海鳴りのビードロ
 数年後。カイナシティの海は今日も温和だ。だが、そんなカイナシティにも1つの謎があった。キバニアやホエルコたちが見かけたのだが、一匹のキングラーが、週に一度、海の遠くを眺めてビードロを吹くのだ。不思議に思い、訳を聞いても話してはくれなかった。「キングラーなら吹くのはビードロではなく泡じゃないか」なんて、すこしからかってやったりしたが、結局うまく流されてしまった。一通り吹き終わったビードロを、キングラーは波に乗せて海に送った。



















……
…………
………………
………………………
……………………………
…………………………………
………………………………………
………海の向こう、奥深くで、ぽっぴん、と、小さく音が鳴った。

■筆者メッセージ
累計文字数:3946字
フィーゴン ( 2016/07/27(水) 18:52 )