突然始まるポケモン娘と○○○する物語





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第二部 突然始まるポケモン娘と旅をする物語
第2話 異世界


突然始まるポケモン娘と旅をする物語

第2話 異世界

若い女性
 「空から……何かが!?」


 「うおおーっ!?」

ドサァ!

俺は激しい痛みにその場で藻掻いた。
突然現れた穴に吸い込まれると、その後は覚えていない。


 「茜! 保美香! 美柑! 伊吹!?」

俺は咄嗟に巻き込まれた4人を思い出して叫ぶ。
しかし返ってくる声はない。
いや、それどころか。


 「ここ、何処だ?」

そこは鬱蒼とした森林だった。
光さえ満足に届かないような薄暗い森。
周囲には驚いた様子の身なりの良い若い女性と古めかしいローブを着た年老いた男性がいた。

年老いた男性
 「な、何者じゃ! 突然空から降ってくるなど!」

若い女性
 「この人が出てきたらあの穴が閉じた……?」

なんか、よく分からんがまくしたてられている。
何者かって、そもそもこいつらは何者だっての!


 「えーと、俺は……」

とりあえず自己紹介しなければ話にならん。
痛い体を抑えながら、ゆっくりと立ち上がり自己紹介を始めようとすると後ろから何かが迫っているのが分かった。

ガサガサガサガサ!

甲冑を来た兵士
 「ついに見つけたぞ! 反乱軍!」

突然後ろから鬱蒼とした森を抜けてきたのは古めかしい西洋甲冑に身を包んだ男だった。
だが、俺はその展開に追いつこうと全員を見て理解を深めようとする。

まず妙に口うるさそうな爺さん。
髭も眉毛も白髪化しているのに、黒い帽子のような頭に、背中に黒い翼。
人間だが人間じゃない。


 (ヤミカラス? ポケモン娘……じゃなくてポケモン男か)

続いて兵士を見ると、甲冑に見えたそれは甲冑じゃない。
外骨格と言える鋼鉄で出来た肌だ。


 (シュバルゴ、て所か?)

シュバルゴ
 「む……見慣れない奴、貴様も反乱軍か!?」

そして、この言葉だ。
反乱軍って、一体何が起きてんだ?

若い女性
 「そこの彼は違います!」

シュバルゴ
 「怪しいな……引っ捕らえる!」

常葉茂
 「おいおい、理不尽だな!?」

シュバルゴは両腕の槍を振るうとじりじりと迫ってくる。
俺はその分後ろに下がるが、どうすりゃ良い?

若い女性
 「く……私が相手です!」

そう言うと若い女性は腰に差していた剣を抜いて構えた。
それを見てギロリとシュバルゴがターゲットを変える。

シュバルゴ
 「剣を抜くということは、死ぬ覚悟があるようだな! 結構!」

さながらヘイトをコントロールするようにシュバルゴは俺から目を離し、女性に向かう。

ヤミカラス
 「ひ、姫さま! 無茶です!」

姫さま
 「ですが、我々が逃げては彼が危険に晒されます!」

ヤミカラス
 「第一あの男も怪しいですぞ!」

そりゃそうだ。
いきなり空から降ってきたのなら怪しくて当然。
しかもにっちもさっちもいかない修羅場ときた。
俺は兎に角今何が起きているのか、そして俺がどう行動するか判断する。

姫さま
 「えやぁー!」

姫さまと呼ばれる女性の方はシュバルゴに攻撃を仕掛けた。
しかしシュバルゴは技量の違いか、簡単にその剣戟をいなす。
俺はどうすりゃ良いのか理解出来ないが、ただ違和感だけは分かった。


 (美しいエメラルドの髪、白く細い体、そして、胸元に見える紅い突起)

間違いなくサーナイト娘。
姫さまと呼ばれるサーナイト娘は何故か細い剣を持って接近戦を挑んでいる。


 「そこのサーナイト距離をとれ! 接近戦でシュバルゴに勝てるか!」

俺は迷わず叫んだ。
相手は殺意がある、そして大人と子供の技量差だ。
誰が見てもサーナイト娘の敗北が見える。
だが、本来のサーナイトは絶大な超能力を用いるポケモン。
それが力技でシュバルゴに挑むのはナンセンスすぎる。


 (おい、サーナイト娘、エスパータイプなら俺の思考が読めるんじゃないか!?)

俺は出来るか分からないが、思考をサーナイト娘にぶつけた。
直ぐに何かを感じ取ったサーナイト娘はシュバルゴから距離をとってこちらを振り向き、コクリと頷いた。


 (よし、俺の名は常葉茂。まぁ訳あって異世界に迷い込んだ異邦人って事か)

サーナイト
 『ナツメイトと申しますわ』

サーナイト娘の思考が脳に届く。
どうやら、きっちり『きもちポケモン』の本領は発揮しているようだな。


 (よし、なら俺が戦いをサポートする。お前の持ってる剣ってエストックって奴だろう? それは刺突用だ)

ナツメイトがぶんぶんと振り回していた剣はどう見ても細すぎるが、フェンシングで見るレイピアとも違う、いわゆる騎兵用の甲冑を貫くのではなく、隙間に突き刺すエストックだ。


 (相手は力も防御力もオマケにテクニックまでお前を上回っているんだが、お前に追撃できないのは何故か? 致命的にスピードがないからだ)

外骨格生物の大半は動きが鈍重だ。
カブトムシが同サイズの哺乳類と同じスピードで動くことは不可能。
だからスピードだけはナツメイトに分がある。

ナツメイト
 『では、どうすれば……』

ナツメイトの不安な声が脳に響く。
正直ここからは賭けであり、俺の作戦にナツメイトを付き合わせる事に申し訳なく思う。


 (改めてすまない。お前を危険に晒すことになる)

ナツメイト
 『それはお互い様ですわ』


 (いいか、お前の使えるエスパー技、サイコキネシスでもねんりきでもいい! 相手にはたいして効かんが、動きを止めれば充分!)

ナツメイト
 「! はぁ!」

シュバルゴ
 「サイコキネシス!? しかし鋼の体には!」

そう、効果は今ひとつだ。
でも無効じゃないだろう?
これでテクニックは打ち消した。


 「今だナツメイト! それで突け!」

俺は突く場所のイメージをナツメイトに送る。
ナツメイトはそれに従ってエストックを水平に構えてシュバルゴに突撃した。

ナツメイト
 「はぁぁ!」

シュバルゴ
 「ぐ!?」

シュバルゴの動きはやはり遅い。
サイコキネシスで動きを阻害される中でエストックによる刺突を弾く事は出来なかった。
シュバルゴの外骨格の隙間にエストックが突き刺さる。
ナツメイトがエストックを引き抜くと、左肩から鮮血が散った。

ヤミカラス
 「おお! 姫さまが勝った!?」


 「安心はまだだ、じいさん」

シュバルゴは肩の隙間に突き刺されただけで、致命傷じゃない。
心臓はプレートメイルのように堅牢で、目ならなんとかなるかもしれないが、ナツメイトの技量ではそれは怪しい。
つまりこれがナツメイトの最大ダメージだ。

ナツメイト
 「その怪我では戦えないでしょう」

シュバルゴ
 「馬鹿を言え、左手が使えなくなっただけのこと」

そう言って右手を振るうが、左手はダラリと地面に垂れている。
しかし相手の闘志はまだ挫けていない。
ここで仕留めないと難敵なるかもしれないが、出来るか?

シュバルゴ
 「そこの貴様、この小娘が急にいっぱしの戦士になった……貴様が仕込んだな」

シュバルゴの甲冑の奥から鋭い目が俺を捉え、俺はその場で身じろぎする。
この男、間違いなく強敵であり、俺は一瞬飲まれかけた。


 (堪えろ、俺……! 弱みを見せるな!)

俺は身体の震えを抑えて、シュバルゴを睨み返す。

シュバルゴ
 「危険だ……戦いを知らん小娘をいきなり戦士に変えた……帝国の脅威になりかねん」

その言葉にナツメイトが俺の前に立った。
どうやら俺を守ってくれるらしい。
しかし、シュバルゴは微笑を浮かべた。

シュバルゴ
 「ふ、もし伝説のポケモントレーナーなら、俺も分が悪いな」

ナツメイト
 「退いては?」

シュバルゴ
 「我が名はトウガ! ここは退くが次は仕留める!」

シュバルゴ……トウガはそう言うと森の奥へと消えていった。
完全に気配を消すと俺は極限状態の緊張から解放されて腰を下ろした。
正直言って、あの空気に後10分晒されたらもう駄目だったかも。
一般人がPTSDになるなんて冗談じゃないからな。

ナツメイト
 「ありがとうございます、茂様」

ナツメイトは振り返ると、恭しく頭を下げた。
その振りまいはどこか高貴さを感じさせる。
姫さまと言われてたし、やんごとなき御方なのか?

ヤミカラス
 「姫さま、この男をご存じで?」

ナツメイト
 「いえ、初対面です。ですがこの方の的確な判断がなければやられていました」

ナツメイトは剣の血を拭うとそれを腰の鞘に納める。
そしてへたり込んだ俺にまるで天使のような笑みを向けて手を差し出した。
俺はその人形のように白い手を取った。
ナツメイトは優しく俺を立たせて。

ナツメイト
 「お願いします茂様、私に力を貸してください」

そして、彼女は膝をついた。
まるで騎士のように、あるいはプロポーズする男性のように。
それは、俺の運命を変える出会いなのだろうか?



***



ヤミカラス
 「そもそもだ、ワシは貴様を伝説のポケモントレーナーなどと認めん!」

シュバルゴのトウガを撃退した後、俺はサーナイト娘のナツメイトとヤミカラス男のツキじいさんと一緒に行動を開始した。
ナツメイトは俺のことを伝説のポケモントレーナーと疑っていないらしく、俺の隣でニコニコ笑っている。
一方見た目通り口うるさいツキじいさんはグチグチ文句言いっぱなしだ。

そもそも伝説のポケモントレーナーとはなんなのか。
俺の解釈ではゲームなどでポケモンを育て戦わせる職の人だ。
勿論ゲームの中なら俺だってポケモントレーナー、悪の組織と戦い、ポケモンリーグを制覇する。

だが、こっちの世界では解釈が違った。


 「曰く、伝説の乙女の手を繋ぎ、世界を変える者……か」

随分と幻想的というか、伝説というだけ有り、曲解された真実がありそうな感じだ。
しかし、この世界では子供でも知っている位有名な神話のようだ。
俺の見解では伝説と謳われる乙女とのラブロマンスにも思える。

ツキ
 「全く、こう言う時にナギー殿が居てくれれば」


 「ナギ?」

ナツメイト
 「今は亡き王国、ホウツフェイン王国に仕えた親衛隊長です」

そうだ、この世界の情勢についても理解する必要がある。
この世界には元々ポケモンたちの王国があったらしいが、現在では多くが帝国……アーソル帝国の手によって滅びたらしい。
この姫さまこと、ナツメイトはそんな亡き王国の王女だという。

ツキ
 「ナギー殿ならば、あの程度の敵などものの数ではない!」

ナツメイト
 「そうかしら? あのトウガという騎士、甘く見たら足下を掬われると思うわ」

確かにナギという騎士の事は知らないが、トウガという騎士なら分かる。
万全なら自分の遅さも気にしない技巧でいなし、隙を見て一撃を叩き込む。
あの勝利は相手の油断があってこその結果だ。
しかしそれでも俺の指示があったことに気づいていたし、深追いはせずに大人しく退いたのは後先考えると恐ろしい。


 「で、俺たちは今どこに向かっている訳?」

正直俺は言葉で聞いた程度しかこの世界のことは知らない。
こいつらは反帝国軍組織、まぁ○ターナーとか○ゥーゴとかそういう奴だな。
その中でもナツメイトは組織の象徴的人物。
恐らく実質のトップは他にいるのだろうが、まぁシンボル、アイドルってのは原動力になるからな。

ナツメイト
 「我々の組織の拠点の一つです」

ツキ
 「本来なら貴様のような素性の分からぬ者など入れたくはないが、姫さまに認められた以上仕方ない」

しかし、仕方がないとはいえ俺って結構じいさんに嫌われているよな。
対して姫さまことナツメイトはニコニコ顔で妙に体を寄せてくる。

ナツメイト
 「この方は間違いなく私に力を与えてくれた、邪険にすれば勝算も失いますわ」


 「その、姫さんさ、近いんだけど……」

どうやら相当気に入られたのは確かだろう。
ちょっとづつ距離を詰めてきて、気がついたらナツメイトの胸が腕に当たる。
この人、今まで出会ってきたタイプとは違うらしい。
美柑や保美香程奥手でもなければ、伊吹や茜程オープンでもない。
正にしたたかなタイプだ。

ツキ
 「む! こら! 姫さまから離れろ若造!」


 「理不尽」

近づいたのはナツメイトなのに怒られるのは俺ってんだから理不尽だ。
ついでに役得かと言われたら、もう慣れたからなぁ。
茜なんて毎日べったりだし、伊吹も割と自重しない。
あの4人に比べるとナツメイトは身長160センチ位(図鑑のサーナイトと同じくらい?)、バストも80くらいと普通に巨乳だが、それじゃあの4人の前では無意味だ。


 (つーかだ、茜たち無事なのか?)

あの時、穴に吸い込まれた時、俺が吸い込まれた後は分からない。
だから、俺だけを吸い込み茜たちは今も部屋にいるかもしれないし、全く別の世界にいるかもしれない。
もし別の世界なら厄介すぎる。
正直俺だって日本に帰られるかわからないのに、あいつらを心配する余裕なんてないのかも知れない。
でも、家族を心配するのは当然の権利だ。

きっとあいつらだって俺を心配している。


 (早く皆に無事な姿を見せないとな)

ナツメイト
 「そう言えば、茂様はなんというポケモンなのでしょうか?」


 「あ〜、そこの所は俺も知らないんだわ」

ツキ
 「ふん! 怪しい男だ!」

つーか、人間って言っても良いものか?
この世界にホモサピエンスがいるとは思えないし、そうなると何か騒ぎにならないか怖い。
兎に角素性に関しては黙っていた方が良いだろう。

ナツメイト
 「………」


 「ん? どうした姫さん」

俺はじっと真剣な眼差しで俺を見るナツメイトに声をかけた。
ナツメイトはそんな自分に気づいてなかったのか慌てた様子で。

ナツメイト
 「あ、その……なんでもありません!」

ツキ
 「む! また姫さまに何かしたのか!?」


 「またってなんだよ!?」

相変わらず理不尽である。
しかしナツメイトの真意は……わからない。



***



森を抜けて、山脈の合間を縫って峡谷の下に拠点はある。
拠点にたどり着くときには既に夜を迎えており、俺の紹介は後日という事になった。
拠点には20人程のメンバーがいたが、流石に全員に挨拶ともいかない。
俺はナツメイトに寝室に案内された。
寝室は粗末なもので、床は硬く毛布は重たかった。
だが、体はかなり疲れており、そんな環境でも眠るには充分すぎた。




 「ん……?」

朝、目を覚ました俺はスマートフォンを確認する。
既に圏外であり、インターネットを介した事は何も出来ない。
時計も同期出来ず、時間は確認できない。
まぁ出来ても正しく表示できるか怪しいが。
俺が寝ていたのはコテージの一室。
この拠点には簡易に設置できるゲルに似たコテージがかなりある。
恐らくかなりの人数が収容出来るのだろうが、そこまでは集められないのだろう。


 「……やっぱり異世界だよな」

もし実は夢でした、なんて言ってもらえればどれ程有り難いか。
これ自体もセットで大掛かりなドッキリならどれ程救いがあるか。
だが、現実は非情である。
俺は異邦人であり、帰れる算段もない。
つまり、最悪の場合俺はこの世界に骨を埋めなければならない。

その覚悟が俺にあるか?
正直言ってないな。
出来れば帰りたい、希望的観測でも、希望を持たなきゃ人間はそこで死んでしまう。
これはあいつらに、茜たちに教えられた事だ。

バサッバサッ!


 「なんだ!?」

突然、司令所の辺りに有翼のポケモンが降ってきた。
俺はそれに近づくと酷く傷ついた様子であった。


 「おい、あんた大丈夫か!?」

翼人
 「そ、それよりナツメイト様に……!」

ツキ
 「如何なされた!? む、貴様は親衛隊の!」

翼人
 「親衛隊所属、ナギー隊のジェットであります……」

ジェットと呼ばれる男は体を軽装の鎧で身を包んでいるが、それは飛ぶためという感じで、背中の翼はピジョンかピジョットといった感じだ。
顔は兜越しでよく分からんが、イケメンそうだな。
傷は全身に及んでおり、良く飛んできたと感心出来る程だ。
それだけにその姿は痛々しく、直ぐにナツメイトが現場に指令を出す。

ナツメイト
 「貴方! 酷い傷を……衛生兵、早く彼を!」

ナツメイトが現場に駐在する衛生兵を呼ぶと、数名兵士とは思えない古くさい格好をした人達がやってくる。
しかしジェットは倒れながらもナツメイトの腕を掴み、懇願した。

ジェット
 「お聞き下さい! 我が隊の隊長ナギー殿が、敵の手に……!」

その言葉に現場にいた数名が狼狽し、響めいた。
その中にはツキのじいさんも含まれている。

ツキ
 「なんと!? ナギー殿が!?」


 (……じいさんの話だと相当の凄腕という話だったな)

それが敵に捕まったというなら、それって組織としては大ピンチじゃないのか。
実際ナツメイトも相応に悲壮な顔をしている。

ジェット
 「お、お願いですナツメイト様! ナギー殿を!」

衛生兵
 「それ以上は駄目です! こっちへ!」

ジェットは悲壮な思いを伝えた。
だが、本人の怪我も普通ではなく、衛生兵はジェットを連れていった。


 「姫さん?」

ナツメイト
 「……行きましょう! ナギーを放ってはおけない!」

ツキ
 「な、なりません! 姫さまの身に何かあればそれこそ大事に障ります!」

ナツメイト
 「だからと言って放置なんて出来るわけないじゃない!」

不毛な言い合いだ、部外者だからそう感じるのか?
だが、ここは冷静に考えないといけない。


 「姫さん、助け出す算段がないんなら俺はじいさんを支持する」

はっきり言って情報が少なすぎだ。
あのジェットていう人も感情でまくし立てて肝心の所が分からない。
ナツメイトはまさか俺にまで反対されると思わなかったんだろう。
ショックな顔を見せるが。

ナツメイト
 「無理だ駄目だ……でも、それを通したら私たちなんて意味ないじゃない……理不尽に立ち向かうため集まったのに」


 「現実を見ろ、情報がいると言っている!」

俺は怒気を強くして、ナツメイトを叱咤した。
ナツメイトはそれ以上は言い返せないらしく大人しく部屋の奥に戻った。

ツキ
 「感謝するぞ若造、あのままでは姫さまが飛び出しかねんからな」


 「じいさんにしては珍しいね。ま……勇気と無謀を勘違いしちゃ困るからな」

アイツのやろうとした事は完全に無謀。
せめて情報さえあれば、なんだがな。
一旦騒然となる拠点だが、俺は冷静に考える。
あのジェットは診療所か。


 「まず、情報は必要だからな」



突然始まるポケモン娘と旅をする物語


第2話 異世界 完

第3話に続く。


KaZuKiNa ( 2019/02/11(月) 10:24 )