1話
〜1〜
障壁に辿り着くと、確かに扉があった。東州にあるなら、中央州にもあるんだろうか?そうなら、ダイナマイトでドカン!は無かったのに…。
「おっきい扉。これどうやって開けるの?」
「…知らん!」
え!?知らんって!自信満々に言うと頃じゃないですよ!レインさん!!
レインも知らない扉の周りを、みんなで探し回る。もしかしたらスイッチか何かかあるかもしれない。早く行かないといけないのに!このままじゃ、追いつかれちまう!
「スイッチは…無さそうだね」
「じゃあ自分達で開けろってか?そんなの、俺達が束になったって敵わねぇよ」
そうだな。また、ドカン!とやれたら良いのに…。
と考えてると、扉がギィィィィと言う音を立てて、開き始めた。な、なんだ!?
「な、なになになに!?」
「良かったぁ。やはりこれがスイッチだったんだね」
「シュトゥルムさん!いきなりびっくりするじゃないですか!」
「いやー。ごめんね。押すかどうか迷ってて、もういいや!って思って押しちゃった!」
なるほど、スイッチを押したのはシュトゥルムだったのか…。
取りあえず、これで西州に繋がった!さぁ、行くぞ!
扉の向こうはさらに森に繋がっていた。この西州に関しては俺は全く知らない。何があるか、気を付けていかないと…。
「…あれ?ソルト!ちょっと待って!」
サファイアに呼び止められて、後ろを振り返るとサファイアの顔が慌てた顔をしていた。どうかしたのか?
「どうした?」
「ラピスがいない!!」
「な、何だって〜!!!!」
突如として消えたラピスを深い森の中で、探すことにした。
何だっていきなり消えたんだよ…ラピス!
〜2〜
その頃ラピスは、木と木の間を飛んでいた。と、言っても誰かに捕まって身動きが取れない状況で…。そのポケモンがラピスを抱え飛んでいる。
「むー!!む!む!むー!」
口も塞がれ、まともに話すことも出来ない。
なんで私が、捕まらないといけないの!?西州の門を潜っただけで、いきなりちょいきつめのグルグル巻きって…。
そのポケモンは森の中を駆け回り、あるひとつの廃墟についた。廃墟の中は、誰かがつい最近まで使った後が残っている。もしかしたら今も使っているのかもしれない。奥まで行くと、3匹のポケモンがイスに座って待っていた。
「連れてきましたぜリーダー」
「おう。よくやったな、口元をほどいてやれ」
リーダーと呼ばれた、ポケモンは“クリムガン”と言うポケモンだった。
まわりには、“チャーレム”、“ギガイドス”、“ヘルガー”と言うポケモンがいる。ラピスをつれて来たのは、“マニューラ”と言うポケモンだ。“マニューラ”が、口元の布をほどく。
「で、ねぇちゃん。ちょいと聞きたい事があるんだが…良いかい?」
「聞きたい…こと?」
「そう、ソルト・カーテリアス…って言う奴がねぇちゃんの仲間にいると思うんだが…。そいつの過去についてだ。昔、東州と中央州の障壁のところにあった小さな村があったんだが…。そこの生き残りって言うのは本当か?」
「そんな事聞いてどうするの?」
「ちょっとした用事さ。なに、質問に答えてくれたら帰してやるよ」
…ソルトの過去について聞きたい…か。でも、それは私が言って良い事じゃないよね。ソルトが傷付くのは嫌だ。なら、私が話さなければいい!
「いやよ。ぜーーーったい!話さないから!」
「なんだと!」
「こら、ベイル!そんなに怒るな!そう言えば、まだ自己紹介がまだだったな。俺はリーダーのハベル。そこの“ヘルガー”がベイル。“チャーレム”のレムラ。“ギガイドス”のドレン。“マニューラ”のカナラだ。ねぇちゃん、名前は?」
「…ラピス。ラピス・ライレット」
「ラピスちゃんな。しばらくの間よろしくな」
私はよろしくしたくないです…。隙を見て早く逃げ出さないと、ソルト達に迷惑をかけれない!もう…なんでこうなっちゃったんだろう…!
ラピスは、捕まってしまい。身動きが取れない状況の中、不安の顔を隠しきれなかった。