輝く星に ―闇黒の野望― - 第4章 来訪する珍客
45話 VS無尽復元の体
「ゲンシノチカラ」

 レジロックから繰り出される技を、4匹はそれぞれ軽々と避ける。

「てだすけ!」

 スウィートが補助の技を繰り出すと、まずフォルテが動いた。

「火炎放射!!」

「チャージビーム」

 炎と電気、どちらも凄まじい勢いでぶつかり合う。
 それからアル以外の『シリウス』は地面に伏せるようにして、身を屈めた。アルの体からはバチバチと電気が漏れる。
 
「放電!!」

 電気がフロアを蜘蛛の巣のように張り巡らされる。広範囲に、レジロックに逃げ場を与えないように。
 もちろん避けられるはずがないレジロックは動かない。しかし電気を受けながらも、岩の腕をぐぐぐと上に上げ、そして

「地震」

 勢いよく、振り下ろした。
 それと同時、地面が大きく揺れる。

「っ……真空瞬移!!」

 スウィートは何とか技を発動させ、レジロックの真上に移動する。
 フォルテとアルが地震は効果抜群のため2匹を守ることも考えたが、2匹同時は無理だ。今からいっても恐らくそこまでダメージ半減はできない。ならば攻撃をしかけたほうがいい。
 そう考えたスウィートの行動だった。

「アイアンテール!!」

 レジロックの体に思い切り尻尾を打ち付ける。ただその硬さはかなり異常のように思えた。ビリリ、と尻尾がしびれる。
 これ以上は無理だと判断し、すぐさまでんこうせっかで飛び退く。
 するとレジロックの周りに岩が2,3個出現した。おそらく岩落とし。その岩は完全にレジロックの近くにいるスウィートを狙っていた。

「しんくうぎり!」

 岩を細かく砕き、身を伏せる。
 すると狙ったようにシアオの声と、そして音が聞こえた。

「特大はどうだん!」

 スウィートの上スレスレで、黄色の球が通る。それは真っ直ぐレジロックに向かっていた。
 デカイはどうだんが通り過ぎてから、スウィートは身を起こす。
 レジロックは避ける素振りを見せず、攻撃の素振りを見せた。

「岩ナダレ」

 その音とともに、レジロックの前に岩が何十にも積み上げられる。
 はどうだんは岩とあたりながら進もうとする。しかし、幾重にも積み上げられた岩には勝てず、それは光を失った。
 しかしそれも想定済みである。

「真空瞬移――アイアンテール!」

「たたきつける!!」

 スウィートとアルが動き、レジロックに攻撃をしかける。
 図体とは似つかず、レジロックは素早く腕をあげた。2匹の攻撃は腕にあたる。

「っ……硬、い……!!」

「スウィート離れろ!」

 アルの言葉で真空瞬移を使ってスウィートが離れる。するとアルの体から電気が漏れ出した。

「10万ボルト!!」

 バチバチバチッと音をたてて、レジロックに強い電圧の電気が流れる。それもアルは正確に電気を操って、スウィートと自分が攻撃した部分に集中するようにしむけた。
 するとボロッ、とレジロックの体の一部が崩れた。
 しかしそのままを許すレジロックでもない。

「冷凍パンチ」

「チッ、」

 レジロックの拳がくるまえに、アルは流していた電気を自分の腕に集中させる。そして腕をガードとしてだし、レジロックの拳と衝突した。
 電気で何とかダメージを少しカバーしているものの、それは少しの盾にしかならない。

「アル!」

「ってぇ……」

 アルの体が勢いよく吹っ飛び、壁に激突する。
 フォルテが声をあげたが、今は気にしている場合ではない。その間にもレジロックは攻撃をしようとしている。
 しかしレジロックが腕を上げた瞬間、

「え?」

 誰かが、声をあげた。もしかすると『シリウス』全員だったかもしれない。それほど、見た光景は異常だった。
 ぼろりとその腕が崩れたのだ。レジロックの岩の腕が。
 そちらの腕はスウィートが攻撃し、アルが10万ボルトで攻撃して、そしてアルを吹き飛ばした腕。ダメージを集中して与えられたとはいえ、崩れるなどと誰が予想しただろうか。

「あ、あれって崩れるの!?」

「さ、さぁ……?」

「とりあえずもう1つの腕ももぎ取ってやりゃいいのよ!! 火炎放射!!」

 戸惑っているスウィートとシアオを他所に、フォルテは容赦なく攻撃をしかける。
 言っていることはともかく、行動としてはフォルテが正しいだろう。長期戦にもつれこむのは好ましくない。早めに片づける方が楽だ。今の事態は好機とみるべき。
 レジロックは迫ってくる火炎放射よりはやく、がんせきふうじを繰り出して岩の盾を作った。
 シアオは駆け出し、火が少し弱まったのを確認して岩の盾を足場にしてのぼり、レジロックの4つ点部分のあたりに直接攻撃をしかけた。

「はっけい!!」

「岩オトシ」

「――しんくうぎり!」

 シアオの上に落ちてくる岩を、スウィートが技を繰り出して砕く。シアオはそのまま突っ込み、レジロックに攻撃した。
 ズゥゥン、と重々しい音をたててレジロックが倒れる。シアオはすぐに離れた。

「手応え有り! てかアル大丈夫?」

「平気だ。それより体の一部がとれるポケモンなんているんだな……」

 言葉を交わしていると、レジロックの体が動いた。まだ動けるらしい。
 すぐさま会話を打ち切り、次の行動へと移そうとした、瞬間、

「地震」

「っ……またっ……!!」

「こんのっ……! 炎の渦!!」

 フォルテが地震で顔を歪めながらも、攻撃をしかける。

「チャージビーム」

 しかしレジロックも冷静に対応してきた。
 地震がようやく収まり、『シリウス』は体勢を整える。レジロックはのそりと動き、壁にあった岩に近づいたと思いきや、

「え、」

「う、嘘だ……!!」

 岩をなくなった腕のところにつけると、それを合図化のように他の岩もくっついていく。
 そして、最初にあった姿に戻った。
 つけ終わるとレジロックは腕を少しだけ動かした。動いている。ただの岩だったものが、レジロックの腕として。

「何、付け替え可能なわけぇ!?」

「だからあの時、真ん中を庇うように腕をもってきたのか……。腕じゃなくて真ん中部分を狙え! 多分じゃないとダメージにならない!」

「……さっきまでの攻撃はシアオ以外はダメだったってことかぁ」

 自嘲気味にスウィートが笑って、レジロックを見た。
 アルの言う通り真ん中――つまり体となっている部分を狙わなければならない。ただレジロックは何度も腕を盾に使うだろう。しかもその腕も復元できるときた。ダメージを負わせるのはなかなか難しい。
 だがそうも言っていられない。倒さなければ進めないのだから。

 スウィートは真空瞬位でシアオの傍に移動した。そして小さな声で作戦を伝える。
 その間にフォルテとアルが動いた。

「全体に攻撃してもいいわけでしょ! 炎の渦!」

「お前……それさっきもやったろ」

「チャージビーム」

 フォルテと同じように、レジロックも先ほどと同じ技を放ってくる。
 ただ違うのは、そのチャージビームを違う技が弾いた。

「10万ボルト!」

 弾かれたチャージビームは炎の渦を粉砕することはできない。炎の渦はレジロックに向かっていき、凄まじい火力でレジロックを囲んだ。
 4匹は様子見をし、どういくかを話す。

「とりあえず今から炎の中に皆で攻撃をしかけて……その後シアオが、」

 スウィートが言葉を止めた。全員が青ざめた。
 無数の岩が、宙に浮いている。恐らくは岩なだれの類だろうが、今まで見た岩なだれと比べれば異常といえるほど数が多い。
 炎の渦は健在だが、おそらくこの岩が落ちた瞬間――岩にかき消されるだろう。
 すると、無機質な音が、残酷に響いた。


「岩ナダレ」


 多量の岩がふりそそぐ。
 スウィートは真空瞬移を使って逃げることも考えたが、距離的に4匹全員の移動はできない。ただ下手に岩に攻撃して砕いても、ここまで多量の岩だ。細かく砕くことはおそらく、不可能。
 ならどうすればいいか。
 考えているうちに、他は動き出した。

「特大はどうだん!!」

「炎の渦!!」

 シアオが真上にむけてはどうだんを撃ち、フォルテはアルと自分を囲むように炎の渦を広げる。
 ただフォルテの場合アルのことを意識してか、広めにと渦の大きさを大きくしているので威力は低めだ。岩は少し勢いを落として降り注いでいる。電気が見えることから、おそらくアルは渦の中から技を使って岩を小さくしようとしているのだろう。
 スウィートとシアオの方は、はどうだんで幾つか岩を粉砕したのはいいが、やはりしきれず中ぐらいの岩が落ちてくる。
 暫しスウィートは考えてから、岩に当たりながらもシアオの手を掴んだ。

「真空瞬移!」

 フォルテとアルを大丈夫だと信じて、とりあえず移動する。
 床はほとんど先ほどの岩で埋め尽くされているような状態だ。その中で見える炎が今フォルテたちのいる場所。
 スウィートは岩の上に移動し、岩に足をつけた。

「電磁砲」

「なっ――」

「やばっ……!」

 場所は適当に、レジロックは無数の電磁砲を撃った。それはスウィートとシアオに直撃し、2匹の体が吹っ飛ぶ。
 するとフォルテとアルが岩の中から出てきた。結構な傷を負いながら。
 レジロックは平然と立っている。それもそうだ。ダメージはあまり与えられていない。

「厄介だな……」

「早いトコ決めないとあたし達がヤバいわよ」

 スウィートもシアオも、どこかぼんやりその会話を聞きながら立ち上がった。
 足場が悪いため、早く移動するということは頭に入れない方がいい。でんこうせっかは使えるは使えるが、あまり期待できないだろう。
 すう、とスウィートは息を吸い込んだ。

「シャドーボール!」

「あぁ、やっぱりそういくわけね……。火炎放射!」

「10万ボルト!」

 2方向から攻撃をしかける。
 レジロックは両腕を持ち上げ、そこから電磁砲を発射し、技を打ち消す。

「手を休めるなよ、10万ボルト!」

「分かってるわよ!」

 今度は一方向から。レジロックはのそりと2匹の方を向き、両手を突き出した。

「電磁砲」

 威力が2倍ほどになった電磁砲が、技を粉砕し、真っ直ぐと2匹に向かう。
 フォルテが火炎放射をする直前、アルがフォルテの頭を片手でつかんで抑えた。フォルテはそのせいで、アルは自主的に頭を下げて伏せる。
 すぐ真上を電磁砲が通過した。レジロックを見れば、また電磁砲を撃とうとしている。

 その後ろに、真空瞬移で移動したスウィートとシアオがいると気づかず。

「電磁――」

「はっけい!!」

 完全に隙をついて、レジロックの背中にはっけいを打ち込む。
 予期せぬことにレジロックは何もできず、それをまともに食らった。その体はぐらりと傾いていく。
 するとスウィートはまた移動した。今度は、真上に。

「シャドーボール!」

 2発を撃ち、真上から足を狙う。狙い通り倒れ、今から起き上がろうとしていたレジロックの足に直撃し、その足の岩が、崩れた。
 そして足を復元する間も与えず、シアオが繰り出した。

「特大はどうだん!」

 しっかり、背中を狙って、ありったけのパワーをこめて。

 避ける術がないレジロックは、その巨大なはどうだんを食らった。そして、動かなくなった。

■筆者メッセージ
ボス戦もう嫌だ……。
そしてレジロックは私がいいように解釈っていうか……もうやりやすいように弄りました。反省はしてるけど後悔はしてない。もう呆気ないのは気にしない。
レジの皆さま大爆発して自爆とか考えたけど「それはないな」と考え直した。
色々と血迷ってます←
アクア ( 2014/08/21(木) 20:50 )