霊視家政婦セローラちゃん! 後書き
霊視家政婦セローラちゃん! 完!
正直言ってラストどうよ? って感じですが完結です!
元々この作品、コンセプトはポケモンとオカルトでした。
セローラってそういえば、昔オカルト関係の話書いてたよね?
と思い出した事で、このコンセプト面白くね? と思い立ったのが始まりでした。
しかし、実際連載始めるとさぁ大変!
オカルト関係の資料漁りまくって、こういうムーブさせたら面白いんじゃね? と思いながら実際書くとなんか違う。
まぁ大体セローラがおちゃらける性なんですが。
さて、ここから各話の解説など。
第1話 幽鬼の壺
オカルト関係ではお馴染み、怪しい壺系。
実はこのオカルトも寺田討心のばら撒いた一つだったり。
導入話ということもあり、ゴーストコンビのセローラと美柑の活躍を暗示する回でもありました。
・幽鬼
強さは中ランク、青鬼であり、江戸時代中頃封印された模様。
セローラにとって始めてのオカルト戦であり、結界の仕様に苦戦するも、美柑の前では歯が立たず。
特定の由来はなし。
第2話 小学校の怪
テーマは狐狗狸さん。
オカルトの中でも特に有名な日本生まれの呪術。
しかし果たして狐狗狸さんとは何者なのか、それは現代でも分からない。
またコックリさん、エンジェルさんとご当地によって呼び名が変わるのも特徴であり、それらは果たして同じなのか?
最近出番の増えつつある里奈ちゃんを主軸にした記念すべき始めての主要エピソード。
この小学5年生の常葉里奈を軸にこれからの里奈ちゃんは描かれて行くのです。
・獏雪老
強さは強ランク、第2話から初っ端から邪神相手です。
流石にヒルコには格も落ちますが、それでも美柑や里奈がどうにか出来る相手じゃありませんでした。
テーマは理不尽を更にギャグ補正の強い超理不尽が相手をしたらどうなるか。
セローラがある意味で相性勝ちしたのもむべなるかな。
因みに名持ちですが、オリジナルです。
第3話 鏡の世界
蘭古物商と伊吹が中心の回。
なにげに冒頭で寺田討心初登場。
鏡には古今東西オカルトがあり、今回は始めて善のオカルトが登場しました。
雲外鏡は、そんな人間寄りの妖怪であり、ここから基本的にはセローラに助言を与え続けます。
・雲外鏡
妖怪としては実は結構格が高いと思われる妖怪。
百鬼夜行絵巻に描かれる妖怪たちが行進する最後尾にいる鏡の妖怪こそが雲外鏡と言われています。
ぶっちゃけ味方サイドのオカルト出したくて、候補として雲外鏡って知名度もあるし、知識でセローラを助けてくれそうだよねって抜擢。
しかし、結果は作者の不満が募るものに。
というか、やっぱり鏡の妖怪ってアクションさせ辛いのよね。
ぶっちゃけ雲外鏡の活躍を奪ったのは間違いなくあのウサギ。
・鏡の妖怪
作中では専ら妖怪。
見た目のモチーフはサムライスピリッツの妖怪腐れ外道。
非常に幼稚で自制心が効かず、次々と人々を襲う危険な妖怪でした。
しかし、そんな無秩序な妖怪が長生き出来る筈もなく、寺田討心によって持ち込まれました。
本人は寺田を知りませんが、寺田にとってはいい駒だったようです。
強さは結界込みで中ランク、とはいえ伊吹のプロレスファイトで軽く遊ばれるなど、単純に伊吹の強さを証明するだけだったり。
メタな事を言えば、ここまで伊吹って一度も敵を打倒する為に戦った事がないんだよね、つまりそう……当馬。
第4話 水着って言い張れば、どんな格好でも健全扱いって冷静に考えれば凄いよね
当初この話、怪異を入れる予定はありませんでした。
もっと言えば当初の被害者役は茜の予定ですが、神々の王を苦戦させるレベルの怪異が用意出来ず、結果保美香が中心の回に変更。
元々は単にもう一度海編やりたかっただけだったり。
基本的にはこの回は、突然始まるポケモン娘と同居する物語のオマージュ満載で、作者がやりたかったことを詰め込んだだけです。
・海の怪異
強さランクは弱、海難事故を引き起こす危険な妖怪であり、力を蓄え続ければ途方も無い怪異になった可能性もありました。
ぶっちゃけ保美香には見えていませんでしたが、地の利を合わせてもセローラに瞬殺と、弱さが目立ちます。
第5話 修羅の剣
凪さん回であり、華凛回。
所謂テーマは付喪神、修羅道に堕ちた凪と、かつて壮絶な死闘を演じた華凛が止める為に戦う、第2部の中心にオマージュの目立つお話でした。
・修羅の剣
モデルはジョジョの奇妙な冒険のアヌビス神のスタンド。
善悪というより、欲求を満たす系であり、凪とは非常に相性が良かったようです。
中身は基本小物であり、寺田の采配としては上出来だったでしょう。
第6話 峠の怪
純粋に御影さんの回やりたかっただけのお話。
と言っても、元々ターボババアのエピソードから、話を作って行った結果、車を持っているキャラが御影さんしかいなかったというだけなんですが。
セローラちゃんが殆ど出番がないこともあり、他のエピソードよりは短めでした。
レジエレキちゃんは殆どサプライズに近く、物理的にトリックルームの壁をぶち破れることに着目して、あの決着にいきつきました。
・ターボババア
現代の都市伝説である、オカルト。
速さの概念であり、結界の中では必ず対象より速くなるという凶悪な能力を持っています。
相手の生殺与奪に関しては興味がなかったようですが、基本的には邪悪な存在です。
しかしレジエレキが素早さ実測8192に到達した事で、スピードの結界をぶち破られ敗北しました。
余談ですがこの話書いている時、ウマ娘に大ハマりしていたため、やたら走り方がウマ娘風味。
第7話 病院の怪
今回の被害者は大城奏、突ポ娘U時点で既に故人で有ることから、ある程度推測できたかもしれませんが、テーマは魔素汚染でした。
実はこの回、かなり突ポ娘外伝のオマージュが多くマギアバレット、魔素汚染共に初出は突ポ娘外伝歪んだ世界編だったり。
ついでにいうと向こうでも琴音と思われるメロエッタが素材にされてたり。
突ポ娘U関係の話がかなり濃く、若葉育美や討希もここが初登場。
幸太郎、命、琴音、悠気、後に巡り合う因果はここから始まったと言えるでしょう。
・悪魔
強さランクは狂、ていうか物理的にどうにか出来る相手ではありません。
旧約聖書に登場する悪魔がモデルであり、基本的には不滅の存在で人間を堕落させます。
実はそんな悪い奴じゃありませんが、運が悪くも強硬派テロリストに目をつけられたのが運の尽きでした。
第8話 メリーさんの電話
恐らく日本一有名じゃないかと思われるオカルト。
現代妖怪の中でトイレの花子さんと同レベルと思われる知名度だが、扱いは雲泥の差であった。
今回は特に突ポ娘外伝のオマージュが多く、燐、ロコン、クチート、マギアナと向こうを知っていれば感慨深いメンバーです。
この話もかなり最初の頃に考案しており、結果的には後半発表となりました。
全体的にギャグ補正が強く、作者的には満足。
・メリーさん
今回の被害者(笑)、強さランクは最弱。
調べてもメリーさん関係の被害情報が極端に少なく、またメリーさんが被害に遭うエピソードも多いなど、やたら不憫さが目立つオカルトでした。
クチートと絡む時点で結果を察した人も多いんじゃないだろうか?
因みに友達とは寺田の事でした、まぁ向こうからは友達とは思われてなかったようですが。
第9話 月下の白兎
始めてセローラが狙われたエピソード。
実は構想上では初期に考案したエピソード。
因幡の白兎と八上姫は本来では同一人物ではありませんが、本作では同一人物としました。
・ラビ
本名は八上姫、強さランクは強。
旧い神様であり、本来ならオオクニヌシの根城である出雲大社に由来する神でしたが長い時の中で、ツクヨミ様と出会い仕えるようになりました。
驚異的な幻術使いで、史実においてもオオクニヌシ一行を完全に騙すほどであり、ヒルコでさえ抗えない程でした。(とはいえヒルコの炎で燃やされれば一溜りもありませんが)。
見た目のモデルはVtuberのぺこら、ていうか作中では名乗りかけた。
精神年齢が比較的セローラに近かった事から、登場が遅いにも関わらずセローラと良好なバディを務め、雲外鏡を空気キャラにしたA級戦犯。
作者一番のお気に入りは間違いなくラビですね。
・ツクヨミ
本名月読尊、月経……即ち時間を支配する神様。
日本人なら知らない人はいないんじゃないかって位有名な神様。
余談だが、史実においてツクヨミ様の性別は不明であり(一般的には男神)、二次創作においては女神として描かれる事も多く、あえてどちらとしてもとれるように中性的に描きました。
ツクヨミ様の性別はご想像に委ねます。
ヒルコこと、カグヅチの兄であり、姉にアマテラスがいる。
セローラを愛でており、セローラも一切頭の上がらない凄い人。
時間を司る性か、時代錯誤を地で行っており、ヒルコやラビからすると相当おかしいと思われている残念な人。
第10話 オカルト
最終話との分割。
いよいよ寺田討心との直接遭遇であり、なぜオカルトをばらまくのかに突っ込む、と見せかけてほぼバトル回。
悪魔少女対美柑は美柑の成長も踏まえ、あまり臆病さは見せず勇敢に戦いました。
とはいえ、相手の格も意外に高く、負けかけたのはナイショ。
・悪魔少女
本名ネビイーム、コキュートスを根城にする悪魔で、病院の回に出てきた悪魔程理不尽な存在ではありません。
とはいえ強大な悪魔に違いはなく、その本性は頭を2つ持つドラゴン。
炎と氷を操る強大な存在でしたが、神々の王に敵う筈もなく、光となって消えました。合掌。
モデルはサキュバス。
最終話 霊視家政婦
全ての核心。
主犯寺田討心の目的はヒルコの存在が許される新世界を創造すること。
セローラからすればどうぞお好きなようにいった所でしたが、結局の所セローラにとって大切な物に触れるため、対立することに。
・寺田討心
人間、モデルは作中でも言及するように寺生まれのTさん。
非常に強力な法力を有しており、強大なオカルトでさえ制御出来るほどの力を持つが、幼少の頃より、オカルトには中立な存在であった。
とりわけヒルコとの出会いは、寺田のその後に強い影響力を与え、オカルトのための楽園を作ろうと画策した。
しかし実際にはヒルコのための楽園であり多くのオカルトは利用しただけであった。
その方法も極端であり、オカルトを驚異だと人類に思い出させ、中世の頃の価値観に戻そうという物でした。
セローラに破れた後茫然自失のままフェードアウト、今後同じような事件を起こすことはないでしょう。
・ヒルコ
本名火之迦具土、強さランクは最強。
本作のラスボス、討心と非常に仲が良く、悪名が知れ渡るが、実際には物凄く魂の綺麗な神であった。
イザナミを火傷させ、それが原因で死なせてしまった事から、その力は神さえも焼く、つまり焼けぬ物はない=概念を焼く炎となった。
討心の為なら、なんでも出来るのだが、人間界を乱すことには心を苦しめており、その魂を食らって知ったセローラも、胸を締め付ける程だった。
本当は討心の凶行を止めたかったのは、ヒルコ本人だったのかもしれない。
かなりのイレギュラーだが、セローラに取り込まれた事で、セローラの魂に触れ、自分が如何に罪深い事をしようとしたのか自覚。
結果として、セローラに力を貸し、セローラの炎を自身の炎と融合させた。
しばらくはセローラの自我にこびりつく形で残っているが、完全に消える時、セローラの炎も元に戻るだろう。
神様としてはナウい方だと思っているらしいが、ラビからすればヒルコも時代錯誤でしかなった。
何気に生粋○EGA信者で、○ガドライブは世界一と思っているらしい。
○ガサターンは白派。
見た目のモデルはヴァンパイアのパイロン。
因みにヒルコとはカグヅチの幼名……つまりヒルコは……。
・セローラ
本作主人公。
他の主人公に出来ない事をやらせればナンバーワンと言えるほど、作者に扱いやすいキャラでした。
ぶっちゃけ強い訳じゃないですが、小賢しく、また小市民的な良心で戦い続ける内に、ツクヨミ様にスカウトされる事に。
基本的にはセローラだけでなんとかなった回は殆どない事からもわかる通り、セローラは他人の力を借りて戦います。
今後のフラグ(?)で、ヒルコの炎を体得してしまいましたが、如何に?
主人公としては百点満点、一番書いてて楽しいキャラでした。
反面真面目な話がトコトン苦手で、シリアスになると急に書きづらくなる諸刃のキャラでした。
・美柑
本来ならダブル主人公。
とはいえ序盤は性格が災いして役立たず、強いことは馬鹿強いが、基本的に作品世界の補正で弱体化せざるをえなかったキャラとも。
当初の予定では美柑単独回も構想にはあったが、タイトルはあくまで霊視家政婦セローラちゃん! なのでボツに。
本作から初出のツルペタヘタレの愛称は妙にツボにハマってしまい、美柑には可哀想だが、ツルペタヘタレなのだ。
以上、全11話、霊視家政婦セローラちゃんを終了させていただきます。
ここまで読んで下さった読者の方々には、作者から本当に感謝させていただきます。