番外編!ユーリとサファイア!奇跡の出会い!
〜1〜
あれは…そうだな。俺が帝国を抜けて4年だったから…ソルトたちと会う2年前だな。
俺は、何時ものように川で洗濯をしてたんだ。あ、昔話のお婆さんじゃ無いぞ?と、とにかく!洗濯をしていたら、川から“マリル”が流れてきたんだよ。
「うわ!!水死体かよ!?」
し、死んでるのか?もし死んでないなら早く助けねぇと!!
「おい!大丈夫か!?息は…してるな。とりあえず家に連れて帰るか!」
川から流れてきた“マリル”を拾って、身体を吹いてから洗濯物と一緒に抱き抱えながら家に帰った。
ビックリだわ…!いきなり流れてきたら水死体だと思うだろ!?とりあえず…スープでも作っておくか。身体が冷えきってたし、温かいもので身体を温めさせよう。
ユーリは、自分の特製スープを作り出す。ユーリのスープはこだわりで、スパイスをよく使う。
「よし…こんなもんかな」
「う……ん」
ちょうど完成したところで、あの“マリル”が目を覚ました。
良かった。かなり早く目を覚ましてくれて…。このまま死ぬんじゃないかって心配だったからな。
「起きたか?どうだ?気分とか…悪くないか?」
「大丈夫…です。あの…ここは?」
「俺の家だよ。お前、川から流れてきたんだ。俺はユーリ。お前、名前は?」
「サファイアです」
「サファイアな。ほら、身体冷えきってるだろ?スープ飲め」
サファイアにスープを差し出して、椅子に座った。サファイアは、スープをひとくち飲むと、表情がぱぁと変わった。
「美味しい…!」
「だろ?で、お前…何で川を流れてたんだ?」
「それが…全く覚えてなくて」
「それって!まさか…記憶喪失…か?」
「多分…そうだと思います。自分の名前以外の事は…思い出せないんで」
記憶喪失の子供か…。ほっぽく訳にはいかねぇよな…。よし!決めた!
「なぁサファイア。行くとこねぇんなら、しばらく俺と一緒に暮らさないか?」
「え!?い、いや。そんなの迷惑じゃ!」
「良いんだよ。1匹で寂しく生きるより、2匹でワイワイやった方が楽しいだろ?」
サファイアは少し迷っていたが、すぐに承諾した。
ちなみに、これが俺とサファイアの出会い。サファイアはそれからしばらくして、かなりこの生活に馴染んだ。
俺とはもう家族の1匹って事。もちろん、俺はサファイアの事を大切な家族だと今も思っている。