第一部 世界征服を目指す物語
第六章 それぞれの日常 Part2

第六章Part2



次はスタミナ特訓だ。
市民プールで風子さんは只管泳ぐ。
市民プールでは若干人の目もあり、アスリートばりに気合を入れている風子さんは奇異の目で見られていた。
とはいえ、風子さんの泳ぐスピードははっきり言って遅い。
なにせジバコイルという磁場の塊のようなポケモン娘なのだ。
漏電しないよう電力をセーブし、かつ体力を奪い、風子さんのスタミナを上げるには、これはもってこいだった。

余計な放電をせず、かつ酸素を奪い、風子さんは極限状態に陥る。
間違えて漏電してしまえば、周囲の無関係な人々を巻き込んで感電させてしまう。
一日十善を心掛ける風子さんは、失態など犯せないのだ。

風子
 「はぁ! はぁ!?」

当夜
 「そこまで! 風子さん!?」

風子さんはみっちり1時間、身体を酷使した。
顔は青くなっており、酸素欠乏症に陥っている。
僕は急いでプール岸から、風子さんに手を伸ばした。

当夜
 (っ!? 重い……!)

風子さんの重量は全備重量200キログラムを超える。
水中で幾分浮力は働いているとはいえ、風子さんの重さは僕には厳しいものだった。

風子
 「はぁ、はぁ……あ!?」

風子さんはプールから上がろうとした時、足を踏み外してしまう!
僕は顔を青くした、風子さんが水底に吸い込まれてしまう。

バッシャァン!

直後、何か黒い影が飛び込んだ。

当夜
 「え!?」

プールの底を魚のような速さで泳ぐ鳥のような影。
それは風子さんを抱きかかえると、水面から顔を出した。

風子
 「ぷは!? はぁ、はぁ……! あ、貴方は?」

それは僕の知る顔だった。
浅黒い裸で、スポーツブラのような水着の女性は水を弾く銀色の羽根の腕を持っていた。

モアナ
 「ダイジョブですかー!? 直ぐに手当が必要デース!」

当夜
 「モアナさん!?」

それはデスリーで清掃員のバイトをしているルギアのモアナさんだった。
流石は潜水ポケモンか、プールもへっちゃらで、重たい風子さんを軽々と持ち上げた。

モアナ
 「インストラクターのバイトデース♪ ワタシ母国でも水難救助の仕事してましたー♪」

そういうモアナさんは、相変わらず南国笑顔で風子さんを片腕で抱きかかえプールから上がった。
モアナさんは風子さんを抱えると控室に足早に向かう。
僕はその背中を追いかけた。

モアナ
 「酸素吸入器でーす、アミラーゼデスネー」

モアナさんは風子さんを寝かせると、口にスプレータイプの酸素ボンベを当てる。
随分慣れた手際でモアナさんは素早く処置を施し、やがて風子さんは息も安定し血色も良くなっていた。

当夜
 「ありがとうございますモアナさん」

モアナ
 「ノゥノゥ♪ これがワタシのライフワークデース♪」

僕はモアナさんに感謝すると、モアナさんは大袈裟な動きでそれが生活習慣だからと言った。
南国の島国産まれだけあって、これが天職ということか。

モアナ
 「それにしても、このレディ凄く重たいデスネー? 何故プールに?」

風子
 「と、特訓なんです……スタミナを鍛える……」

モアナ
 「オゥ、スペシャルトレーニング?」

モアナさんは太陽のような笑顔を浮かべると、手を叩いた。
何か思いついたようだが、特別次の行動を読みづらいこの南国女史は何を考えているのだろう?

モアナ
 「面白そうデース♪ 是非ワタシに手伝わせくださーい♪」

風子
 「え? し、しかしモアナさんは、直接関係は……」

モアナ
 「ノンノン♪ ワタシもデスリーは大切デース♪ ならばー、レッツ、トレーニング♪」

モアナさんはそう言うと両手を上げた。



***



モアナ
 「フンガー!」

風子
 「くうう!?」

モアナさんも加え特訓する風子さん。
次はパワー特訓だ。
これはシンプルで、モアナさんと風子さんは腕を組み、ただ押し合う。
一見すると怪人として強化されている風子さんと、あくまで一般人のモアナさんじゃ勝負にならない気がするが、実際は違った。

モアナさんは身長185センチ、体重115キロ。
対して風子さんは身長157センチ、体重210キロ。

このカタログスペックで見れば、モアナさんは大きいのに風子さんの方が重い。
この場合重心が下の方が有利だ、つまり風子さんが圧倒的に有利だと言える。
しかし、モアナさんは凄まじい馬鹿力の持ち主だった。

モアナ
 「アアアアアアアア!」

風子
 「きゃああ!?」

モアナさんは鬼気迫る顔で、風子さんを押し倒した。
風子さんは堪らず尻餅を付き、ダウンした。

モアナ
 「イエス! ビィクトリー♪」

モアナさんは何故か大喜びだ。
バイトを掛け持ちし、プールでのバイトを終えると、直ぐに野原でこのシンプルな相撲が開始された。

美陽
 「風子さん、お手を」

風子
 「は、はい」

帰りが遅くなってしまったためか、美陽さんが迎えに来たが、特訓の話を聞くと素直に後ろから見守ってくれた。

当夜
 「モアナさん凄く強いんですね……」

美陽
 「流石は伝説のポケモンとして伝えられるルギア、パワーまで規格外ですか」

僕は昔のポケモンとかは正直詳しくない。
モアナさんを見ても伝説のポケモンなんてピンとこないし、更にアビリティスペックを聞くと驚くものだった。

風子
 「これで本来はスピードや打たれ強さの方が得意なんですから……」

美陽
 「CPで言えば2万、充分規格外ですね」

CPていうのは、たまに使用されるポケモンのスペックを大雑把に数値化した物だ。
具体的にはポケモンの三値というのを視覚化した物だそうだけど、あまりに曖昧すぎて、随分前に廃れてしまった。
今ではプロレスとかで使用される程度で、正直詳しい事は僕も知らない。

具体的に言えば4000あるとメチャ強い、10000万超えると怪獣そのもの。
それで2万を超えるっていうのは、正に規格外の象徴。
とはいえ、CPって技とか能力、特徴を反映してないんだよね。
例えば日常生活では美陽さんは4000でも、戦闘時は3万レベルに跳ね上がる。
これがPKMであり、まして意図的に高いスペックを引き出すように訓練された怪人は、普通に生きているだけでは辿り着けないスペックがある。

風子
 「モアナさん! もう一本お願いします!」

モアナ
 「オッケイ! ヒアウィーゴー♪」

再び風子さんはモアナさんとのぶつかり稽古に挑む。
風子さんは必死に押すが、モアナさんは動かない。

当夜
 「もしかしてモアナさん、シャーク将軍より強くない?」

美陽
 「肉体的にはそうかもしれませんが……直接対決ではシャーク将軍に分があるでしょう」

美陽さんは相変わらずサイボーグのような鉄面皮で冷静に分析した。
僕は黙って美陽さんの言い分を聞く。

美陽
 「まず、エスパータイプのモアナさんと悪タイプのシャーク将軍は立ち回れる展開に不利が付きます」

そうか、ルギアは飛行エスパー、サメハダーだと水悪タイプだもんな。
でもそう考えると電気鋼タイプの風子さんって、凄くモアナさんが不利の筈なんだよね。
まぁ二人共能力を使ってないから、タイプ不利もないんだけど。
ていうか、モアナさんはそもそも制御装置付けてるしね。

美陽
 「加えてモアナ女史が戦い慣れているとは思えません」

当夜
 「うーん、それは確かに、それを言ってしまえば僕もなんだけど」

僕も実戦は経験していない。
きっとゲノセクトエースと直接対決したら、即爆発四散して僕は死亡するだろう。
恐ろしい話だ、だからこそ必勝を心掛けないといけない。

モアナ
 「フンガー!」

風子
 「ああああああ!?」

風子さんは必死に抵抗して、モアナさんを押し返した。
だが、風子さんの腕は震え、モアナさんは余裕たっぷり。
風子さんが押し切られるのは時間の問題だった。

モアナ
 「どっせい!」

風子
 「きゃあ!? バタンキュー……」

モアナさんは上手投げで風子さんを投げ飛ばした。
風子さんは精魂尽きて、倒れてしまう。

モアナ
 「おう! やっちまったデース!? ダイジョブデスかー!?」

モアナさんは慌てて風子さんを抱きかかえた。
風子さんは目を回していた。

美陽
 「そこまで、特訓はこれまでにしましょう」

当夜
 「そうだね、それにこれは今日で終わりじゃないからね」

美陽さんは風子さんをモアナさんから受け取ると、僕も今日の特訓の終了を宣告する。
だが僕は風子さんのトレーナーとして、風子さんを導く事を決めた。
今年の夏休みは風子さんを最高の怪人へと成長させてみせる!

当夜
 「そうだ、もしよろしければモアナさん、今日は晩御飯ご一緒にどうですか?」

モアナ
 「良いのですか? なら、喜んでご相伴に上がりマース♪」

モアナさんはそう言うと両手を上げて飛び上がった。
改めて伝説のポケモンなんて言われても、普通の明るいお姉さんにしか思えないよねぇ。



***



モアナ
 「ガツガツガツ!」

風子
 「モグモグモグ!」

晩御飯、美陽さんには無理を言う形になってしまったけれど、美陽さんは何も言わずモアナさんの分も用意してくれた。
モアナさんは見た目の通りの大食いだ、僕の有に3倍は食べているだろうか?
だが、風子さんも今日はいつもと比べてよく食べる。

当夜
 「はは、よっぽどお腹空いたんですね?」

風子
 「あ、も、申し訳ございません……御見苦しい所を!!」

風子さんは意外と乙女な所があるからか、がっつく姿に顔を真っ赤にした。
しかし、風子さんの箸は止まらない。
それを見て睦美さんはクスリと笑うと。

睦美
 「電力を供給すれば、大体問題ない設計なんだがね?」

風子
 「うう、お腹が空いて……」

風子さんは恥ずかしそうにそう言うと俯いた。
一方モアナさんは気にしない。

モアナ
 「ヘイ! ネクストプリーズ!」

美陽
 「分かりました」

美陽さんは大忙しでご飯を盛っていた。
しかし、炊飯ジャーの窯を見て美陽さんは固まる。

美陽
 「もう炊飯が無くなってしまいました」

モアナ
 「リアリィ? ノゥ……まだ六分目デース」

睦美
 「君は大変興味深いな! ハハハ、それだけ食べて栄養はどこに行くのか?」

僕は睦美さんの言葉に思わずモアナさんの胸を見てしまった。
モアナさんは白いタンクトップだけを上着にしており、うなじや脇が丸見えで、更にはちきれんばかりの胸がタンクトップにビッチリ張り付いている。
僕は顔を真っ赤にすると、ご飯を急いだ。

睦美
 (ふぅん? 当夜君もやっぱり男の子だねぇ?)

何故か、睦美さんは終始ニヤニヤ顔だった。



***



晩ご飯の後、モアナは上乃子家を後にしようとしていた。

モアナ
 「今日はありがとうございましたー♪」

当夜
 「いえ、こちらこそありがとうございます」

モアナ
 「もしよろしければ、これからも特訓の手伝いをさせてください♪」

モアナは満面の笑顔でそう言うと、当夜もニコリと笑って喜んだ。
この少女のような少年には不思議な魅力がある。

モアナ
 「ふふ、フーコさん、少しだけ羨ましいデスネ」

当夜
 「え?」

モアナ
 「何でもありません! お休みなさいデース♪」

モアナはそう言うと、慌てて家を出ていった。
手を一杯振って、当夜との別れを惜しむ。
だが、当夜が玄関の扉を閉じるとモアナは手を降ろした。

モアナ
 (当夜さん……やっぱりワタシあの笑顔、護りたいデース)

モアナは両手を広げると飛び上がった。
本来スピードに定評のあるルギア、腰の裏に鰓(エラ)のような器官があるが、ここから吸気する事で高空でも呼吸できる。
また過給器としての役割もあり、その器官から空気を吸気し、それを圧縮し、強烈な空気砲を放つ事も可能だ。

モアナはあっという間に雲を突き抜け、上空4000メートルに到達した。
モアナは上空で一回転すると、空気がモアナの周囲に渦巻いた。
モアナは右手の制御装置に触れた。
それは一見すると、普通の白い腕輪だ。
この世界の人間が見れば、誰もがその強大な力を制御するセーフティ装置だと認識するだろう。
だが、欺瞞だ。

モアナは腕輪に触れると、腕輪から黒いラバー素材のような布が飛び出した。
モアナは一瞬でまるでアサシンのような、漆黒のラバースーツに身を包んだ。
まるで当夜の持つ変身アイテムのような機能だ。
しかし、それはタキオンから渡された物ではない。
シャーク将軍も知らないモアナのもう一つの顔。

モアナは舞うように空中で乱れ踊った。
するとどうか? モアナの周りに風が集まり、やがてそれは圧縮され雲となった。
雲は更に寄り集まり、モアナを包み込む。
やがて、黒い球体が誕生した。

強烈な低気圧は黒い雲の中に稲光を生む。
モアナの意思で集まった、強烈な嵐だった。

モアナ
 (ゲノセクトエースは本当に驚異なのデスか? もしも当夜さんの笑顔を奪う存在なら……私が許しません!!)

モアナは強力なサイキックを放った。
ルギア特有の高度な超能力は、目を瞑っていてもその街全ての念を感じ取れる。
やがて、モアナはゲノセクトエースを知覚した!



***



ゲノン
 「っ!? 視線!?」

ゲノンはバイト終了後、愛車のジェノセッターを駆って、夜のツーリングに出ていた。
手頃で好みの店を見つければ、晩酌でもいただこうと考えていたが、ゲノンは強烈な思念に戦慄する。

ゲノン
 「上?」

ゲノンは峠を走っていた。
周りに車やバイクの姿はない。
頭上を見上げると、異様な空気の流れを感じ取った。
それは一箇所に集まっている。

ゲノン
 「まさか、デスリーの気象兵器か!?」

それは球体状に渦巻く暗雲だ。
それがゲノンに近づいてくる。

ゲノン
 「く! 変・身!」

ゲノンはジェノセッターを走らせながら変身した。
ゲノセクトエースは道路を逸れ、山の中に突っ込んで行く。
狭く視界の悪い上、複雑な地形の山を登るのは、かなりの危険行為だ。
しかしゲノセクトエースは巧みなドライビングテクニックで悪路を走破した。

しかし、あの強烈な積乱雲はゲノセクトエースに接近する。
依然正体の分からない相手だ。
ゲノセクトエースには、突然変身した事に対する通信が司令部から届いていた。

司令官
 『ゲノセクトエース君! 一体どうしたのだ!? 突然変身など!?』

ゲノセクトエース
 「こちらゲノセクトエース! 正体不明の存在に追われています!」

司令官
 『なに!? 正体不明だと!?』

然り、正体不明だ。
デスリーの可能性は高いが、もし違うならこれは簡単な問題ではない。
やがて、積乱雲はゲノセクトエースに接近すると、何かが放たれた!

ゲノセクトエース
 「なっ!?」

それは雷? 否、稲光の如きレーザー、空気を超圧縮し、光り輝く空気の流れ!

チュドォォン!!

ゲノセクトエース
 「グワー!?」

森が焼き払われた!
光が全てを薙ぎ払い、ゲノセクトエースは吹き飛ばされた。
ゲノセクトエースはなんとか立ち上がると、その惨状に驚愕する。

ゲノセクトエース
 「な、なんだこれは!?」

森が薙ぎ払われた。
辛うじて倒壊を逃れた木も、炎上し横倒しになった木々も目立つ。
あの積乱雲がやったのか?
ゲノセクトエースは混乱した。
単純な気象兵器ではないのか?

積乱雲は更にゲノセクトエースに接近すると、雨を降らせた。
それは凄まじい土砂降りでゲノセクトエースをも、あっという間に濡鼠にしてしまった。
まるで火災を鎮火するように、強くも優しい雨だった。

ゲノセクトエース
 「あ……」

ゲノセクトエースは呆然と見上げた。
積乱雲の中に何か気配がある。
それはモアナだ、勿論ゲノセクトエースには分からない。
高度4000メートルから挨拶代わりに放ったエアロブラストは、ゲノセクトエースを吹き飛ばした。
どれ程の物かと、手を出してみたがモアナが危惧する程の相手ではなかった。

モアナ
 (少しガッカリデス……でも、これならきっと大丈夫、当夜さんは護れます)

モアナはゲノセクトエースをそう断ずると、一気にその場から飛び去った。
ゲノセクトエースはただ呆然と、雨に打たれるのだった。



***



テレビ
 『先日未明、謎の火災が発生、なんらかのテロの可能性もあり、警察は警戒を強めています! また昨日未明、謎の低気圧が都心に発生、集中豪雨がありました。警察は事件性があるのではないか、捜査を続けています』

当夜
 「ふーん、怖いねぇ、テロだってさ」

朝、いつものように筋トレをして、朝シャンをすると美陽さんの用意する朝ごはんを皆で集まって食べていた。

美陽
 「テロですか、もしなんらかのテロ組織があるのなら、デスリーの敵になりますね」

睦美
 「悪の組織の味方が、悪とは限らんからな」

美陽さんと睦美さんはそう言った。
悪と対立するのは正義の宿命だけど、悪と悪が相容れる訳じゃない。
僕自身も、もしもそんな無慈悲なテロリストがいるなら、止めなければならないって思う。
デスリーの世界征服は必ずしも全ての人を幸せにする訳じゃないけど、だからって不幸を容認する訳じゃない。
僕たちもまた、テロリストに屈する訳にはいかないのだ。

風子
 「モグモグ、当夜様、今日の特訓は?」

一方、風子さんはあまり関心がない。
一日十善を心掛け、世界を少しでも良くする事を良しとする風子さんはこの報道にはあまり心が動かないようだ。
それよりも今は特訓を優先している。

当夜
 「今週までは学校あるから、特訓は終わった後ね?」

風子
 「はい! それではそれまで街の清掃活動に励みたいと思います!」

睦美
 「ボランティアか、これが世界征服の本質だとすると、これまでのデスリーは何をしていたんだろうな?」

睦美さんはそう言うとお茶を飲み、皮肉めいて笑う。
美陽さんは睦美さんに的確に意見をした。

美陽
 「デスリーのこれからは当夜様が決める、睦美、それがデスリーの絶対だ」

睦美
 「分かっているさ、そのためなら協力は惜しまん」

風子
 「はい! 私も世界を良くするためなら粉骨砕身!」

当夜
 「ふふふ、本当に世界を良くしながら世界征服出来たらいいね」

とはいえ、僕にはまだその目標は果てしない。
デスリーの下、今だ様々な問題を孕む現人類を一つの旗の下に集めるのは容易ではない。
もしかしたら僕の寿命では足りないかもしれない。
それでも世界を良くすることが、その足掛かりになるかもしれないのだ。

当夜
 「ご馳走さま、それじゃ学校に行く準備しなくちゃ」

僕はそう言うと食器を洗い台に持っていく。
今日も僕たちの周りは平和であるように、僕は出来るなら世界平和が一番だな、そう思うのだった。



突然始まるポケモン娘と世界征服を目指す物語

第六章 それぞれの日常 完

第七章に続く。


KaZuKiNa ( 2021/11/30(火) 18:00 )