プロローグ
最低な神が創ったこの世界。
そんな世界が必要か。その答えは簡単だ。必要ないに決まっている。
ならばこの世界を壊してしまおう。この世界に、破滅をもたらしてやろう。
アイツが絶望するほどに、真っ黒にこの世界を塗りつぶしてやろう。全ては神が、悪いのだ。アイツさえ、アイツさえいなければ、よかったのだ。
しかしそれは小さな英雄たちによって、実行できなかった。
上手くいったはずだった。だが未来のポケモンと、『シリウス』という探検隊に、星の停止≠迎える未来をなかったものにされたのだ。
意味がない。これでは、意味がない。
アイツが望むような平和な世界になってはいけない。アイツが望むような結果にならせてたまるものか。アイツが望むような結果だけは、避けなければいけない。
アイツは何があっても、不幸にならなければいけない。
折角うまくいっていた作戦が破られたのであれば、違う作戦をたてればいい。
だがまた邪魔をされては厄介だ。作戦と並行して、あの英雄たちを潰ぶすことにしよう。
邪魔した存在。それはアイツと、同じ。
誰であろうと邪魔する者がいるならば消してやろう。誰であろうと、この世から消滅させてやる。
アイツが許可してこの世界に戻ってきた……否、生き返った、ソイツにも納得がいかない。
ソイツをアイツが必要だと思って戻したのであれば、もう一度 消してやる。この世から、抹消してやる。アイツが望むような結果にはさせない。させてたまるものか。
最低なアイツが創ったこの世界に、必要なものなど何もない。
この世界は、こんな世界は、なくなるべきだ。アイツが創った世界なんて必要ない。しかし世界を消すと言うの簡単ではない。
だから、俺がこの世界を変えて、新たな世界を創ってやろう。
真っ黒な世界を、アイツが絶望するような世界を、俺が、創ってみせよう。
「今日もがんばっていくよー!」
「「「「「「おおおぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉ!!」」」」」」
そんな黒い影が近づいているのも知らず、英雄たちは平穏な日々を過ごす。