ポケモンヒロインガールズ





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第三部 ネクストワールド編
第27話 堀佳奈美

第27話 堀佳奈美

夕暮れの街並みは徐々に暮れ始めている。
藤原真希は「はぁ……」と息を吐いた。
まだまだ暖かいとはいえ、日照時間は着実に短くなりつつあるし、確実に冬は近づいている。

真希
 (今年も後3ヶ月か)

そう、3ヶ月なのだ。
来月には今年も運動会がある。
ポケモン少女学園は文化祭こそ無いが、体育祭は本命だ。
原則3年生が参加する事は無いが、それでも今年もハチャメチャやるのだろうな。


 「藤原ー!」

真希
 「えっ!?」

声に気づいたとき、真希は足音を捉えた。
しかし振り向くのが遅く、背中に誰かがぶつかってくる。

ドン!

真希
 「ぐえ!?」


 「なんやー? 車に潰された蛙みたいな声出しおって! それより見ん内に更に別嬪さんなったな〜!」

真希は思いっきり真後ろからタックルをかけたにも関わらず、悪びれもしない相手を背中越しから覗き込んだ。
僅かに見えたのはオレンジ色の髪。

真希
 「アンタ!? 堀佳奈美!?」

堀佳奈美(ほりかなみ)、そう呼ばれた女性は開いているのかもよく分からないような目を更に細めて、ニッカリと笑った。

佳奈美
 「せや♪ 佳奈美ちゃんやで〜! それより藤原エエ身体してんな〜♪ ゲヘヘ♪ おっぱい揉んだろか〜?」

佳奈美、そう呼ばれる女性は、両手で真希の胸を鷲掴みすると、流石に真希も怒りが込み上がった。

真希
 「やめなさい!!」

真希はやや、乱暴に身体を振り回すと、佳奈美は離れた。

佳奈美
 「おお〜怖っ! 冗談やん〜♪」

真希
 「アンタねぇ!? 恵比寿だか、布袋だかみたいな顔してるけどセクハラよ!?」

佳奈美
 「それならせめて、ビリケンさん言うて欲しいで、それより!」

真希は佳奈美を改めて見た、ここらでは見ない少女。
身長は高すぎず、低すぎず。
体型も普通で、言ってみればどこにでもいる普通の女子高生に見える。
だが、ポケモン少女学園指定の制服に袖を通し、胸元に輝くプレートには関西支部の通り名が彼女の来歴を物語る。

佳奈美
 「とりあえず用事や、愛に合わせてくれへん?」

佳奈美はニッコリ笑った。
黙っていいれば、大和撫子を地でいきそうな大人しそうな少女だが、彼女は関西からやってきた3年生なのだ。



***



冥子
 「あ〜、マジで忙しい、どうなってんだよ〜」

ポケモン少女管理局本部に所属する銀河冥子はげっそりしていた。
何が忙しいって、冥子が主にするのは局長の秘書と情報処理だ。
どっちが忙しくないかって言えば、局長の相手をしている方だが、あっちはあっちでしんどい。
何せ普段はお澄まししてる神成依乃里の殺意にも似た視線に晒され続けるのだ、あれは別の意味で地獄だ。
ならパソコンに向き合う方がマシかと言われれば、こっちもそうでもない。
何せ世界中に事業所はあるし、ポケモン少女を養成する学園は氷山の一角に過ぎない。
それだけでは管理局は運営出来ないし、管理局がポケモン少女を管理仕切れるのは、それだけの力があるからだ。
だからまぁ、ご意見番を覗けば、要望に文句、事実確認だの、五万と処理しなければならない案件がある。
これを依乃里は涼しい顔して、必要な物だけ局長の元に持っていくが、疲れないんだろうか?

冥子
 「もう、飯食って寝たい……」

冥子は管理局の直ぐ近くにあるホテルに下宿していた。
個室も与えられており、流石に本部と言ったところか待遇は良い。
しかし一方で、自分は何をやってるんだと思わないでもなかった。

冥子
 (慣れてきたんだよな……不自然な事に)

冥子は今でこそスーツに袖を通し、髪も本来の色に戻したが、本来はパンクをこよなく愛する少女だ。
冥子がやりたかった事と対極にいるこの姿が徐々に馴染んでいく程、やるせなさを感じた。
だが、それも疲れが吹き飛ばす。
今ではクソみたいに規則正しい生活を送っていた。

冥子
 「あれ? 神成?」

冥子は依乃里の小さな背中を捉えた。
もう業務終了時刻のはずだが、書類を抱えていた。

依乃里
 「なに?」

相変わらず変身しっぱなし、ユクシー少女の依乃里は、浮遊しながらゆっくりと冥子に振り返った。

冥子
 「まだ仕事してんの?」

依乃里
 「これだけ、局長に見せないといけないの」

そう言って胸に抱えたファイルには運動会の文字が見えた。
冥子は「ああ」と納得する。
ポケモン少女学園の運動会。
それは秋の名物だ。

冥子
 「まぁ、見てる分には気楽だよなぁ」

依乃里
 「そうも言ってられないわよ、何人問題児抱えていると思ってるの」

依乃里はそう言うと、浮遊してゆっくり飛び去った。
問題児、その言葉に冥子は頭を掻いた。

冥子
 「まぁ、悠那達も含まれてるよなぁ」

ある意味究極の問題児の存在を思い出すと、苦笑した。



***



真希
 「愛ー、入るわよー?」


 「あら? 真希ちゃんと……あー!?」

愛は担任室に入ってきた真希を書類越しに見た。
その真希の後ろ、オレンジ髪の女性を見て、思わず素っ頓狂な声を上げて、机から立ち上がった。
その衝撃で書類の山が崩れるが、きららが「おっと」とそれを支える。


 「佳奈美ちゃんじゃないですか〜!」

佳奈美
 「愛〜! ほんま久しぶりやな〜!」

愛は関西からやってきた彼女を迎えると、笑顔でその手を取ってブンブン振った。
佳奈美はそんな愛を見て、大笑いする。

きらら
 「……堀佳奈美、だったかしら?」

佳奈美
 「きららもおったんか〜! 会いたかったで〜!」

きらら
 「……なんでいるの?」

真希
 「それ、私も知りたいんだけど」

ポケモン少女学園関西支部、そこからやってきた堀佳奈美、この少女は関東支部の四人にとっても、決して無知の相手ではない。

佳奈美
 「それはな〜、ウチが会いたかってん!」

佳奈美はそう言うと胸を張った。
思わずズッコケそうになる真希は、ズレたセルフレームのメガネを掛け直すと呆れ返る。

真希
 「アンタ、たったそれだけの為に……?」

佳奈美
 「なんやねん! 真希は冷たいな〜」


 「そうですよ〜、折角遠くから来てくれたんですから〜」

佳奈美
 「愛はちんまいけど、ええ事言うなー♪」

佳奈美は、そう言うと愛の頭をガシガシと撫でた。


 「違います! 私は小さくありません! 皆が大きいだけですー! プンプン!」

佳奈美
 「あはは〜可愛いなぁ……♪ 同い年とは思えへんで」

マイペースな佳奈美には、流石の愛も振り回されている。
きららはそんな佳奈美を見て溜め息を吐いた。

きらら
 「はぁ、貴方向こうでもそんな感じなの?」

佳奈美
 「きららは相変わらずなーんか、冷たいなぁ〜」

きらら
 「……はぁ」

佳奈美
 「あかんあかん! 溜め息は幸せ逃げるで!」

佳奈美はそう言うと、きららに迫る。
きららはそれを嫌がり後ずさった。
この女の押しの強さは少し苦手だ。
目当てから外れた愛も苦笑している。

闘子
 「なんだか騒がしいようだが……?」

そこへ剛力闘子が帰ってきた。
いつもとは違う声に訝しんだが、佳奈美は振り返るとニカっと笑った。

佳奈美
 「おお、闘子や〜ん♪」

闘子
 「堀佳奈美か、相変わらず馴れ馴れしい奴」

闘子は佳奈美の様子を見て苦笑した。
人懐っこさは愛と同レベルだが、兎に角マイペースで人を引っ掻き回す。

闘子
 「お前の所の生徒から、来てないかって連絡きたぞ」

真希
 「はぁ!? 連絡も無し来たっての!?」

佳奈美
 「ハッハッハ! ちょっと東京行ってくるって連絡はしたんやけどなー!」

真希は脱力した。
どうしてこの女はこんなに楽観的に笑っていられるのだろう?
今頃失踪した佳奈美に大慌てしているかと思うと、関西支部の生徒には憐憫の思いを感じずにはいられない。

きらら
 「もう遅いけど、どうする気?」

佳奈美
 「今日は泊まっていくから! それと朝一には帰るさかい!」


 (明日休みではないのですが……?)

これでも堀佳奈美は、関西支部を纏める女。
愛や闘子と同じく教導部に所属している。

真希
 「まさか、学園に泊まろうっての?」


 「確かに宿職室ならありますが……」

佳奈美
 「いや、構へん構へん! 適当に野宿するさかい!」

愛は佳奈美の発言にギョッとした。
仮にも年若い娘が野宿すると言い出したのだ。


 「そんなの駄目です! 泊まっていって下さい!」

佳奈美
 「愛〜」

佳奈美は愛の変わらぬ普遍的な優しさに涙した。
愛の優しさはいつも通りだが、佳奈美の面倒さは筋金入りだ。

真希
 「はあ……本当、どうなってんのよ関西支部は」

佳奈美を見ると規律などクソ喰らえ、そう言っているようにさえ思え真希は呆れた。
それを見て、佳奈美は眉を顰め、真希に絡む。

佳奈美
 「なんやねんさっきから〜、お綺麗に止まりおって! ええーい、その胸少し寄越せー!」

真希
 「揉むなー!!」


 「あ、あはは〜、どうどう」

闘子
 「いい気味だ♪」

良くも悪くも台風の目のような少女堀佳奈美。
関西からやってきた彼女はそのままこの地に嵐を呼び寄せるのか。



***




 「ちゃんと宿をとっていたんですね〜」

夜も更けた時間、愛と佳奈美は街を歩いていた。
佳奈美はさっさと飯を取って、安宿で一泊するつもりだ。
愛はその見送り、愛の律儀さには適当に生きている佳奈美も涙を禁じえない。

佳奈美
 「ホテルまで送って貰わんでもええんやでー?」


 「いえいえ、佳奈美ちゃん、土地勘無いでしょ? ちゃんと辿り着けるよう最後まで案内しますよ〜♪」

佳奈美
 「愛はほんまに人が出来すぎてるでー、悪い人に騙されへんかホンマ心配やわー」


 「あ、アハハ〜」

悪い人……か、愛も騙された事が無い訳ではないので苦笑するしかなかった。
特に直近で神成依乃里に騙されて、閉じ込められた記憶が新しい。
だが、それでも愛はこの世に悪人なんていないと確信している。


 「大丈夫ですよ……皆良い子達ですから」

佳奈美
 「……愛?」

琉生も悠那も、依乃里だって悪い子じゃない。
それが愛の背中を押している。
佳奈美には分からないだろう、関東支部はこの年は激変の時代だった。
有望だが不安定な子供達、自分もまだそれらとそれ程歳が離れている訳ではないが、それでも年長者として守らないといけない。
その重責は愛の笑顔の裏で積もり積もっている。


 「あ、それよりご飯どうしますー?」

佳奈美
 「ご飯な〜、因みに愛のオススメは〜?」


 「オススメですか?」

佳奈美
 「あ、いや! 待って! 高いところはアカンで!? 関東って物価高いやろ!? 安いところでお願いしますっ!」

関東支部への旅行は当然佳奈美の自費だ。
ただでさえ安い宿を見つけるのも苦労した、そこで食費を少しでも浮かせたいのは心情だ。


 「それなら〜♪」

愛の笑顔が増した。
愛はスキップで佳奈美を案内する。



***



闘子
 「あ」

真希
 「げっ」

愛が案内したのはファミレスだった。
それ程混んでもいない普通のファミレスだが、関東支部3年の行きつけの店でもあった。


 「あら? 来るなら連絡してくださいよー」

佳奈美
「ほんまやでー! 皆で食べようやー!」

真希
 「私アンタ嫌い……」

闘子
 「直球……て、聞いてないか」

真希にとって今日は最悪だ、今日は仕事の終わりにパフェを食べて寝たいと考えていた。
闘子は真希とは違い、書類を片手にステーキセットを食べながら、教導部の仕事を熟していた。
仕事の愚痴もそこそこに、二人は楽しんでいたが、佳奈美の出現は真希をストレスで追い詰めた。


 「ここは安くて量もあるので安心ですよー♪」

佳奈美
 「へぇ〜」

闘子
 「まぁ、食べてる時まで暴れねぇだろ?」

闘子はがっくり項垂れる真希を慰めるようにそう言った。
そう言いつつも仕事を熟す様に佳奈美は驚いた。

佳奈美
 「闘子、その資料は?」

闘子
 「ん? ああ……この前の能力テストのな、運動会の参考にするんだよ」

運動会、一般人が一年で唯一、ポケモン少女を間近で感じられるレクリエーションだ。
運動会とは言うが、それはもはやアニメや映画の世界、ポケモン少女へと変身した少女たちが空を飛び、風のように走るのだ。

佳奈美
 「ほえ〜、そっち数が多くてええよな〜」

闘子
 「まぁその分大変なんだけどな」

ポケモン少女の数は少ない。
関東支部は過去例のない数のポケモン少女が集まっているのは事実だ。
だが、例え全国からポケモン少女を集めてもその数はようやく1クラス分でしかない。

佳奈美
 「せやけど、質なら関西も関東には負けへんで!」


 「うふふ〜♪ 喜ばしい事ですね〜♪」

力自慢も愛が相手だと意味がない。
ポケモン少女の数が足りない問題は未解決なのだから、質が求められるのは当然で、愛からすれば対抗する要素がないのだ。

佳奈美
 「かなんな〜! 愛は競争心あらへん」

闘子
 「そう言う子だからな、こっちはもう慣れたが」

真希
 「なんだかんだ、3年生のまとめ役は愛だからね」


 「もう! そう言って二人共私に責任押し付けてくるばっかりじゃないですかー! プンプン!」

平たく言えば貧乏くじばかり引くのも愛だからこそだろう。
愛は可愛らしく怒っているが本心ではない。
そしてそれを心底理解しているからこそ、和気藹々と笑っていられる。
それが部外者である佳奈美には強さに見えた。

佳奈美
 (対した結束力やね……ホンマに)


 「それじゃ席行きましょう! 何食べますか?」

佳奈美
 「ああ、うん……いや、ちょっと待って」

佳奈美は細目を少しだけ開いた。
ショーウインドウの外、暗闇の中を見たのだ。

佳奈美
 「ゲシュペンスト?」

闘子
 「なに!?」

佳奈美の一言に3年生達は沸き立った。
真希は眼鏡を持ち上げた、外を眺める。

真希
 「気の所為じゃないの?」

しかし、真希はそれを否定した。
暗闇の中にゲシュペンストを認められなかったのだ。
一方佳奈美も頭をボリボリと掻くと。

佳奈美
 「うーん、気の所為やったかなー?」

そう、おちゃらけて見せた。


 「もうー! 驚かさないでくださいよー!」

佳奈美
 「あはは〜! ごめーんちゃい!」

佳奈美は、オーバーリアクションで謝ると、場は少し沸き立った。
しかし佳奈美の顔は笑っていても、その内側は笑っていなかった。

佳奈美
 (ゲシュペンストの奴……ウチを見とった? そんですぐ消えた……どういう事や?)

佳奈美の優れた視力と、彼女に宿るポケモンの力。
その2つが合わさった時、佳奈美は異常知覚を得る。
彼女だからこそ、その僅かな間だけ出現したゲシュペンストを認識出来たのだ。


 「とりあえず何頼みましょうかー?」

佳奈美
 「安いのがええー」

愛と佳奈美は席につく。
今日も一騒動あったが、それとは別に休息は必要だった。



***



きらら
 「っ!」

きららは夜の街を飛んでいた。
ゲシュペンストは昼夜を選ばず顕現し、時として大きな被害を及ぼす。
夜は活動する人間が少ない分人的被害は少ないが、それでもゲシュペンストの行動には謎が多く、安全とも言えないのだ。

きらら
 「はっ!」

きららは無造作に手を振ると、遠く離れた場所にいたゲシュペンストαの群れが切り裂かれた。
パルキア少女の力は空間に作用し、遠距離で空間を引裂き、その反動でゲシュペンストを切り裂いたのだ。

ゲシュペンストβ
 「!!」

ゲシュペンストβが一体、きららを見て、大きな口を開いた。
目も鼻もなく、恐竜のような顎を持った怪物、スライムのような下半身と人のような上半身が融合したその姿は正に怪物。

きらら
 「見逃さない!」

きららは再び腕を振った。
だが、狙いが外れ、ゲシュペンストβの腕が切り裂かれた。
ゲシュペンストβの腕は直ぐに霧散して消えるが、ゲシュペンストβは直ぐに新しい腕を生やした。

きらら
 「く!」

きららは苦虫を噛み潰したような顔をした。
ゲシュペンストβを一撃で仕留められなかった。
ゲシュペンストβは本当に危険な相手だ、かつて琉生ゲシュペンストβと交戦して死にかけた。
強靭な身体と再生力はポケモン少女にとっても驚異的で、数多の命を脅かす。
きららは意を決し、ゲシュペンストβに踏み込んだ。
ゲシュペンストβは遠距離に攻撃は届かないが、安全圏ではきららも仕留められない。
射程4メートル、先に動いたのはゲシュペンストβだった。
ゲシュペンストβは右腕を伸ばすと、直進するきららを襲った!

きらら
 「は!」

だが、きららは並のポケモン少女でもない。
ここまで何百のゲシュペンストを狩ってきたのか?
その戦闘経験は、彼女に安定をもたらす。
ゲシュペンストβの攻撃を、物理法則を無視した軌道で回避すると、相対距離3メートル、きららは縦に腕を振った。

ゲシュペンストβ
 「!?」

きららの亜空切断、ゲシュペンストβの体が縦に真っ二つになり、ゲシュペンストβは霧散した。
残存するゲシュペンストがいなくなった事を確認したきららはそこで一息つく。

きらら
 「ふぅ」

執行部の役目はゲシュペンストの殲滅。
それ故に執行部には戦いのスペシャリストが配属される。
最も今は人手不足にも程があり、きららに回される負担は相当のものだが。

きらら
 (それにしてもおかしい……)

忙しい……それはずっと変わっていないが、最近は本当に昼夜を問わず、そして地球をあちこち回らされ、きららは参っていた。
このオーバーワークの原因はゲシュペンストの増加だ。
関東地方においてもゲシュペンストはここ最近右肩上がりの様子を見せている。

きらら
 (ゲシュペンストには周期があるって言われてるけど)

今年の初めはゲシュペンストの出現は底を打っていた、だが徐々に増えるその報告例は過去類をみない勢いである。

きらら
 「場当たり的に、対症療法しかないのかな……?」

きららはスマホを取り出すと、調査本部にゲシュペンストの出現地のデータを送信する。
運動会も間近、今回はきららも運動会を見ると約束がある。
せめてその時まで、きららはこの街の守護神であろう、そう決意するのだった。



ポケモンヒロインガールズ

第27話 堀佳奈美

続く……。

KaZuKiNa ( 2021/01/03(日) 11:36 )