疾風戦記















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一章-この大きな世界のちっぽけなところで-
三話 街の中へ
 初フライトは大変だった。変な所の筋肉を使うし、何より全身に力を適度に入れないとすぐに落ちてしまう。一番大変だったのが、天使さんに『くれぐれも私のことは誰にも話さないでください。』とかいろいろと話しかけられたせいで全然集中できなかったことだ。今思えば、どういうことだろう。
 しかし、息切れはしなかった。街の入り口付近で着陸したが、特に疲れは感じない。むしろ人間の頃より力がある。たぶんフライゴンは攻撃力が強いポケモンだからだろう。

 街の入り口まで来た。目の前にはアーチがある。

『これをくぐったらトレジャータウンです』

 アーチの奥からはにぎやかな声が聞こえる。ポケモンの世界も案外悪くなさそうだ。メスであることを除けば、そう思った。


〜〜


『ずいぶんにぎわってますね』
(うん。そうだね)

 僕は商店街らしきところにいた。屋台を道沿いにおいただけの簡素なものだ。ポケモンがしゃべっていることに多少の違和感はあるが、気にするほどでもない。

『あ、ちょっとすみません』

 天使さんの言葉が急に聞こえなくなる。誰かに呼び出されたようなかんじだ。どうしたのかな。できれば用事でどっかいくとかはやめてほしい。
 数秒後、天使さんはまた話し始めた。

『私、少し用ができてしまいました。しばらくその辺ブラブラしていてください。では』
(え!?ちょっ…。天使さん!?)

 呼んでも返答はない。早口だったし急ぎの用だろう。だよね!こうなるって分かってた!

「……はあ…」

 仕方ないので、適当に歩いていることにした。


〜〜


 奥へ行くごとにポケモンの数も増えていく。たぶん休日か何かなんだろう。
 そして、歩いている中で発見がひとつ。ポケモン一匹を凝視すると、そのポケモンの頭上にステータスやレベルらしきものがみえるのだ。これは、ポケモンの“つよさ”を表す数値だ。今のところ使い道はないが、便利な機能だろう。ポケモンにこんな力があったとは…。もしかしたら、ある程度の知識を持たせればポケモンが自分で戦った方がトレーナーが指示するより強いのかもしれない。
 ポケモンの数もかなり増えた。時々お店の人に「買ってかない?」なんて声をかけられたりしたが、無一文なので丁重に断った。
 店には一軒一軒、それぞれの看板が掲げられている。くさび型文字みたいで読めやしないが、店においてあるもので大体何の店かは分かる。
 薬、木の実、服…というかアクセサリーかな?銀行みたいなものもあるし、床屋っぽいのもある。すごく意外だか、パソコンとか電子機器を置いてあるところも見つけた。ここだけ近代的で妙に浮いている。

「はい!まいどあり!」
「ありがとっ!いこっ!ルー兄ちゃん!」
「うん!」

 ふと立ち止まる。目についたのは、カクレオンのお店でオレンの実を買ったマリルとルリリの兄弟だ。和やかでいかにも“平和”を感じる。僕は一人っ子だったので、あーいうのは少しうらやましい。でも、あーいうのって、ゲームではだいたい犯罪に巻き込まれるんだよな〜。なんて、不謹慎極まりないことを考えていた。
 また歩き出そうとした、その時だった。

■筆者メッセージ
こんにちは。夜の方はこんばんは。朝の方はおはようございます。
また話がぶっ飛んだ挙げ句、前回よりやや短めになりました。反省してます。
これから更新ペースはさらに落ちるかと思います。が、なんとか時間見つけて頑張ります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
フィーゴン ( 2015/09/09(水) 23:39 )