02月03日 「いってきます」
さて、これでこの日記ももう終わりだ。
因みに今は朝である。この日記はおいていく。一応だが表紙に「柊 蒼輝」と書いておくことにする。中を見たらおそらく日記というのも分かるだろう。そして名前を見て誰のかを理解してもらいたい。
……まあ、誰かがこの日記を見ているとしたら、謝っておこう。くだらない内容ですまん。
とりあえず俺はこの家を……救助基地を出て行く。
救助基地とは残しておく。帰ってこれれば帰ってくるつもりだが……ミフィに大きくなって救助隊をするときがきたら使ってくれと言っておいた。
『ベテルギウス』はこれにて解散……に、一応した。
ただ本当の解散ではないが。俺はまだ『ベテルギウス』の名を捨てるつもりはない。
俺はこれから、旅に出る。
それについてこれる奴だけ――引き続き『ベテルギウス』となる。
まだ救助を待っているポケモンが世界には沢山いるはずだ。だから旅をして救助して、あとこの世界のことについて知っていこうと思う。
因みについてくるのはリフィネ、翡翠、シィーナである。
フェクは家族がいるし、ソレアはソレアで禍を知らせにいくとか何とか言ってついてこないらしい。他の奴らも、色々な理由があるようで。
リフィネは「もちろん私だって沢山のポケモンを救いたいからね!」と。まあ自分の夢のためだろうな。
翡翠は「え? ついていきますよ? 蒼輝さんに付いて行くって言ったじゃないですか」と今更何を、みたいな感じで言われた。
シィーナは「まあボクはホントはそこら辺まわって幸せを届けなきゃいけないからね〜。普通は旅しとかなきゃならないんだけどー」とまあついてくる気らしかった。
……それはおいといて、俺には旅する理由がまだ、あと1つ、大事なことがある。
俺の記憶を取り戻すため。
確かに俺はこの世界で生きることを選んだが、過去のことをどうしても思い出したい。あの人のことも、まだあっちの世界にいる奴のことも。
あの人は死んでしまったからもう会えない。
……それでも、思い出しておきたい。それがどれだけ辛かろうと、彼女が生きた証を、俺が証明できるように、思い出したいんだ。
そして……もう1人に、会うために。
俺は、俺たち『ベテルギウス』は、旅にでる。
とりあえずさようなら。救助基地。そして今の俺をずっと支えてくれたこの場所とこの場所で暮らしているポケモン達。
ありがとう。いってきます。