104話 VS時の支配者
「てだすけ!」
「はどうだん!」
すぐにスウィートはシアオを補助し、シアオは攻撃したが、ディアルガはげんしのちからで技を打ち消す。
ディアルガはすぐに反撃してきた。
「メタルクロー!」
「シャドーボール!」
「はっけい!」
爪を弾こうと技を繰り出すが、ディアルガはそのまま爪を振り上げてきた。
スウィートは咄嗟にシアオの腕を掴んで、真空瞬移で移動し、爪を回避する。そこでスウィートがディルがを見ようとすると
「きゃ!?」
「うわ!?」
その前に攻撃をうけ、スウィートとシアオがゴロゴロと転がった。
ディアルガはスウィートたちを見ずにげんしのちからで辺り一面を攻撃したのだ。
まだ体をオ切らせていないスウィートにまたもディアルガは攻撃をしかけようとするが、スウィートは真空瞬移で移動して避けた。
そしてディアルガの上に乗るようなところに移動したので、スウィートはそこから攻撃をしかける。
「アイアン――うぐっ!」
しかけようとしたが、スウィートの後ろからげんしのちからで動かされた石が直撃する。
予想外のところからの攻撃、そして直撃したことでスウィートはディアルガの体から落ちる。そのときにディアルガがまた爪を振り上げた。
「ドラゴンクロー!」
「っ、まもる!」
急いでシールドを作ったが、不完全なままでシールドが壊れる。そしてスウィートはそのまま吹っ飛び、柱にぶつかる。
シアオは自分に注意がいってない間に手に力をためる。
そんなシアオに気付かず、ディアルガはスウィートに近づいていた。そして十分に力がたまり、シアオは放った。
「特大はどうだん!」
大きいはどうだんがディアルガの頭に直撃する。
それにより動きが止まったディアルガの隙を見逃さず、スウィートlは真空瞬移でシアオの隣まで移動した。
「シアオ、ありがと」
「う、んっ!!」
スウィートのお礼に返事をする暇も与えてくれないらしい。げんしのちからを2匹は避け、また攻撃を始める。
「シャドーボール!」
スウィートはシャドーボールを2発つくってディアルガの前と、そして真空瞬移で後ろにやって攻撃しようとした。
しかしそれさえも呼んでいるといったように、げんしのちからで一掃されてしまった。
シアオはその間にディアルガの足元に移動していた。
「かわらわり!」
「うがっ!?」
シアオの攻撃のおかげで、ディアルガが体制を少し崩す。
スウィートとシアオはその隙を逃さず、すぐさま攻撃をしかけた。
〈中枢が壊れていなければ、1匹につき技1つ貸すことも可能だ。だが、中枢がその前に全て壊れてしまえば――〉
(まだ、大丈夫。サファイアの皆は、タイムパラドックスでしか、消えない)
「《
幻月剣!》」
「はどうだん!」
シアオは腹に、スウィートはほとんどのナイフをディアルガの頭にむけた。
体制を立て直すことの出来なかったディアルガは技を繰り出すことが出来ず、諸に攻撃をうける。それを確認するとシアオはすぐにでんこうせっかでディアルガの下から移動した。
スウィートとシアオが見るに、まだ動きそうにない。しかしいつ動いて攻撃してくるか分からない。
2匹は目で合図し、また技を繰り出した。
「シャドーボール!」
「まねっこ――げんしのちから!」
2つの技がディアルガにつっこんでいく。ディアルガが反撃してくる様子はない、スウィートとシアオが確信して突っ込んでいく。しかしそれは違った。
ディアルガの尻尾の白いものが開き、胸の宝石が青く光った。瞬間に
「グオォォォォォオ!!」
「っ――きゃあぁぁぁあ!?」
「うわぁぁぁぁ!?」
ディアルガの雄叫びとともに青黒い波が襲ってきて、シャドーボールもげんしのちからも打ち消された。それだけで波はとまらず、スウィートとシアオにまで当たった。
耐えようとしたスウィートとシアオだが、それはあまりにも強く、勢いよく飛ばされ、柱に体をぶつけた。
「うっ、ぐ……」
体を起こそうとするも、ビリビリと体が痛む。先ほどのディアルガの攻撃がどれだけの威力かを思い知らされる。
シアオも同様で、苦痛に顔を歪めながら体を起こそうとするが起き上がれない。
痛む体を叱咤して何とか体をおこす。シアオもよろけながらだが何とか起き上がった。
視界に入ったのはディアルガの姿。ゆっくりとこちらに向かってきている。大きなダメージをうけた様子は、あまりない。
しかし何発か効果抜群のシアオの格闘技を食らわせたりしているので、多少なりともディアルガもダメージは喰らっているはずだ。
「小賢しい……げんしのちから!」
「……!?」
「あ、1回であんなに……」
ディアルガが技を言ったともに、何十、否、何百もの石がスウィートとシアオに向けられる。
スウィートは辺りをすぐさま見渡して逃げ場を探したが、どこにいても当たる。
石がとんでくる直前、スウィートはシアオの前にでた。そして技を放つ。
「《
爆裂大河!!》」
剣は石からスウィートとシアオを守るように防いでいく。
しかしそれでも何百発もある石を防ぎきれるわけもなく、スウィートとシアオはダメージをくらう。
それでもシアオは攻撃の準備をしていた。
そして剣も石も消えた瞬間、シアオはディアルガに向かって放った。
「特大はどうだん!」
「りゅうのいぶき!」
ディアルガは読んでいたといわんばかりのタイミングでシアオの技を打ち消す。
スウィートはその間に、真空瞬移でディアルガの頭の少し後ろ側に移動していた。そしてアイアンテールの準備をするが
「っ――あぐ!!」
いきなり体が硬直し、その隙にディアルガのアイアンテールが直撃する。空中にいる間に硬直はとけ、スウィートは急いで真空瞬移でシアオの隣に移動した。
先ほどのスウィートの様子に疑問をもったシアオはスウィートに聞く。
「さっき、どうしたの? あれだったら攻撃できそうだったけど……」
「分からない。何でか体が硬直したの……。もしかしたら威圧で体が硬直してしまたのかもしれない……」
ごくり、とシアオは息とのんだ。
スウィートでさえ、体が硬直するほどの威圧。それに自身は耐えられるだろうか、と心配になったのだ。
急いで考えを振り払い、シアオはディアルガに目を向ける。
(こんなところで、ビビってちゃ駄目だ。僕だって、僕だってやれる!!)
シアオがはどうだんをうち、スウィートがシャドーボールを真空瞬移でディアルガの後ろを狙った。
だがディアルガはげんしの力で2つとも滅する。
「冷凍ビーム!」
「《
魔光電磁!》」
ディアルガの冷凍ビームと、スウィートが放った電撃がぶつかり合う。
その間にシアオはでんこうせっかで移動し、ディアルガが見ていないであろう場所から攻撃する。
「まねっこ――げんしのちから!!」
できるだけ強く念じ、沢山の量の石をディアルガに向け撃った。ディアルガほどではないが、シアオは多く操った。
しかしそれさえも見抜いているといったように、ディアルガは片方の爪を振り上げ、メタルクローで弾いた。だが何個かは当たる。
そしてスウィートが攻撃をしかけようとしたところだった。
「きゃあ!?」
「うわあぁ!?」
地面がいきなり揺れた。“時限の塔”に入る前からおきている、地響き。
まさか戦闘中まで地響きがおこるとは思わず、2匹はバランスを崩す。しかしディアルガはその隙をついてきた。
「メタルクロー!」
「うぐっ!!」
「うあっ!」
地響きに気をとられていた2匹は直撃する。
スウィートは痛む体をすぐにおこし、反撃を試みる。
「シャドーボール!!」
ディアルガは技を繰り出さずにそれを避ける。それをよんでいたかのようにスウィートはすぐさま真空瞬移で移動する。
ディアルガがスウィートに気を取られている間にシアオは移動し、少し跳躍してディアルガに攻撃を食らわそうとした。
「まねっこ――メタルクロー!!」
「メタルクロー!!」
ディアルガはシアオと同じ技でシアオの技を跳ね返そうとする。
その間にスウィートは狙いを定め、シアオに合図した。
「シアオ!!」
それとともにシアオはディアルガから離れる。
スウィートはそれを確認するとすぐさまディアルガから死角となっている場所から攻撃をしかけた。
「《
旋風飛雪!》」
真っ直ぐに竜巻の形をした吹雪がディアルガの方へ向かう。
シアオは十分ひきつけた。ディアルガも気付いていない。これは絶対にあたる。そう思った直後、
「なっ――」
ディアルガの尻尾の白い部分が開き、宝石が青く光る。
それを見て、スウィートとシアオがヤバイと思った瞬間、ディアルガが吠えた。
「グオオオォォォォォオ!!」
「嘘っ――っあ!!」
「がっ!?」
竜巻の吹雪も吹き飛ばし、青黒い波はスウィートにもシアオにも当たった。
スウィートは柱に激突し、シアオは壊れて倒れている柱にとともにゴロゴロと転がり、とまった。
またもビリビリと体が痛み、なかなか起き上がれない。更に最初に喰らったときよりダメージを喰らっているので、体をおこすのは困難だった。
しかし、と思ったスウィートだったが、ある疑問を覚えた。
(ディアルガが……攻撃を、たたみみかけて、こない……?)
スウィートがディアルガを見ると、ディアルガはその場に止まっていた。しかし数秒してすぐにスウィートの方にむかってきた。
急いでスウィートは思考を停止し、ドラゴンクローをかわすために真空瞬移で移動して避けた。
スウィートはディアルガを見て、そしてでんこうせっかでシアオの元までいった。
シアオは体を起き上がらせている途中で、スウィートは手を貸す。それにお礼をいいながらシアオは起き上がり、そしてスウィートは自身の考えていることをうちあけた。
「シアオ……。もしかしたら、ディアルガを倒せる方法があるかもしれない」
「えっ!?」
「さっきの技……強力な技だけど、おそらく反動でディアルガは一定時間 動けないはず。その後に私とシアオが強力な技を直撃させれば、きっと、いける」
ディアルガがしてきたげんしの力を避ける。避けてからスウィートはシャドーボールをうち、シアオに続きを少し大きな声になりながらも話す。
「このままじわじわとダメージを与えていっても私たちが先に倒れてしまう。だから、あの攻撃に耐えて、強力な技を直撃させるしか、ない!」
メタルクローを避け、今度はシアオがはどうだんを撃つ。スウィートはしんくうぎりでディアルガに攻撃するが、ディアルガははどうだんだけ防いだ。
しんくうぎりは多少しかダメージを与えられない。おそらくあまり効いていないのだろう。
「で、でもあの技をいつ撃つか分からないし、何より僕らが耐えられるかどうか……!」
「ッ!」
シアオの腕を掴んで真空瞬移でりゅうのいぶきを避ける。ゆっくり話す間もくれない。
スウィートはディアルガを見ながら、はっきり言った。
「それでも、やるの」
何も確信はない。ディアルガが撃ってくる可能性があるとはいえない。自分たちが倒れないとはいえない。
しかしスウィートは、それしかないと思った。
「ディアルガの態勢を崩せばアレを使ってくる。それが、チャンス。それも、1回きりの」
耐えられたとしても、あと1回。2回も耐えられやしない。
スウィートはディアルガに突っ込んでいく。シアオも、すぐに動いた。
「アイアンテール!」
げんしのちからを避けながらスウィートが突っ込んでいくと、ディアルガもアイアンテールで返してくる。何とか押し返そうとしたが、逆にスウィートが押し返されて吹き飛ばされる。
そのままげんしのちからで狙おうとしたディアルガだが、シアオに気付いて攻撃をそちらに向けた。
「ドラゴンクロー!!」
「んのっ……はっけい!!」
シアオはできるだけ力をため、ディアルガの爪を弾く。
そして真空瞬移でディアルガの真上に移動したスウィートが、撃った。
「しんくうぎり!!」
すぐさまシアオはでんこうせっかで距離をとり、スウィートはまたも真空瞬移でシアオの隣に移動する。
ディアルガはしんくうぎりなど気にしていないように、りゅうのいぶきを2匹にしようとした。が、
「なっ!!」
地面が崩れた。
スウィートは始めからディアルガを狙っていない。ディアルガが立っている地面を崩す気でいたのだ。
「《
幻緑閃花!!》」
「はどうだん!」
ディアルガの体に蔓が巻かれる。シアオのはどうだんは真っ直ぐにディアルガの元へとんでいく。態勢を崩されたため、ディアルガは動けない。
だからスウィートの読みどおり、使った。
「グォ……」
白いものが開く。そして、宝石が青く光った。
「シアオはパワーを溜めることに集中して! こっちは私が――」
「グオォォォォォォォオオオォォォ!!」
今までで1番大きいかもしれない青黒い波がきた。
ディアルガを絡め取っていた蔓は勿論、シアオのはどうだんも打ち消される。それでも尚、青黒い波は進行を止めない。
スウィートはシアオの前にでて、技をだした。
「《
幻守御!!》」
虹色のシールドがスウィートの前にでる。青黒い波は止まっているものの、突き進もうとしている。
サファイアからぱきんっと音が聞こえた。見ると一部分がかけている。
「うっ……んぐっ……!!」
(あと、あとちょっとだけでいいから……!!)
するとパキンッとシールドに
罅が入った。更に他の箇所からも音をたてて罅が入っていく。
その罅はだんだん広がっていく。シールドは、もうもたない。罅と罅が繋がった瞬間、シールドがバリンッと音をたてて割れた。
「きゃああ!!」
「わあぁぁ!?」
青黒い波はそのままスウィートとシアオをのんだ。その波は止まらず無事だった柱も折れている柱をも壊していく。
ディアルガがほとんど理性がない目で、2匹が倒れている場所を見た。動けるようになったら、すぐにでも攻撃するつもりなのか、体が動こうと震えている。
しかし、ほんの少しの理性が、驚きを示した。
「なっ……」
立ったのだ。立たないと思っていた者が、たった。
体はもうボロボロで、動けなくてもおかしくないのに、たったのだ。あの小さな体で、立ち上がったのだ。
「っく……これでっ……」
「終わ、らせる……!!」
スウィートは頭上に温かい光を放つ剣をつくり、シアオの手には眩い光が集まっている。
そして、スウィートはそのまま、シアオは両手をディアルガに向け
「
治癒の真空剣!!」
「超特大はどうだん!!」
技を、放った。
反動で動けないディアルガは、どうにか動こうとする。体が悲鳴をあげているというのに、無理をして動かそうとする。
しかし、体を動かすよりも先に、2匹の技が、ディアルガを襲った。
「ガッ……グガアアァァァァァ!!!」
酷く痛苦な声をあげ、ディアルガは力なく、倒れた。