1話
〜1〜
………ここは?……どこ?
……僕は…誰?
僕は…僕の…名前は…?
周りは完全な闇。何もない。何も聞こえない。
僕は…確か…ゲーム…をしてて。…それで…寝て…?…ダメだ。よく覚えてない。
ものすごい眠気に襲われて、僕は目を閉じる。次に襲ってきたのは、ものすごい寒気だった。
…え?は…っ?さ、寒…い?
「寒っ!!!」
目を開けると、真っ暗だった闇から、いきなり一面真っ白な雪景色に変わった。自分の1メートル先にも見えない。ものすごい吹雪だ。
「ダメ…だ。僕は……まだ」
僕が意識を失う前に、自分の手に何かキランと光るものが見えた。
あれは…
「赤い…宝石…?」
そこで僕は意識を離した。雪が僕の体を包み込むように被さってくる。そこに、1つの黒い影が現れた。
「……コイツ…へぇ。そうか…コイツが」
黒い影はそう呟くと、意識を離した僕を拾って、どこかへ歩き出した。
───すべてはここから始まる。
───長い道を、僕は歩くんだ。運命で繋がった仲間と共に。