第三章、東州中部編
3話
〜1〜

俺とユーリは、バトル祭りに参加するために祭りの会場に来ていた。周りにいるポケモン達は、かなりの手練れに見える。バトル慣れしているのだろう。

「エントリーの受付はこちらになります」

3匹の“ラッキー”が、エントリーの受付をしているようだった。
そう言えば、俺、生まれて初めてのバトル…?

「どうした?顔が強ばってるぞ?」
「俺、生まれて初めてのバトルだってこと忘れてた…」
「大丈夫だって。別に鍛えてない訳じゃねぇんだろ?」
「そ、それは…そうだけどさ」

なら大丈夫!と言ってユーリはエントリーしに行ってしまった。
一体どこにそんな根拠が!?きっとバトル初心者なの、この祭りで俺だけだよ! 先が思いやられる。

「ソールト!」
「ラピス、サファイア…」
「どうしたの?なんか元気無いみたいだけど」

サファイアは、俺の顔色が良くない所を心配しているのだろう。それに比べてラピスは、屋台にでている料理を手にいっぱい持って、食べる事に必死になっていた。

「もしかしたら、これが最後になるかもしれないって…思って」
「いや、それは大袈裟なんじゃない?」
「そうでも無いぜ?」

その話を聞いていたのか、“アーボック”が話しかけてきた。

「この祭りでゲガが無かったことなんて無いさ。へたすりゃあ、死ぬ奴もでてくるような祭りだ。もし、エントリーしたいなんて考えてんなら、やめておいた方が身のためだぜ?」

そう言い残して、どこかに行ってしまった。
どうしよう…マジで死ぬかも。
そう思っているのもつかの間、ユーリがエントリーから帰ってきた。

「よ!お前らも来てたのか。あ、ソルトのエントリーもしておいたからな?」
「お、お前!俺を殺す気か!!」
「あ?もしかして、死ぬだとかそう言うの吹っ掛けられたな?」

ユーリは、この祭りに何回も参加したことがあるのかもしれない。バトルなれしてるような顔してるし、何よりも楽しみにしていたみたいだ。

「俺もこの祭りで初めてバトルしたんだ。その時も、死ぬだのなんだのって吹っ掛けられたんだが。大丈夫だ。ゲガをするやつはいても、この祭りで死んだやつはいねぇよ。それに、ここのルールは死ぬようなやつじゃねぇしな」
「本当…だよな?」
「本当だって!それに、やってみれば結構楽しいぞ?」

いずれは、帝国とのバトルをするようになる。しかも、その時は殺し合いだ。今のうちになれておいた方が良いのかもしれないな。

「そうだな。何事も挑戦って事か」
「そう言うことだ!ほら!もうすぐ予選が始まるぞ!」
「いってらっしゃい!応援してるよ!」

ラピスがそう言っているのを聞きながら、会場に急いだ。
大きな石で出来たステージの上には、様々なポケモン達が集まっている。
さぁ、祭りの始まりだ!



〜2〜

「バイダン名物バトル祭り!司会進行はこの俺!ハムライバッチだ!さぁ、今年も力自慢のポケモン達が集まるこの祭りで、一体どんなバトルが待っているのか!そーしてそして!今年の優勝商品はこれ!1.000.000ポケと、あの伝説の宝石!ラピスラズリとオパールだぁ!!!!」

ハムライバッチって…すっげぇ名前。しかも、テンション高!そんなに声だしてたら枯れるって。
司会進行のハムライバッチは、“ぺラップ”と言う鳥ポケモン。ものすごいテンションとその進行の面白さから、毎年この祭りのベテラン司会者となっている。

「さぁーて、先ずは予選会!初めての奴もいるかもしれないから、説明をするぜ!?ルールは簡単!この石のステージから相手を落とすだけ!勝ち残れるのはたったの4名だぁ!」

たったの4名!?絶対残れないって!すぐ終わったら、ユーリの応援でもしようかな。
もはやネガティブな考えのソルト。そこにラピスの応援の声が聞こえてくる。

「ソルト!ユーリ!頑張れー!!絶対勝てるよー!!」

絶対って、どこにそんな自信が?まぁでも、応援してもらってて負けるわけにはいかねぇよな!

「それでは!予選スタート!!!!」

カーン!と言う鐘の音と共に、いっせいにバトルが始まった。って!動かないと巻き込まれる!

「どーけ退け退け!!!力の無い奴はすっこんでろ!」

“ゴローニャ”がこっちに向かって転がってくる。うわ!いきなりピンチじゃねぇか!!

「“水鉄砲”!」

“水鉄砲”で、上の方に飛んでいく。って言うか飛びすぎた!下には、あの“ゴローニャ”が待ち構えている。

「“シェルブレード”!!」

“シェルブレード”で、一気に場外に叩き出す。
初めてポケモンと戦ったけれど、修行をやっておいて良かった…。って言うかユーリは?

「“アイアンテール”!」

流石戦いなれているだけのことはある。どんどんポケモンをステージに叩き落としている。
他にも、マントをつけていて顔は見えないが、炎タイプのポケモンがなぎ倒していく。あの“アーボック”も残っているみたいだ。
あれ?そう言えば、もう俺をいれてこの4匹しかステージに残ってないような…?

「おーっと!今年は早くも4匹になってしまったぁ!!これにて、予選会終了!残っているのは…。去年のチャンピオン!“アーボック”のサーペン・アレイン!去年の準優勝!この年も優勝を狙っているのか!?“ピカチュウ”のユーリ・スティス!そしてそして!残りの2匹は今回が初挑戦!“リザード”のハレス・エスペント!“ミジュマル”のソルト・カーテリアス!今回は、なかなかハイバトルが期待出来そうだ!」

え!?ユーリって、去年の準優勝!?優勝候補が2匹に、明らかに俺との力の差があるのが1匹。
て言うか、俺…ほとんど何もしないでここにいるようなもんだぜ!?
さっそくとんでもな事になってしまった。この祭りの行方はいかに…?

■筆者メッセージ
バトルって言うか技を2回書いただけ。
ほ、本当はもっと書きたかったんですけど、バトルは次にします。
次は準決勝。強敵ばかりの中で、ソルトに勝ち目はある?
星夜 ( 2015/04/06(月) 11:46 )