突然始まるポケモン娘とプロレスでフィーバー! 仲間集め編
茂
「映画なんて何年ぶりかね?」
俺の名は常葉茂、まぁ本来なら主人公だが、今回は特別編だから大して気にしないで欲しい。
さて、俺は夏川に誘われて、家族と一緒に映画館に集まっていた。
大城
「なんの映画だろうな、奏〜?」
奏
「はい、とても楽しみです♪」
因みに今回は大城夫妻も参加している。
妻の奏さんはとってもほっそりしており、PKMと言っても儚すぎる。
因みにPKMってのは、人間みたいな姿をしたポケモン達の総称だ、まぁ擬人化されたポケモンと思えばいい。
そんな奏さんは医者の話ではもう死んでいてもおかしくないらしいが、まさに愛は奇跡(ミラクル)だよな。
どっか別の時空でギターで相手をど突きまわすメロエッタもいるらしいが。
既にそのお腹には子供も授かっているらしく、茜は羨ましそうにしてたなぁ。
夏川
「皆待ってたぞ!」
天海
「はっはっは! 王よ元気そうですな!」
映画館の前には凄い凸凹コンビが待っていた。
まず主催の夏川と、その妻(?)の天海さん。
天海さんは長身でやたら屈強なガテン系で、凄いのは爆乳っぷり。
髪型もオスライオンみたいで凄い事になっているが、まぁ慣れたらそこまで気にもならんよな。
天海さんは茜を王と言うが、それもそのはず彼女はソルガレオで神の十柱と言われる、言ってみれば茜の部下だ。
会社で言えば茜が会長で天海さんは幹部といった所か。
んで、その幹部仲間がもう一人いるのだが。
永遠
「アンタ、エラい馴染んでるわねぇ」
天海
「おお、ディアルガも来てるのか!」
永遠
「今は永遠よ? アンタの馬鹿っぷり見てたら、自分もまだ馴染めてないのかもねぇ」
天海
「はっはっ! なんだか口調があの方に似てきたな!」
あの方、それを言われると永遠は嫌そうな顔をした。
あの方とは多分アルセウスの事だろう。
永遠は真相を突き止め、とりあえず和解したはずなんだが今もハッキリ嫌いだと言い切る子供っぷりだ。
夏川
「まぁまぁ! 天海姉さんが仕事先で映画のチケット貰ってさ、その数が丁度14枚なんだよね」
茂
「えらく多いな……」
茜
「? そんなに人数いない?」
ああ、誘ったのが夏川だけに呼ばれているのは俺と大城位。
リア充は見たくないと紅恋さんは来なかったが。
結果的には俺、大城、夏川と人間3人、そして茜、永遠、奏さん、天海さんのPKM4人だけだ。
夏川
「あはは……流石に使い切れないよね」
大城
「で、見るのはなんだ?」
茂
「どうせ ○リキュアだろ?」
夏川
「そこ! ○リキュアを甘く見るな! 今や親子で見れる名作なんだぞ!?」
天海
「どぉどぉ、落ち着け」
相変わらずオタク趣味全開の夏川。
この点だけは相容れないよなぁ。
大城
「奏はどんなの見たい?」
奏
「私、怖いのじゃなければ……」
夏川
「まぁまぁ、入ってからのお楽しみ!」
まぁそう言うわけで、俺たちは街の映画館に行くと、人数分のチケットを渡し、映画館に入る。
映画館は真っ暗で、多くの座席が中央を囲み、真ん中にはロープで囲った特設リングがある……てはぁ!?
パッ!
俺たちは何故か映画館に来たはずなのに、ボクシングかプロレスの会場にいた。
訳も分からず困惑すると、リング中央にスポットライトが当たる。
?A
「良い娘の諸君! 我らがフェスティバル空間にようこそ!!」
?B
「いきなり何なんだ!? と思われるかもしれないが、これも一種の運命だから受け入れてくれ!!」
スポットライトの中央にはこれまた異色な凸凹コンビが待っていた。
茜
「リアルな映画……」
常葉茂
「こら! ボケてる場合か!?」
夏川
「あれ、あれれ? げぇ!? ここ帰り道がないぞ!?」
?A
「だから! 細かいこと気にするなって!」
突然俺たちの身に起きたのはなんなのか、リング中央には二人のPKM。
まず長身の方はガオガエンか? 赤と黒のレスラー服に、まるで豹のような鋭い牙の生えたマスクの女性。
屈強な肉体は天海さん並に凄まじいかもしれない。
対して小柄な方はルチャブルと断定していいだろう。
ルチャブル特有の赤いマントに、ワシを思わせる典型的なメキシカンマスク、こっちは細身でいかにもメキシコ系だな。
ガオガエン
「我々の目的は一つ!」
ルチャブル
「プロレスで勝負だ!」
突然始まるポケモン娘と歴史改変する物語 特別編
突然始まるポケモン娘とプロレスでフィーバー! する物語
大城
「おいおい、プロレスってアンタらPKMだろ? 俺ら人間だぜ?」
ガオガエン
「はっはっは! やる気があるなら人間でも構わんが、とりあえずお前たちは人質だ!」
夏川
「ええっ!?」
茂
「まじか!?」
それは突然俺たち人間だけを浮遊させる神通力。
それを放ったのは宙に浮くドータクン!?
ルチャブル
「安心して、彼らに一切危害は与えないから」
ガオガエン
「試合の予定は明日! ルールは時間制限無しのタッグマッチ! 1Dayトーナメントだから、その点は安心だぜ!」
ルチャブル
「組み合わせは先着7チーム決定次第、発表させて頂くわ!」
ガオガエン
「試合会場は東京BigEgg! は流石に無理だったんで、後楽園ホール!」
ルチャブル
「貴方達の手にある14枚のチケット! それを持つ物は参加者と看做す!」
ガオガエン
「それじゃ! 良い相方見つけて来いよ!?」
言うだけ言い切ると、茜たちの真下に見たことのある金色の輪っかが開いて皆はボッシュートされた。
俺はドータクンに拘束されながら二人を流し目で見る。
茂
「アンタらタヌキだな……」
ルチャブル
「あら? ショーマンと言って欲しいわね?」
ガオガエン
「試合はリアルファイトだけどな!」
そう言って笑う二人。
俺はこの二人が白だと確信したので、安心しているが他の二人、特に大城はかなり絶望顔であった。
大城
「嘘だろ……奏は走ることも出来ねぇんだぞ? プロレスなんて自殺行為だぞ……!」
夏川
「プロレスって言っても……天海さん理解できるかなぁ……?」
ガオガエン
「まぁリングでくっちゃべるのもなんだ? とりあえず控え室に来な?」
ルチャブル
「今回はスポンサーのお陰で良いホール使えるからね♪」
ガオガエン
「どうせなら武道館使いたかったなぁ〜」
常葉茂
「因みにスポンサーは今どこに?」
ガオガエン
「え? それが気まぐれな奴でなぁ」
茂
(フーパの奴、今度は一体何が目的だよ……)
俺は見覚えのあるリングからスポンサーはフーパと断定する。
かつては味方として助けてくれたフーパ。
しかし今度は敵らしい、アイツはアイツで思惑があるんだろうが、まぁ心配することはないか。
***
天海
「おっと、お嬢さん。大丈夫ですか?」
外へとボッシュートとされた私達。
私と天海は華麗に着地するが、永遠はその場に素っ転び、奏は天海がお姫様抱っこで守ってみせた。
茜
「映画館の外……」
確か話では明日だっけ。
兎に角一緒にプロレスしてくれる相方を見つけないと。
天海
「はっはっは! 凄く面白い事になったと思わんか!? はっはっは!」
奏
「どうしましょう……藤先生には運動は控えろと言われてますのに……」
二人は対称的で、天海は今すぐ戦いたいという感じ。
一方でそもそも戦えるのか怪しい奏は本当に困り顔だ。
私はというと、とりあえず仮面を作りたい。
なんて言うか……不安もあるけど、なんだかワクワクする。
私みたいな小柄な子にプロレスなんて出来るのか分からないけど……やってみたい。
永遠
「はぁ……とりあえず相方からか……私気乗りしないんだけどなぁ」
茜
「チケット……動いてない?」
私は映画館のチケットだと思っていた紙切れを見ると動いているのだ。
永遠
「まさか……チケットが相方選ぶってわけ?」
ソルガレオ
「ほぉ、面白い!」
奏
「……それでも道理さんのためなら!」
私達はチケットが導く方角へと足を向ける。
どうやら向かうべき場所は別のようで、私達はそれぞれ仲間を見つけに行く。
さぁ、一体私の相方は誰なんだろうか……。
***
華凛
「プロレス?」
美柑
「主殿達が人質!?」
保美香
「その割には茜、貴方落ち着いてますわね」
茜
「なんとなく分かるの、今回はお祭り」
伊吹
「つまり〜、楽しんだ子が一番勝ち組なんだね〜♪」
凪
「で……そのぷろれすとやらは、一体なんだ?」
保美香
「婦露麗素(プロレス)、古代中国で殷の時代に始まったと言われる闇の格闘技! 女子達が霰のない姿になるまで戦いを辞めない残虐非道な競技だが、その達人達は美しく華麗に戦ったという。しかし時の皇帝により危険すぎると禁止された。……民民書房『中国と闇の武術』より一部抜粋」
凪
「な、なんだと……?」
華凛
「ほお? 裸になるまで戦うか……中々面白い」
伊吹
(思いっきり嘘なんだけど……どう説明したら良いかなぁ?)
保美香
「まぁプロレスはともかくご主人様を奪われるなど言語両断! この責任により茜は婚約者の権利を剥奪します!」
茜
「!? そんな……」
凪
「こらこら、勝手に婚約を解消するな!」
華凛
「しかし良い機会だ、これを機に誰が一番ダーリンの嫁に相応しいか決めようじゃないか!」
ドドーン。
背景演出があるなら間違いなく雷が落ちたろう。
アレを言われたら、私も流石に黙っていない。
華凛
「チケットを頂くぞ」
保美香
「退くに退けませんか」
それぞれがチケットを取っていく中、凪と伊吹は遠慮した。
凪
「私も茂さんを愛する気持ちでは負けないが、格闘技では分が悪い、それに罠の時、裏から戦える奴も必要だろう」
伊吹
「里奈ちゃんはどうする〜?」
里奈ちゃん……というのは、茂君の養子になったあのアグノムである。
普段は控えめで、まだ家族に馴染めていないんだけど、ご主人様をお父さんと呼んで慕っている良い子だ。
戸籍上私の娘になるんだけどね。
里奈
「私……プロレスなんて出来るでしょうか?」
華凛
「負けることが恥ではない、戦わないことが恥なのだ!」
里奈
「……! 分かりました、やります!」
こうしてチケットは消費されていく。
しかし私は不安があった。
チケットは家族の誰も選んでいない、一体誰と組めというの?
そんな不安の中戦士達は相棒を探すのだった。
***
雷鴎
「なるほど……そういうことなら協力しよう」
保美香
「助かりますわ、家族に頼れないと貴方位しかおりませんもの」
わたくし達はだんな様争奪戦のため家族とは組めない。
そうなると知り合いは商店街の土地神カプ・コケコの雷鴎しかいないのだ。
彼、男性ですけど性別不問でしたわよね?
しかしまぁ、この時代錯誤男にプロレスが出来るか甚だ疑問なのですが、背に腹は代えられませんからね。
雷鴎
「そのプロレスとやらで、マナへの貢献としよう」
保美香
「神前闘技かなにかと勘違いしてるかしら?」
***
奏
「それにしても一体どうすれば……」
?
「何かお困り?」
私はチケットの導きの元、街を彷徨うとチケットがピタリと止まった。
私はその目の前の相手を見ると、身体に何か力を感じた。
その方はガオガエンさんのように筋骨隆々な女性だった……。
***
里奈
「お姉ちゃん、力を貸してください」
ユクシー
『貴方から連絡なんて珍しいわね……何があったの? お姉ちゃんに話して見なさい!』
私は参加すると決めた物の、相方なんていないし困ったのでとりあえず連絡先の分かるユクシーお姉ちゃんに電話で相談した。
ユクシーお姉ちゃんは事情を聞くとうんうんと頷きつつ。
ユクシー
『分かったわ、とはいえお姉ちゃん外出許可が下りてないから、ある意味で最も強力な助っ人を用意してあげるわ!』
お姉ちゃんは今もPKM収容所で生活している。
こうやって連絡できるとはいえ、即日外出とは行かないらしい。
とはいえお姉ちゃん曰く収容所切っての最凶のPKMだそうだけど……一体?
***
華凛
「ふむ……とはいえタッグとは億劫だな……流石にポケにゃんの皆や冬コミで知り合った仲間たちは巻き込めんし……」
まぁそれでも舞夏辺りは神戸から来かねんが。
私もアレから友人は増えた物の、残念ながら背中を預けられる者は限られる。
しかしチケットの導きとやらはあるの女性を差して止まった。
杏
「あら、貴方……」
***
天海
「祭りだ祭りだ♪ わっしょいワッショイ♪」
俺は意気揚々とチケットの導きとやらに従い、街を歩むが一向に見つからんぞ。
いっそそこらのPKMでも誘って俺一人で戦ってやろうか。
なんて考えていると、チケットが目の前を歩く少女で止まった?
紫音
「にゃ? 私になにか用?」
天海
「これは……いや、しかし……」
俺も流石に迷う。
チケットが差した相手はどう見ても戦えなさそうなチョロネコのお嬢さんなのだ。
まぁとはいえ俺も神の十柱、凡百に負けるほど愚かではない。
ならば良かろう! 是非も無し!
天海
「お前! 私と組んで貰うぞ!」
紫音
「にゃにゃ!? 一体どういうこと!?」
***
パルキア
「それでボクを?」
永遠
「アンタと私が組めば、最強でしょう?」
パルキア
「反則な気がするけど……」
パルキアは苦笑するが、これは勝負だ。
永遠
「今は悪魔が微笑む時代なのよ!?」
パルキア
「凄いね、まるで世界を救ったヒーローとは思えない台詞」
***
着々と決まっていく出場者たち。
開催当日になっても私は相方が見つからない。
このままでは棄権だ、途方に暮れていると。
?
「お困りのようですね」
茜
「え……貴方は?」
それは謎のマスクを被った長身長髪の女性だった。
白い髪、完璧と言えるほど美しいプロポーション。
チケットはこの女性を指している?
?
「私の名はグレートレディ、さぁこれを被りなさい!」
女性は私にマスクを差し出す。
私はそれを握ると……。
茜
「何故だか分からないけど力が湧いてくる……!」
グレートレディ
「さぁ行きますよ! 小さな姫君!」
突然始まるポケモン娘と歴史改変する物語 特別編
突然始まるポケモン娘とプロレスでフィーバー! する物語
第一章 仲間集め編 完!
次回激闘編に続く!