第二章、東州西部編
6話
〜1〜

あっという間に夕日は沈んでしまい、すっかり夜にやってしまった。
このまま行くと、今晩は晩ごはんが抜きなりそうだ。こうなるんだったら、昨日の晩ごはんをもっと味わって食べればよかった。

「あー!お腹すいたー!!」
「…お前さ、少し黙れ」

大食いのラピスがうるさくなってきた。ラピスの愚痴を聞くよりも、残飯を食べる方がまだましだ。

「もームリ!こうなったら!楽しい会話でもして気をまぎらわせよう!はい!なんかお題ないの!?」
「今日の残飯は何かなー?」
「ご飯の話はしないでよ!!」

イライラが溜まってるな。どこかに放出できるような物は…っと。
うん?なんだこれ?

「あ、特性ダイナマイトだった」
「な!なんつーもんもってんだよ!!!爆発したどうすんだ!」

爆発…。爆発!そうだ!これだ!

「ラピス!ダイナマイトに火をつけろ!爆発させるぞ!」
「え?そんなことしてどうするの?」
「お前アホか。まさかこのまま大人しく強制返還なんかさせられてたまるかよ!大脱走だ!」
「うん!ライト君も行くよ!」

はぁ!?と言うライトをよそうに、ラピスがダイナマイトに火を付けた。そこに、休憩を終えた軍人が帰ってきた。

「き、貴様ら!何をしている!」

この特性ダイナマイトの特徴は、煙が大量に出てくる。そこはどうしてなのか分からないが、ラピスいわく、「パパのダイナマイトは、動線もお手製だから、早く火を伝えるために改良してたら、煙が大量に出てくるようになっちゃったんだって」
と、言うことだ。

「軍人さん助けてー!火事だよ火事!!!」
「ちょっと待ってろ、今すぐ開けるからな」

見張り番が鍵を開けて扉が開く瞬間に、お腹のホタチで見張り番の頭を思いっきり殴る。ちょっと可哀想な気がするが、仕方がない。

「よし!“水鉄砲”で火を消して…と」
「フッフッフッ!これこそ作戦D!『DAMASIUCHI』うまくいってよかった」
「て言うか、さっさと出た方が良くないか?」
「いいや。あの逝かれたやつをギャフンと言わせないと気がすまない。俺に作戦がある。やってみないか?」

これがうまくいけば、しばらくはなんとかなるだろう。結果的に、少将さんから聞き出せた情報は無いし。そうと決まればいくぞ!



〜2〜

カルスは仕事をやり終えて、優雅なディナーも楽しみ、今はエステの時間だった。
疲れた身体をエステで癒すために、リラックス効果のあるアロマを使い。顔にパックをした状態で、眠っていた。
完璧に熟睡しているのか、ピクリとも動かなかった。
ズン!と少し建物が揺れる感じがした。しかも、それが一度だけじゃない、何度も繰り返してくる。

「うん?なに?地震でもあった?」
「いえ、そのような事は報告されてませんが」

軍人がそう言った瞬間に、身体が浮くぐらいの大きな揺れが襲いかかってきた。
カルスはベッドから落ちてしまい。顔を強打する。

「エステール将軍閣下!」
「おい!どうなんってんだ!状況を報告しろ!」
「そ、それが…建物内で爆発が次々と起こっています!このままでは、建物が崩壊する恐れが!」
「ちっ!全軍に命令する!建物から早く避難する!準備しろ!」
「はっ!」

カルスは、窓を開けてばっ!と飛び出した。
建物内にいた軍人すべてが避難してきた時に、大きな別荘は完全に崩壊してしまった。
すると、上の方からヒラヒラと一枚の紙が、カルスの頭の上に落ちてくる。そこには、「食い物の恨みは、かなり怖いことを覚えておいた方が身のためですよ?by右目の下に傷のある“ミジュマル”」と書いてあった。

「ーーーーっ!!!!」

一枚食わされた。と、言ったところだ。これ以上に、カルスの怒りを沸き上がらせるものはなかった。

「僕を怒らせたこと、後悔させてあげるよ。取っ捕まえて、考えられるだけの苦痛を与えてやる!」

紙をグシャリと握りつぶして、瓦礫の山になってしまった別荘を見つめる。その目には、確実に火が灯っていた。

■筆者メッセージ
やっと、西部編が終わりました。次は中央部編です。
食べ物の恨みは怖い。その通りです、昔、母の残していたプリンを食べてしまい。その日の夕食は、私の嫌いなものばっかりになってしまった…と言う記憶があります。もう二度としまいと心に誓っていることです。
星夜 ( 2015/04/04(土) 17:01 )