番外編!シーザとエレスの休憩時間
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今の時間はお昼過ぎぐらい。エレスは、あの草原で休憩をしていた。仕事を終えて、ちょっとした息抜きだ。
そこに、シーザがやってくる。
「よ!なんだエレス、サボりか?」
「私は貴様みたいに、仕事はサボらない気質でな。今は、仕事終わりだ」
「なんだよそれ。まるで俺が仕事をしてないみたいに言うなよ」
「何を言ってる。今も、サボりだろ?」
シーザが顔を反らす。と、言うことは図星のようだ。それをエレスは微笑ましく眺めていた。
「そう言えば…。エレスは軍にいるんだよな?階級は高い方なのか?」
「大将だ」
「大将って!上から2番目ぐらいの位置じゃないか!結構上なんだな」
「そうでもない。ただ、仕事をしていたら今の位置にいた…それだけだ」
「ふぅん。ま、俺には遠い話だな」
シーザはそう言って、草むらにゴロンと寝転がる。
エレスは、ずっと気になっていた事を、シーザにぶつけてみることにした。
「シーザ。なぜ軍に入らなかった?貴様の力ほどあれば、将クラスはあっという間だろ」
「そう…なのか?でも、俺はそう言う縦社会が苦手でね。堅苦しいのは性に合わないのさ」
言われてみれば、シーザの性格を考えると、軍でやっていけるようなそんな感じには見えない。実力は確かなのにな…。
「お前こそ。伝説のポケモンなのになんだって軍に入ったんだ?」
「私は…。伝説のポケモンだからと言って、特別扱いされるのが嫌でな。縦社会なら、そう言うのは関係が無くなるからだ」
「俺は特別扱いなんてしてないからな」
「だから、貴様みたいな奴は初めてだった」
だろうな。と言いながらシーザは笑う。
エレスも苦笑いだったが、少しだけ笑った。
「ま、俺は伝説のポケモンが知り合いにいて鼻が高いぞ?」
「それなら何よりだ。私も…」
「?なんだ?」
「私も、貴様のような知り合いがいて、毎日が楽しい」
「ははっ!それは何よりだ!」
いつもと変わらない毎日。その毎日が、壊されるなんて、今の2匹が考える由もない。
真っ青な空が、喜びと悲しみを包んで流れていく。