疾風戦記















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四章 -夢幻は儚く-
四十七話 trick
===前回のあらすじ===
 バトルスタジアムで、経験を積んで強くなるために誰かと戦いたい僕。そう思っていたら、フィールドの中央に推理力抜群のリグレー、アイが突如姿を現す。リグレーだし簡単に倒せるだろうと思ったけど……。


 相手はエスパータイプ。“自信あり”の言葉を信じれば、『サイコキネシス』は考慮すべき。他は……思い当たらない。まぁ、細かい話は後だ。先にステータスを採らせてもらう。眼に力を入れて五秒間。
………レベルは相当。ステータス配分も上々。特殊攻撃の高さと素早さの低さが顕著。攻撃を受けてカウンターで返すタイプか。なら、機動力の差で押し勝とう。方針は定まった。後は実行に移すのみ…………。

「どうしたの、君から来ないならこっちから行くよ」

 アイが、手の三色の指を点滅させながら、前方へ向ける。七色の、奇妙な光線を発射。『シグナルビーム』、虫タイプの技だったはずだ。右へ回避行動。初手を取られるとは想定外。技を打った後の隙を狙われるから、こちらから攻撃しない限りできないはず………。なのに、好戦的。焦って……はいないはずだし、明らかに不自然さがある。だが、好都合。攻撃の隙を見、片足で態勢を整え、大きく羽ばたき低空飛行。急接近からの『ドラゴンクロー』で決めに行く。
前傾、標的に爪を立て…………………………………………。


………られなかった。アイが、急に視界から消えた。『ドラゴンクロー』が空を切る。

(……まさか……!)

 『テレポート』という技が頭に浮かんだ。

「……遅いよ」

 姿さえ確認できなかった。後方へ急に体が吹き飛び、全身を壁にぶつける。威力も相当。
 瞬間移動。ないと思われていた機動力が、アイにはあった。“技”を機能させる術を持っている。僕よりは格上なのだろう。読み違えたが、情報は得た。ダメージは大きすぎたが、その分、割り出せる方策も大きいと信じるしかない。


〜〜


「……カロト、どう思う」
「……非常にまずいと思う」
「ああ、だよな。何しろ………」
「……どこで気づくと、フィレンは思う?」
「分からねぇ。あいつ自身、バトルには慣れていないし、ひょっとしたらこのまま………ってのもあるな」
「……かもね」


(頼むぞ……サン、お前が戦うのはそれじゃない………)


〜〜


 相手は『テレポート』を利用した遠隔攻撃を繰り返す。残りの技が分からない点が厳しいところだ。遠隔攻撃なら、回避がしやすい。しかし、機動力で負けている時点で、接近からの近接攻撃を仕掛けるのは困難だ。なら、遠隔からの攻撃手段を模索するしかない。
『シグナルビーム』は左に回避。その隙に技の発動をかける。

「『地震』!」

 手を地に。地面の亀裂がアイへ向かう。『テレポート』で回避に出た。移動先は当然空中、と予測。

「『岩雪崩』!」

 勘では当てられない。なるべく全方位。息が荒くても耳と感覚を頼りに…………………………左後方に手応え。大きく回り込んで『ドラゴンクロー』。外れても牽制手になる。相手にペースを譲らない。『ドラゴンクロー』が空気を切り裂いたことから『テレポート』を感知。だとしたら今度は地上。降り立つと、正面に姿を確認。『岩雪崩』の直撃は免れなかったことが、体の傷から推察できる。

「今の、効いたよ。少しね」
「なら良かった」
「でも、アタシはこれだけじゃなくってね………」

 アイは意識を集中させ始めた。ちょうど、少し前にティルが瞑想していたように。だが、目的は相当違う。身体中の傷という傷が、何もなかったように消えていく。

(……ゼロからか……)

 『自己再生』。回復能力は伊達じゃない。だが、攻めの筋を手に入れている。再び、『地震』。『テレポート』で逃げたところを『岩雪崩』で堕としに………。



「二度も効くと思った?」


 アイが片手を一振り。い、岩が………消滅していった。信じられない。そんな力もあったとは………。
………待てよ?回復可能、遠距離攻撃は無効化、接近不可能。

(チートじゃねーか!)
『あれ、今気づいたんですか?』

 『爆音波』だけでは戦える気がしない。ようやく、目の前のポケモンが“バトルに自信あり”な理由が見えてきた。だめだ、勝てねぇや、これは。降参すべきだろうか。




 ………いや、逃げ出すのは何か嫌だ。だから少しは足掻きたい。けども、何ができる?僕には………。





「………あ、あった」

 簡単なアイデアだった。ゲームでありがちな。

■筆者メッセージ
ども、じゃないですね。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
これを書き上げ、打ち込んだのが今週の月曜です。今週の日曜に投稿しようと考えていたら水曜にっなていました。こんなつもりはなかったのです。24日は自分でも用があったので(厳密には午前中のみ)、先週の土曜のうちに書き上げようとして挫折。そして、結局こうなりました。1800字と短いです。サボった自分の生活習慣を反省です。夏休みって、寝るためにあると思うんです。仕方ないですよね。
とりあえず、お詫びとして書き溜めを十話くらい作り、更新速度も早めてみせます。春休みも同じことを言っていた気がしますが。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
フィーゴン ( 2016/07/27(水) 01:39 )