ポケモンヒロインガールズ - ポケモンヒロインガールズ
第5話 幽霊とポケモン少女

第5話 幽霊とポケモン少女



とうこ
 「どおりゃああああああ!」

闘子は無数に現る黒い怪物――ゲシュペンストをその四本の腕で、なぎ倒す。
小さなゲシュペンストαたちは、それ程強敵ではない。
だが兎に角数が多く、闘子は苛立ちを募らせる。

とうこ
 「ち! 一体何体湧いてんだよ!?」

あい
 「愚痴っても仕方ないですよ! 敵はこっちの事情なんて知らないんですから!」

愛はそう言うとマジカルシャインを放つ。
不可思議な光に包まれたゲシュペンストは浄化されるように消えていく。

るい
 「くっ!? やぁ!」

琉生はあくまで迎撃に徹していた。
実戦経験なぞない彼女は、群がるゲシュペンストに己の全身並みの大きさを持つ尻尾を叩きつける!
ゲシュペンストはそれだけで消滅するほど弱い。
これならば、守りに徹するならば琉生でも戦える。

あすか
 「く、くそぉ……琉生も戦っているってのに、アタシ、身体の震えが……!」

明日花は必死に自分を鼓舞していた。
しかし恐怖が張り付き、真面に動けない。

むう
 「ああああ!? こっち来るなビューン!?」

一方で夢生はがむしゃらにその翼を振り払った。
それだけで、風は刃となりゲシュペンストを出鱈目に斬りつける。

あい
 「アリアちゃん! お願いだから逃げて!」

アリア
 「あ……ああ」

アリアは正常じゃなかった。
それもそのはず、ゲシュペンストαにはそれほど、物理的ダメージを与える力はない。
だが接触すると、相手に何らかの心的ダメージを与えるのだ。
ゲシュペンスト、その名の由来はドイツ語で幽霊を指す。
その現実の存在と言うよりは、不可思議な向こう側の存在のような雰囲気を醸し出すゲシュペンストは正に亡霊だろう。
今、アリアを奈落の底に引きずり込もうとしているのか……。

るい
 「アリア!」

琉生は一か八か駆けた!

むう
 「あっ! 一人にしないでビューン!?」

るい
 「夢生は明日花を守って!」

あすか
 「こ、こんちきしょー! やってやる! アタシだってー!?」

明日花はやけっぱちの悲鳴染みた絶叫を放つと、頭部からバチバチと電気を放った。

あすか
 「うおおおお!」

バチバチバチィ!

明日花は頭頂部から周囲に電撃を放電する!
それは正確な狙いなどまるで付けていない無差別攻撃だ!

むう
 「ギャー!? 危ないビュン!?」

あすか
 「五月蠅ぇ! こっちだって余裕ねぇんだ! ちゃんと避けろよ!?」

むう
 「無茶言わないでビュン!?」

明日花と夢生がコントみたいなやりとりをする中、琉生はアリアの元に辿り着く。
琉生は愕然と地面にへたり込むアリアの両肩を揺すった。

るい
 「アリア、しっかりして!?」

アリア
 「あ、あ……るい、さん?」

アリアの目は焦点が合っていない。
その知的な顔も台無しなほど、恐怖を顔に貼り付け、琉生の言葉も真面に入っていないようだ。

るい
 「くっ! なんとかしなきゃ! 私が護らないとアリアが……!」

琉生の中で生まれる正義感は何所から来ているのだろうか。
琉生自身決して正義のヒーローに憧れるタイプではない。
愛のようなあからさまな慈愛とも違う。
ただ、彼女のちっぽけな自尊心にも似た心が、必死に彼女を戦わせているのだ。

るい
 「はぁ!」

琉生はその大きな尻尾を振る。
まだ技の使い方はよく分かっていない。
だけども必死だった。
琉生はアリアを目指して集まりつつあるゲシュペンストに立ち向かう。

むう
 「ちょ、ちょっとるーちゃんがピンチっぽい!?」

とうこ
 「ちっ!? 今行く!」

闘子が二人の状態に気付いた。
その場に群がるゲシュペンストを蹴散らして、琉生達の元に向かう。
しかし、闘子の目の前にはまるで道を塞ぐようにゲシュペンストが湧いてくる。

とうこ
 「邪魔済んじゃねぇぇ!!」

闘子の咆哮虚しく、琉生は追い込まれていた。

るい
 「はぁ、はぁ……!」

琉生は数え切れない程のゲシュペンストを倒すものの、数に押され息を切らし始めていた。
もう変身して何分になる?
いつまで変身時間は持つのだろうか?
もしこの絶体絶命の中で変身が解けたらどうなるんだろう?
そのゾッとするような恐怖と狂気に囚われながら、それでも琉生は顔を振って活を入れる。
しかし、まるでその疲弊を見越したかのように……通常のゲシュペンストとは異なる個体が琉生に立ちはだかった。

あい
 「あ、アレは!? タイプβ!?」

人類側の呼称ゲシュペンストβ、大量のゲシュペンストαに混じって1〜2体前後が僅かに確認されている個体だった。
その姿は150センチ程の大きさで、上半身は人のようで、下半身はスライム状の異形の怪物。
怪物はクパァ……と口を開くと、禍々しい牙が見え、黒い涎がこぼれ落ちる。
これを見ただけでも一般人なら恐怖に戦くだろう。
そしてそれが年端もいかない少女の目の前に現れればどうだろう?

るい
 「あ……」

琉生は愕然とした。
この存在が放つ存在格が既に琉生を上回っている。
ソウルが警告を放っている。

アリア
 「る、い……さん」

るい
 「っ!」

琉生の後ろにはアリアがいる!
琉生は歯を食いしばった!

るい
 「うわぁぁぁ!」

琉生はがむしゃらにβに突撃した。
もはやそれは技ですらない、ただハチャメチャに立ち向かったのだ。

あい
 「駄目! 今の貴方では!?」

β
 「!」

βは無造作に手を振り払った。
だが、それだけで琉生は横に弾き飛ばされた。

るい
 「う……く」

そこまでの疲労だろうか。
琉生は身体を動かせなかった。
ソウルは琉生に奇妙なプレッシャーを放ち続ける。
だけど、もう限界だ……徐々に琉生からソウルの気配が失せていく。

とうこ
 「やばい!? 姫野の奴、変身限界だ!?」

あい
 「琉生ちゃーん!?」

アリア
 「ああっ……!?」

アリアの目にはボロボロの琉生だけが映っていた。
琉生の身体は徐々に光りが失せて、変身が解けてしまう。
気絶したのか、ピクリともせず無力な少女に成り果てた琉生にβはゆっくりと迫った。

アリア
 (だ、だめ……!)

その瞬間だった。
アリアはある現実を幻視する。
それはゲシュペンストβが無力な琉生を持ち上げ、大きく開けた琉生を喰らうという光景だ。
悍ましくて吐き気のする光景、なによりも学友を無力にも死なせる自分たち。
その幻視の直後、彼女は現実に帰ってきた。

アリア
 「はっ!?」

現実はまだそこに至っていない。
だが至るのは時間の問題だ。

アリア
 (私一体何を!? か、考えろ!? どうすればこの事態を切り抜けられる!?)

正気に戻ったアリアはその思考をブーストさせた。
ゴチルゼルとしての能力は身体能力より、精神や思考に大して強化を果たしている。
今、その場はあらゆる意味で劣勢だ。
頼みの愛先輩と闘子先輩は大量のゲシュペンストに足止めを食らい、実戦経験の無い夢生と明日花は自分のことで手一杯だ。
ということは、最も琉生の近くにいる自分がβと琉生の直線を阻める可能性が高い。
しかしアリアは逡巡した。

アリア
 (くっ!? 私が出てなんになる!? 一番ポケモンの力も引き出せない私が役に立つ訳なんて!)

琉生は良くやった、未熟ながら果敢に戦った末に果てたのだ。
ただ、私達は運が悪かった。
こんな化け物に遭遇して、まともでいられる訳がない。

だけど……そんな彼女は『声』を聞いた。

『シクシク、それで、いいの?』

アリア
 (誰!?)

『貴方の心は哀しんでいる、貴方はまだ未来を確定していないのに』

アリア
 (未来……!?)

『私は貴方、貴方は私……私の力を貴方にあげる』

アリア
 「っ!?」

それはソウルとのリンクだった。
あくまでも声だけのやりとり、だけどそれだけでアリアはゴチルゼルの心を理解してしまった。
ゴチルゼルは未来視に長けたポケモン、それ故に哀しい未来に泣いてしまう。
それはまるで泣き女のように。

アリア
 「させない……貴方が泣くのなら、私が涙を止めます!」

その瞬間、アリアの目が緑に輝く。
全身を覆うサイコオーラはアリアの精神から抽出され、第六感が研ぎ澄まされる。

アリア
 「私は所詮インテリ、琉生さんや明日花さんのような力はない……でも私には心の力がある!」

アリアはその力を解き放った。
それはβの腕をねじ曲げ、破砕させた。
アリアのサイコキネシスはβにダメージを与えたのだ。

β
 「!」

βは直ぐさま腕を再生させた。
そして両腕を何メートルも伸ばして、アリアを襲う。
だがアリアは冷静だ。
アリアは何かを小さく呟いた。

アリア
 「右、左、右」

その言葉の通りに、βの攻撃はアリアの脇を逸れた。
未来視を可能とするゴチルゼルの力は、ほんの僅かな未来をアリアに見せて、アリアはその通り回避をしたのだ。

アリア
 「ハァ!」

しかしアリアの攻撃力ではβへの決定打には至らない。
アリアが選択した未来はあくまでも最善の結果だけだ。
だからこそ、彼女はその力を持って、αの群れを制した。
力の弱いαは数は多いが、面制圧には弱い。
そして、それは闘子とβの直線を切り拓いた!

とうこ
 「良くやった東堂! 食らいやがれぇぇぇぇ!!」

闘子の拳は燃えていた。
その炎のパンチは残像を伴って、βの顔面に放たれる。
メキャっと歪むβの顔、遅れてβは吹き飛んだ。
βは競技場の壁面に激突すると、壁には亀裂が走り、βはそのまま消滅した。
それに合わせるように無数のα達は、一斉に消滅していく。

アリア
 (なに? 連鎖反応? いえ……まるで指揮官がやられて逃走したみたい……)

アリアが直感で感じたのは、βは指揮官で、αは兵隊だということだ。
指揮系統が寸断されて、鮮やかに撤退したようにさえ思えた。

とうこ
 「良くやったぞ東堂!」

アリア
 「剛力さん……それより琉生さん!?」

あい
 「琉生ちゃん! しっかりして下さい琉生ちゃん!?」

皆は戦いが終わると琉生の元に駆け込んだ。
琉生は気絶しており、皆の大声にもまるで反応しない。

あすか
 「しっかりしろよ琉生!?」

むう
 「うえええん! るーちゃん死んじゃヤダー!?」

るい
 「……勝手に、殺さないで」

琉生はゆっくりと目を開けると、上半身を持ち上げた。
でもそれが精一杯で、立ち上がる体力はもうなかった。

あい
 「うえええん! 琉生ちゃん良かった〜!」

ガバッと情けない程泣きながら抱きついたのは愛だった。
誰よりも琉生を心配していた愛は琉生の無事な姿に気丈な振る舞いも忘れていた。
呆然とする琉生に、アリアは頭を下げた。

アリア
 「すみません! 元はといえば私の性でこのような事態に!」

るい
 「アリア……こんなの誰にも予測できない」

とうこ
 「そうだぜ、まさかゲシュペンストがこんな場所に現れるなんて分かるわけがねぇ、調査部の奴ら何してやがんだ?」

まき
 「その調査部が調査に来たわよ」

突然闘子の後ろから現れたのはアギルダー少女の藤原真希だった。
真希も相当大急ぎだったのだろう。
アギルダー変身して、ゲシュペンストの調査に来たのだ。

とうこ
 「び、びっくりした〜、やい! 真希! なんでゲシュペンストがここに現れたんだ!?」

まき
 「それを調査してるんでしょうが! ゲシュペンストの事は分かんない事だらけなのよ!?」

アリア
 「あの……そろそろご説明していただきたいのですが」

るい
 「ゲシュペンストってなに?」

それは1年生全員の疑問だろう。
そもそも授業でもこのような怪物の話は一度も無かった。
一般人の時でさえも、このような怪物がニュースになった事はない。

あい
 「そうですね……もっとステップが進んでから説明するつもりでしたが緊急事態です」



***



ゲシュペンストが現れたのは10年前。
それは最初のポケモン少女がこの世に生まれたのと同時期の事だった。
ゲシュペンストは人類に襲いかかり、人類はゲシュペンストと理不尽な遭遇戦を強いられた。
しかしゲシュペンストは一切の兵器が通用せず、例え銃で撃たれようが、ハンマーで叩かれようが不死の存在だった。

だが……そんな絶望の敵を前に最初のポケモン少女は立ちはだかる。
ポケモン少女の技は唯一ゲシュペンストに有効で、ポケモン少女は救世主だった。
以来ポケモン少女は、対ゲシュペンストに対して決戦兵器として人類の盾となり、剣となったのだ。



…………。



アリア
 「……それでは、ゲシュペンストはなんなんでしょう? なぜ人を襲うのです?」

詳しい説明はあの後、いつもの教室でだった。
ゲシュペンストについてはあまりにも謎が多い。
その名前の由来も幽霊のように普通の物理現象が通用しない様から名付けられたのだ。

あい
 「襲う理由は分かりません、少なくともここ最近は殆ど目撃例もなく沈静化してましたし……急に増え始めました」

むう
 「どうして私達の攻撃は通用するの?」

あい
 「科学では解析できない領域だそうで、科学者は私達がゲシュペンストと同じ位相にいるからではないかと仰ってます」

あすか
 「位相〜? 全然よく分からん」

まき
 「簡単に言えば別世界よ、パラレルワールドの相手を攻撃できないのと一緒よ」

アリア
 「しかしだとすれば、なぜゲシュペンストは人を襲えるのでしょうか?」

ゲシュペンストが人とは違う位相にいるなら、お互いの攻撃は通じないはずだ。
しかし現実にゲシュペンストの攻撃は一方的に通じる。
荒唐無稽だが、ポケモン少女もまた同一の位相にいるならば、通じるのは道理なのだ。

むう
 「難しいビュン……」

るい
 「襲う理由も不明、か」

あい
 「ただ、分かってる事は人類の災厄だという事です」

あすか
 「結局殆ど分かってないのと一緒じゃん」

あい
 「あう〜、そんな事私に言われても〜」

釈然としないが、これに満点の解答を出せる者はいない。
ただ琉生は不穏な気配を感じていた。

るい
 (オオタチさんはアイツらに強い敵意を持っていた、でもなぜ? なぜポケモン少女は生まれたの?)

それは偶然なのか、因果関係なのか。
ポケモン少女とゲシュペンストは天敵同士である。
この二つの存在はどこからやってきたのだろうか……?
そこに、世界の答えがある……そんな気がした。

とうこ
 「まぁアレだ! 何はともあれこれでお前たちはオレ達の戦友だ!」

あすか
 「う、うっす! 先輩の力になれて光栄です!」

とうこ
 「はは、畏まんなって! オレのことは闘子でいい」

あすか
 「えっ!? じゃ、じゃあ! アタシのことも明日花って呼んでください!」

とうこ
 「おう明日花! よろしくな!」

憧れの先輩に対等の立場に立つことの許された明日花は感涙の涙を流す。
まだ闘子には足下にも及ばないが、明日花の初めての一歩だった。

まき
 「東堂さん、貴方……良かったら諜報部にこない? 貴方の明晰な頭脳はこっち向きだと思うの」

アリア
 「わ、私がですか? そんな私なんて……」

まき
 「謙遜は要らないわ……貴方の返事待っているから」

真希はそう言うと教室を退室した。
そのスーツの後ろ姿を見て、アリアは憧れを抱く。
きっとこの後は仕事で一杯なのだろう。
そのような働くキャリアウーマン姿にアリアは願望があった。

アリア
 (私……調査部目指してみます)

一方で夢生は難しい事を考えるのは兎に角苦手だ。
それよりもお腹が空いて仕方がない。


 「むーちゃんお腹空いた〜」

あい
 「遅くまで付き合わせてしまって申し訳ありません、寮には事情を説明しておきますので、今日はゆっくりと休んでくださいね?」

とうこ
 「そんじゃな〜! 今度晩飯一緒に食べようぜ〜!」

そう言って、この課外授業は終わった。
既に外は真っ暗で、1年生達は真っ直ぐ寮へと帰る。
今日は変身しっぱなしで、皆クタクタだ。
帰ったら皆泥のように眠ってしまう事だろう。



***



きらら
 「愛……」

夜も更ける中、職員室で事務処理に追われる愛の前に、執行部の星野きららが現れた。
愛はパソコンから目を背けると、和やかに笑う。

あい
 「あら? 一体どうしました?」

きらら
 「1年生が襲われたって聞いて……」

あい
 「それで確認に……そう言えばきららちゃんは、現場に現れなかったけど……」

愛はきららの実力をよく知っている。
強さだけなら間違いなく全ポケモン少女でナンバーワンだろう。
例え闘子でさえ、きららとリアルファイトをすれば一方的に倒されるだろう。
それ程の実力者がなぜ助けに間に合わなかったのか?

きらら
 「……私もゲシュペンストに襲われてた……」

あい
 「ゲシュペンストに!? でも並の相手なら……」

きらら
 「γよ……アレが出現したの」

あい
 「γが!?」

愛はその言葉に愕然とした。
ゲシュペンストは現在3種類確認されている。
最も小型で弱いαタイプ、最も多く見掛けるタイプで雑兵のポジションだ。
そして中型で150センチから200センチ程のβタイプ。
人型の上半身と、αと同様のスライムの下半身を持つ少数タイプ。
概ねαの群れを統率するような形で現れることから、指揮官タイプと思われる。
そして過去3例だけ確認されている幻のγタイプ。
遭遇した場合、ポケモン少女は速やかに撤退を義務づけられている、史上最悪の難敵。

あい
 「そ、それでγは?」

きらら
 「取り逃した……私一人では仕留めきれなくて」

単体で通用したこと自体驚きなのだが、それでもきららでさえ倒せないのかと、愛は愕然とする。
もしも大切な生徒達の前でγが現れたらどうする?
愛は自分の命で護れるか、天秤に掛けていた。

きらら
 「生徒達を護ってあげて……」

あい
 「それは、勿論です」

きらら
 「私も可能な限り対処する……」

きららはそれだけ言うと、職員室を出て行った。
きららは執行部に所属するため、教導部の愛とは管轄が異なる。
きっとこの後も全国を飛び回るのだろう。
なにせポケモン少女の数は全く足りない。
きらら程の大物となれば、猫の手も借りたいほどの忙しさだろう。

あい
 (ゲシュペンストの活発化……それと発生場所報告)

愛はパソコンで情報を精査に分析する。
普段はほんわかして、イマイチ頼りない先輩だが、本来は調査部にいても不思議じゃない程の逸材なのだ。
それでも彼女は生来の優しさから、この後進を見守る教導部を選んだ。
そんな彼女が出来るのは、まだまだ未熟なポケモン少女たちの安全を守ることだ。

あい
 (やっぱり! ゲシュペンストは必ずポケモン少女の近くに出現している……!)

もしかすればそれは、ゲシュペンストの出現アルゴリズムの解決に導くかもしれない。
過去の例から、ポケモン少女が集まる場所ほど出現率が高いことを示していた。

あい
 「明日から更に忙しくなりそうですね……」

カタタタタ、一人寂しく彼女の夜勤は続いた。



ポケモンヒロインガールズ

第5話 幽霊とポケモン少女 完

続く……。

KaZuKiNa ( 2019/07/23(火) 20:40 )