第五章、西州中部編
2話
〜1〜

お城の前は、ものすごいポケモンでごった返していた。
お祭りだからなのか、しらたまを見るのが目的なのか…。どちらにせよ、このままじゃ帝国を探すどころか、みんなと逸れかねない。

「みんな!のまれてないか!?」
「なんとか大丈うわっ!!」
「ソルト!サファイアがのまれかけてるよ!」

比較的小さなポケモンが多いせいで、ポケ混みにのまれそうになる。このままじゃ、いつか怪我するやつ出てくるって!

「サファイア大丈夫か!」
「ありがとうユーリ」
「もう!こんなんじゃ満足に進めないよ!」
「“テレポート”!」

一瞬目の前の景色が歪み、元に戻ったかと思ったら、全く別の場所にいた。近くにはお城がある。ってここは…。

「木の上じゃねぇか!!」
「うわぁぁぁあ!!ど、どうなったの!?」
「“テレポート”で移動したの。ここからでも十分見えるはずよ?」
「さっすがシャナねぇさん!冴えてる〜!」

“テレポート”か…。アメラ以来だなこの技を体験するのは。
ここならみんながはぐれることなく、ゆっくりと見ることができる。それにしても…腹が減ったなぁ。

「おなか好いた…」
「私、たこ焼きが食べたーい!」
「俺はケバブかな」
「僕、木の実&グミグリルが良いなぁ」
「あたし、わたあめが食べたい…」
「そうねぇ。私はじゃがバターが良いわね」
「私は…味噌おでんが良いな」
「じゃあ私、かき氷と、たこ焼きとお好み焼きに、焼きそば!」

みんながそれぞれで自分の食べたいものを言っていく。
にしても、ラピスどんだけ食うつもりだよ!あれ?そう言えば…シュトゥルムは何処に行ったんだ?

「シュトゥルムは…?」
「もしかしてはぐれちゃった!?」
「しゃあねぇな。探しに行くか!」
「お昼ご飯はどうするの?」
「それも同時進行で良いんじゃない?誰かが買ってきて、誰かがシュトゥルムを探す。それで良いと思うわよ?」
「で?誰が行く?」

みんなして俺の方を見る。な、なんだ?俺が行けって言ってるのか?それとも、俺が決めろって言ってるのか?

「な、なんだよ…」
「どうやって決めるの?リーダー?」
「あ、良かった…」
「え?何が?」
「いや、なんでも無い。じゃんけんで良いんじゃないか?じゃあ行くぞ?」
「「「「「「「「さーいしよはグー!じゃーんけんほっ!!」」」」」」」」

結果はいかに……?



〜2〜

「おじさん!たこ焼きみっつくれ!」
「はいよ!」
「えーっと、次は…ケバブか!」

あ、俺だよ。ソルトだよ。そうさ、負けたさ。しかも2回!自慢できることじゃないけど、勝負運が全く無いって分かったよ…。ちなみに、他に負けたのはユーリとヒカミ、そしてレイン。俺は、一緒に2回負けたレインと一緒に買い出し中って訳だ。

「おねぇさん!ケバブひとつ!!」
「はい!て言うか、大丈夫?」
「なんと…か!」

これで買い出ししゅーりょ!さっさと戻りたい!
ポケモンの流れを逆らって、一生懸命に戻ろうとする。て言うか、全然進まない!食べ物を持ってるから、手は使えないし!
だーっ!!もう無理!!強行手段だ!!

「“水鉄砲”!!!」

“水鉄砲”を地面に向かって放ち、シャナの居るところまで飛んでいく。
迷惑だけど、全然進まないんだって…!

「ほっと!お待たせ!」
「これでみんな揃ったわね」
「あれ?シュトゥルムはどうしたんだ?」
「それが…な…」
「僕はここで色んな記憶を残しておくから、僕は気にしないで楽しんでおいでって言ってた…」

また絵描きの仕事をしてるのか…。もしかして、あの女子の大群はシュトゥルムの絵に集まったやつら?

「さ、帰ろう。もうそろそろで始まる時間だ」
「そうだな。頼むよシャナ」
「任せて。“テレポート”!」

シャナの“テレポート”で、一気に木の上に戻って来た。木の上では、勝ち組がすっかりくつろいで待っていた。

「おっ帰り〜!!あれ?シュトゥルムは、帰ってこなかったんだ?」
「絵描きの仕事をしてるよ。さ、俺たちは見物でもしてますか」

みんなそれぞれで食べ物を食べながら、お城の方を見る。丁度、お城の上のバルコニーの所に、国王と思われる“エンペルト”が出てきて、その横に立っている騎士が持っているのは、しらたまだと思われる宝石だった。
そのしらたまを国王に渡し、国王はしらたまを天高く掲げる。そしてしらたまは、太陽の光りを浴びてキラキラと輝いていた。

「うわぁ。あれがしらたまかぁ…!すっごく綺麗!」
「……うん?」

バルコニーの近くの屋根の上に、黒い影が見える。
遠すぎて良くは見えなかったが、いかにも怪しい。しらたまを見てるみたいだ。

「あれ…なんだ?」

どうやら、ユーリとレインも気がついたみたいだ。
その黒い影は、しらたま一直線に向かって飛んでいった。どうやら飛行タイプみたいだ。
その影はしらたまをしっかりと掴み、飛んでいく。っておいおい!警備はピカ一じゃないのかよ!

「シャナ!!」
「分かってる!“サイコキネキス”!!」

シャナの“サイコキネキス”で、相手の動きを止めた。
そしてしらたまを奪い取り、相手を地面に叩きつける。

「“テレポート”!!」

“テレポート”で相手が落ちた場所に移動した。そこにはもうすでに、シュトゥルムが相手を気絶させていた。

「何したんだ?」
「BKCで仕止めたんだ…。かなりイライラしてたから、いいストレス発散になったよ」
「BKCってなんだ?」
「ブックコーナークラッシュの略だよ。あーっ、スッキリした!」

こいつ…中々恐ろしい奴だな。にしても…。こいつは確か…“ドンカラス”って種族だな。しかも、このバッチについてるこのシンボルは…。メラニウムス帝国のやつじゃないか!

「これって…帝国のシンボルだよね?もしかして、帝国のポケモン!?」
「まさかとは思ったが、本当に狙ってくるなんてな…。これを手にいれて、一体何の利益が?」
「さぁ?それは分からないが…しらたまを狙ってたのは確実だな」

またしても帝国が絡んでくるのか…。
さらなる危機は、もうすぐそばに迫っているところなんて、まだ誰も知らないことだった。

■筆者メッセージ
うわぁ!ブックコーナークラッシュが発動しました!
痛そうだなぁ。あ、私は使いませんよ?ストレス貯まってないんで…。
星夜 ( 2015/04/12(日) 22:07 )