいない。じゃあ“テレポート”で…。ダメだ!それじゃあシャナに負担がかかる。そんなことはしたくない。

「他に方法は無いのかな?」
「……みんなで一気に移動出来る方法」

今回ばかりは、みんなの知識を集めてもどうしようにもならない。
するとそこに、1匹の“エルレイド”がやって来た。雰囲気からいって、執事なんだろうか?

「申し訳ございません…。ソルト・カーテリアス様でしょうか?」
「そう…ですけど…。あの…貴方は一体…?」
「申し遅れました。私、国王の執事でございます。リチャード・スレムと申します」

リチャードさんは、国王の執事なのか…。でも、そんなポケモンがどうして俺の所に…?

「その…すみません。盗み聞きしてしまいまして…。中央州に行かれるのですよね?」
「そうなんですけど…。どうしようにも無くて…」
「…それなんですが。私について来ていただけますか?」

そう言うと、リチャードさんは振り返り、スタスタと歩いていく。
とにかく…追いかけるか。
前をスタスタと歩くリチャードを追いかけると、城の中にはいる。城の中は、床は大理石で出来ていて、天井にはステンドグラスがいくつもついている。明らかに高そうだ…。
そして、ひとつの扉を開けると、地下に降りる階段が続いている。リチャードさんは、そこを降りていく。

「ねぇ、どこに行くのかな?」
「さぁ?どこかに続いてるのは確かだろ」

地下の一番下に着いたのか、階段は終わった。
そして、何もない空間がぽつんとあるだけ…。いや、床に魔方陣ようなものが書かれている。これは…なんだろう?

「ここは、転送の間。その昔、まだ障壁がなかった頃に使われていた部屋です」
「何に使われていたんですか?」
「なんでも、中央州と交流が盛んだった頃に移動用として使われていた、テレポート用のものだそうです」

て事は…!これを使えば一瞬で中央州に移動出来るって事だな!でも…どうやって使うんだ?

「皆様、そこの魔方陣の上にお乗りください」

リチャードさんに言われるがまま、魔方陣の上に乗る。皆でギリギリって所だな。うまくいけばいいけど…。
すると、リチャードさんは何か呟く。

「万事の神よ。今我に力を与えたまえ。すべての地にいくことの出来る力、今、ここに見参せよ!」

すると、魔方陣は蒼白い光を放つ。そして、一瞬にしてソルト達は姿を消したのだった。リチャードは、一人こんなことを呟く。

「その昔、この地に厄災が舞い降りるとき、偉大なる神は我々に力を与え、すべての回避を我々に託した。…しかし、今回はそうもいかないかもしれません」

そして、地上に出るための階段を登る。

「あの方々に、幸運を──」

そう呟き、誰もいない地下の扉を閉め、鍵をかけた。

■筆者メッセージ
あー。今回は短い!
あ、これからですから!多分長くなる…かも!
星夜 ( 2015/04/18(土) 22:10 )