番外編!みんな入れ代わり!?チェンジリンクの薬にはご注意を!
〜1〜
「じゃっじゃじゃーーん!!」
このお話は、バトル大会が終わった後、ある町に寄った時のお話。
ラピスは良い効果音と共に、机の上にある物を置いた。
「……なんだ?これ」
「良く分かんないんだけど、叔父さんが売ってたから買っちゃったんだよね〜」
「そんな良く分からないものを買うんじゃない!金の無駄だろうが!」
プゥとラピスが頬を膨らますが、お前が怒っても俺には何の効果もないぞ?
サファイアが、小さな小瓶に入ったピンク色の液体を見る。
「これ…何かの薬かな?上の部分がスプレーになってるってことは…香水だよね?」
「良く分からない薬以上に怖い物なんて、腐った食べ物ぐらいさ。使わない方が利口だな」
ユーリのその一言は、確かにと思った。腐った食べ物はそこにあるだけで怖ろしい。
「じゃあ、これどうしよう…」
「レインなら何か知ってるかもな。これが何か判明したら、どう処理するかも考えよう」
「あーあ。綺麗な色だったから買ってみたんだけど…ムダだったなぁ」
小瓶を見ていると、ツルッと手から逃げ出して床に落ちた。しかも落ちたところがスプレーのスイッチ部分。ピンク色の香水のような物が俺とユーリ、サファイアにかかる。
「なっ!何があった!?」
あ、部屋に戻ってきたレインも巻き込んで。
ピンク色の煙が、ラピス以外のメンバーを取り巻いた。て言うか苦しい!!
「ゲホッ!ゲホッ!なんだこれ!」
「皆、大丈夫か!?」
「な、なんとかー!!」
煙が晴れた後に、皆自分の状況を確認した。俺は…黄色い手。長い耳。ギザギザの尻尾。何よりも、頭の所にピン!と跳ねたくせ毛…。ってこれ!ユーリの特徴じゃねぇか!
「ソルト!大丈夫!?」
「いや、私はレインなんだが…」
目の前には、右目の下に傷があるミジュマル。どこからどう見ても俺だ。
「ソルトは俺だぞ?」
「え?じゃあ…サファイア?」
「いや、俺ユーリ」
「てことは…レインの姿してるけど…もしかしてサファイア?」
「うん!オイラサファイア!」
「え!?」
「ごめん。ちょっと言ってみたくなっちゃって…」
サファイアのちょっとしたお茶目な一面を見て…と。それよりも、もしかして…俺たち…!
「みんな…入れ代わっちゃったの!?」
「うわぁぁぁぁ!!!」
「もしかして、さっきの煙はこの香水から出たものか?」
自分…元言いレインが、香水の入った小瓶を手に取る。
「うん。そうなんだけど…私が間違えて落としちゃって…」
「なるほど…。これは、チェンジリンクの薬だ」
「チェンジリンクの薬…?」
「まぁ、簡単に言うならば、入れ換わりの薬だ。今はもう厳しく制限されているのだがな…」
「どうすれば元に戻れるんだ?」
「それが…。私にも良く分からなくてな…」
え?て言うことは…。一生このままってことかよ!それは俺的に困るんだけどな…。
タイプも違うし、技とかも出しにくくなってる。そんなときに、暗殺なんてきたらみんなおじゃんだ。
「それじゃあ。そのお店に行って見ようよ。何か分かるかも知れないよ?」
「そうだな…。ラピス。そのお店に案内してくれるか?」
「うん!任せて!」
ラピスは直ぐに飛び出して、町の中を突っ走る。
今の俺の体はユーリの体だから…走りにくいし…。ちょっと待った!それぞれ慣れない身体で苦労しながら走った。
〜2〜
「ここだよ!」
ラピスの案内で、とある屋台についた。
不思議な薬とかを売っているお店だった。ここの屋台の主人は“ジュペッタ”と言うゴーストタイプのポケモン。なーんか。胡散臭い臭いがする。
「あの…。ここで買ったこの薬なんですけど」
「はい?それが何か?」
「このチェンジリンクの薬。何か解除するための薬とかありませんか?」
「えぇ。ありますよ。こちらになります」
ジュペッタは小瓶に入った青色薬を出してきた。
本当にこれ大丈夫なのか?なんか…変な感じがするって言うか…。
「これは…?」
「すべての薬の効果を無効かにする薬です。これがあれば一発ですよ?」
「なら、これにしたら良いんじゃないかな?」
「そうだな…。ちなみに、これはいくら?」
「10.000ポケになります」
た、高!?薬1個にそんな大金をかけてられるわけがない!
「10.000ポケって…。ちょっと高くないですか?」
「仕方が無いですね。この薬は貴重で珍しい薬ですから…」
「なら…仕方ないよな。じゃあ「ちょっと待った!!」え?」
そこに、“サンドパン”がやって来た。
な、なんか…ものすごい剣幕で“ジュペッタ”を睨み付けてるけど…?
「騙されちゃいけねぇよ!そいつはちまたを騒がせてるぺてん師だ!」
「クソッ!逃げるが勝ち!」
そう言って、“ジュペッタ”は俺たちをはね除けて逃げ出した。なんだか良く分からないが、捕まえた方がいいよな!
「“冷凍ビーム”って、今使えないんだった!」
「私に任せて!“火炎放射”!!」
「アッチィ!!」
ラピスの“火炎放射”で、“ジュペッタ”が転んだ。今だ!!
「確保!!」
俺の合図で、ラピス以外のメンバーが“ジュペッタ”のからだの上に乗る。その時に、全員の体が光った。まばゆい光が全員の体を包む。眩しすぎて目を開けてられない。
「うわぁ!!」
光は直ぐに収まり、次に目にしたのは、自分の青色体だった。
て言うことは…?
「元に戻った!!!」
「やったーーー!!!」
そのあと、“ジュペッタ”は“サンドパン”に預けて、自分達は宿に戻った。もう二度とこんなことにならないようにラピスにきつく言といたし、これで当分なんとかなるだろう。
「あ!」
チェンジリンクの入った薬は、またしてもラピスの手から逃げ出す。
「「「「もう入れ換わりはこりごりだーー!!!」」」」
終わり!